新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)への支援

新型コロナウイルスと闘う人々を支え、
医療崩壊を防ぐ

クラスター発生により窮地に立たされる医療福祉現場を、医療チーム派遣による包括的な緊急救援でサポートします。
新型コロナウイルス感染症に立ち向かう全ての医療福祉関係者に、「感染対策指導」「医療物資支援」を合わせ3本柱で支援します。

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医療チームによるクラスター支援

1)実績

2022年8月現在、全国16都道府県・58自治体にて、計189カ所の医療機関・福祉施設に、医療チーム延べ469名を派遣しています。

COVID-19への支援 ジャパンハート クラスター支援

2)私たちの特徴

COVID-19感染拡大を受け、特に集団感染(クラスター)の発生となった医療機関・高齢者施設・障がい者福祉施設を中心に人的資源の支援として看護師を中心とする医療チームを派遣し、現場における感染制御から人的支援を包括的に実施します。
クラスターの現場においては、フェーズごとにさまざまな課題に対処する必要があります。

・不適切なゾーニングによる感染拡大
・不完全なPPE(防護具)の使用による職員感染
・職員感染に伴う急激な人的資源の枯渇
・周囲からの風評被害
・感染収束へ向けた現状分析とプランニング

ジャパンハートは、地域の感染症対策本部や感染症専門家と協働しながら、単なるスポットの指導に留めず、施設に寄り添い共に働きながら現場の状況に合わせて最大1ヶ月間クラスターの収束に向けた包括的な支援を実施します。
時には、感染拡大による職員不足を補完するためのマンパワー支援として、実際の病棟や施設の生活介助に徹します

感染拡大による職員不足を補完

その中で、感染拡大を防止するための対策を施設職員の方々と同じ目線で実施し、感染症対策本部や感染症専門家との連携のもと、ICN(感染管理認定看護師)に準ずる、感染管理・感染制御も実施し、現場に合わせたより現実的な感染対策指導を実施します。支援の域は看護業務にとどまらず、クラスターの対処に必要な、ゴミやリネンの排出方法、職員復帰までのプランニングや職員のメンタルサポートなどロジスティックスに関わる課題に対しても包括的な支援を実施します。
ジャパンハートの医療者ネットワークを活用し、中長期にわたり活動できる看護師を確保し、相互的にクラスター対策のノウハウを蓄積しています。
自治体からの派遣要請に対し、平均して翌日には現地入りを行い、迅速かつ的確な支援を行えるよう心がけています。

クラスター対策のノウハウを蓄積しています

3)対象先

2020年5月の長崎県長崎市に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」乗組員への医療支援活動を皮切りに、社会のニーズに合わせクラスター支援に限らず、自治体からの要請を元に様々な形態の人的支援を展開しています。

・クラスター支援(医療機関・高齢者施設・障がい者福祉施設・保健所・感染症対策本部)
・宿泊療養施設における看護師派遣
・大阪コロナ重症センターへの看護師派遣
・札幌市入院待機ステーションにおける看護師派遣
・在宅療養者への往診チーム派遣

医療機関クラスターでは、感染拡大に繋がりやすい脆弱性を抱える精神科病院における支援を中心に、陽性者数100名を超える大規模クラスターへの支援も実施しました。
高齢者施設では、支援の手が届きにくい規模の小さなグループホームをはじめ、自治体の病床逼迫故に、搬送が叶わず施設内での医療提供を実施せざるを得ない状況下での支援を行いました。
障がい者福祉施設においても、構造上の課題を、過去の経験からノウハウを活かして対処を行なっています。

軽症者用の隔離施設である宿泊療養施設支援では、長崎県に、3名の看護師を派遣し宿泊療養施設の立ち上げに関するマネジメント業務をはじめ、施設療養者への生活支援活動とその活動に係るマニュアル作りなどに従事しています。

大阪コロナ重症センターは、重症者に向けた病床数拡大を目指し、人工呼吸器等重症患者への対応が可能な設備を備えた、大阪急性期・総合医療センター附属の臨時施設になります。
大阪府からの協定をもとに、2名の看護師を派遣し、重症者に向けた急性期対応をはじめとする看護支援を実施しました。

