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1995年、私がアジアで医療を始めた頃は、バブルを終えた日本と違いまだまだ貧しい国が多かった。 ミャンマーでは日本の人口の半分くらいの人々が暮らしているのに、国家予算は日本の数十分の一。今、日本で税収のほぼ全てを投入している保健や福祉には、国家予算のわずか1%しか回せていなかった。 アジアの貧国といわれていた国々はどこもそう大差はなかったと思う。 医療にアクセスできない人々、そういう国の人々に医療を届けようと志したとき、とにかく「医療を彼らの手の届くものにする」ということがこの活動の始まりであり、今もしっかりと続いている、活動の土台だ。
しかし、そこからこぼれ落ちていく人々ももちろん無数にいた。 生まれつき心臓病の子どもは、生まれてきた子どもたちの1%もいる。そして肝臓病や腎臓病の子どもたち。 ミャンマーでは年間3,000人ほど、カンボジアでも1,000人弱は発生しているだろう小児がんの子どもたち。 これらの子どもたちには何もしてあげられず、見送るしかなかった。 もちろん貧しい国でも、富裕層の人々は医療を求めて海外に赴き治療を受けていた。しかし、多くの貧しい人々はそのまま短い生涯を終えねばならなかった。 ジャパンハートを始めて10年が過ぎた頃から、多くの仲間がジャパンハートに集うようになり、今まで何もしてあげられず逝かせてしまった子どもたちやその家族の想いを乗せて、私たちは難病の子どもの医療にようやく足を踏み入れることができた。 心臓病の専門チームによる治療、現地人医療者の育成。 大学専門チームや専門病院合同チームによる小児外科難病の治療、肝臓移植をはじめとする高度医療の現地医療者への指導など Japan Heart 1.0 を土台にしたこの活動は、国籍を問わず誰もが、健康な人生を送る権利を有するという当たり前の状態をつくっていくための挑戦でもある。
海外で医療をしていると、日本では全く気付けていなかったことを自覚することがある。貧しい人々は、医療を無料にさえすれば喜んで医療を受けてくれるのだと単純に信じていた。
治療だけで十分役目は果たしていると信じていた。
しかし、医療を受けるために患者とその家族にかかる負担は、治療費だけが全てではないと気付いたのだ。 治療をしている間の家族の状況など思いもかけたことなどなかった。 家族の経済状況、兄弟の精神的ストレス、学業の状況、そして不幸にも子どもを亡くしてしまった家族の精神状態。これは途上国でも、日本でも変わらない。むしろ日本でこそ今、大切にすべき問題ではないのか? それらをすべて含めて“医療”と再定義したほうがいいのではないのか? 私はそう思い始めた。そして同時に、「医療は医療者だけでは完結できない」、そう確信したのだ。 