入院待機ステーションは、コロナ病床のひっ迫に伴う救急搬送の調整業務長期化などの課題を解決するため、自宅療養中の入院待機陽性患者の一時的な受け入れ目的で北海道札幌市に開設されました。札幌市からの要請を受け、2名の看護師を派遣し、陽性患者の入院調整が整うまでの看護業務を行いました。

在宅療養者への往診は、コロナ病床のひっ迫に伴い在宅療養をせざるを得ない状況の中、療養者に向けた、自宅への訪問診療を実施し、経過観察・濃縮酸素の開始・薬の処方などを行います。北海道江別市からの要請を受け、調整員・看護師6名を派遣し、江別・石狩地区への往診を実施しました。

クラスター支援

沖縄県に要介護濃厚接触者の隔離施設を設置

沖縄県に要介護濃厚接触者の隔離施設を設置

1)実績

ジャパンハートは、全国150か所以上のクラスター支援を継続する中で、ウイルス罹患者への対応は自治体や医療従事者によって積極的に行われる一方、罹患者と同様の感染対策が必要な濃厚接触者への対応が不十分だと感じていました。特に要介護者については、例えば在宅で介護者が罹患してしまった場合に取り残されてしまうケースが散見され、社会のコロナ対策が進む中でも取り残されたニーズとなっています。そこで、クラスター支援経験があり県内で複数の福祉施設を運営する株式会社ウエラ(沖縄県島尻郡)と連携のもと、沖縄県や周辺医療機関のバックアップを受け、沖縄県宜野湾市に全国初となる要介護濃厚接触者の隔離施設を2021年11月に設置いたしました。要介護濃厚接触者の隔離施設開設以来、2022年6月13日までに、施設・個人の依頼からのべ150名を受入れました。

この施設は、新型コロナウイルス感染拡大を防止するとともに、個人宅の介護者やクラスター施設における職員の業務負担を軽減し、介護サービスの早期平常化を可能とすることによって「支援者の支援」を体現しています。

2)活動内容

要介護濃厚接触者の隔離施設には看護師が常駐しており、その施設運営に関わる看護師はジャパンハートスタッフの他、ジャパンハートが取り組みを行っている、国際看護研修・RIKAjob・災害ボランティア研修にご参加いただいている方々から構成されています。

施設では、同居家族の新型コロナウイルス罹患や福祉施設でのクラスター発生により、隔離を必要とする要介護濃厚接触者をジャパンハートが受入れ、入所者の家族・医療/介護従事者の支援を行いました。

また、利用者に対しては濃厚接触者としてのフォローを行いながら、既往や介護状態に合わせて日常生活をサポートし、食事に関しては嚥下状態に合わせてペーストやキザミ食を提供しました。

ジャパンハートに蓄積された新型コロナウイルス支援における知見は、未知のウイルスに脅かされるのではなく入所者・スタッフの身を守る盾となり、通常のホスピタリティ溢れる看護を隔離施設で提供することを可能なものにしています。

当施設での支援活動が特集されました。
沖縄テレビ放送 / 琉球放送

沖縄県に要介護濃厚接触者の隔離施設を設置

※当施設の運営にかかる諸費用は、利用者の一部負担のほか、主に企業や個人からの寄付金で賄われています。

福祉施設への感染対策指導

1)実績

2020年6月から本格始動した福祉施設に従事されている方々に向けた感染対策指導を行う相談会「ふんわりちゃんぽん大作戦」は、公益財団法人風に立つライオン基金様から委託を受けて実施し、2020年12月19日までに下記の通りの実績となりました。

・相談会参加施設数:658件(内オンサイト:345 / オンライン:313)
※オンサイト=実際に相談会の現場にいらした施設数
※オンライン=Zoomでの開催または、別の現場で行っている相談会にZoomを通して参加された施設数
・相談会実施数(訪問施設数):73件
・相談会総参加者数:1599人(内オンサイト:1000 / オンライン:599)
・相談会参加都道府県数:36都道府県
※事務局による集計数

2)活動内容

新型コロナウイルスの脅威と戦っている場所の1つに「福祉現場」が挙げられます。高齢の方、障がいを持つ方、持病のある方、認知症を患っている方、福祉の現場で働く方々は、常に利用者の方々と密に接する必要があり、その中での感染対策に頭を悩ませています。
多くの利用者の方々が集まる福祉現場で感染が起これば、クラスターが発生する可能性もあります。福祉の崩壊が起きれば、行き場のない利用者の方々や、ご家族の方々がたくさんいる。そんなプレッシャーを抱える現場の方々が全国で戦っています。
ジャパンハートは、2020年5月以降開始した医療チームによるクラスター支援の経験を活かし、全国の福祉現場にも感染対策のノウハウを伝えるために、医療者の派遣を開始し、福祉施設における感染対策指導を実施しました。

福祉施設における感染対策指導

3)共同プロジェクト

本活動は、公益財団法人 風に立つライオン基金 様との共同プロジェクトとして実施しました。本活動に関するお問い合わせは、公益財団法人風に立つライオン基金様へお願いいたします。

公益財団法人 風に立つライオン基金 様との共同プロジェクト

医療物資支援

1)実績

2020年4月、新型コロナウイルス感染症拡大により迫り来る医療崩壊を防ぐため、「#マスクを医療従事者に」プロジェクトを開始し、2020年4月15日~16日にクラウドファンディングを、同17日~19日にチャリティオークションを通じて1万5千人の方から約1億5千万円の資金を調達しました。
こうして集まった資金でマスクを200万枚調達し、まずは新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ数が多い、第一種指定感染症医療機関、三次救急医療機関、特定機能病院を中心とする554箇所の医療機関への配布を実施しました。

配布先医療機関例
・学校法⼈聖路加国際⼤学聖路加国際病院
・国⽴⼤学法⼈ 京都⼤学医学部附属病院
・兵庫県⽴尼崎総合医療センター
・医療法⼈鉄蕉会 ⻲⽥総合病院
・東京都⽴墨東病院
・神⼾市⽴医療センター中央市⺠病院
・学校法⼈慈恵⼤学 東京慈恵会医科⼤学附属病院
・医療法⼈ 沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院
・学校法⼈北⾥研究所 北⾥⼤学病院
・杏林⼤学医学部付属病院
・学校法⼈⽇本医科⼤学付属病院
・公益財団法⼈ ライフ・エクステンション研究所 付属 永寿総合病院
・さいたま⾚⼗字病院
・学校法⼈東海⼤学医学部付属病院
・医療法⼈財団 健貢会 総合東京病院
・地⽅独⽴⾏政法⼈⼤阪府⽴病院機構 ⼤阪急性期・総合医療センター
・公⽴昭和病院
・独⽴⾏政法⼈ 国⽴病院機構 東京医療センター

マスク 配布先医療機関例

2)ジャパンハート ソーシャルネットワークを通じた物資支援

医療機関へのマスクの提供を行う中で、マスクだけではなく、防護具を含む様々な 医療資材が不足していることに加え、医療機関が様々なニーズや課題に直面していることを受け、ジャパンハートでは平時の時から様々な企業と医療機関をつなぎ、有事の際に迅速に医療機関からのニーズを吸い上げ、様々な支援の可能性を持つ企業とを速やかにつなぐことができるプラットフォーム「ジャパンハートソーシャルネットワーク」を2020年4月28日に設立しました。設立後、支援者として、オイシックス・ラ・大地株式会社、オルビス株式会社、株式会社cotree、日本交通株式会社、ライフスタイルアクセント株式会社、ラクスル株式会社、ロート製薬 株式会社に加わっていただき、2021年7月現在、928名の医療福祉関係者の方々がこのプラットフォームに参画しております。

ジャパンハート ソーシャルネットワークを通じた物資支援
ジャパンハート ソーシャルネットワークを通じた物資支援

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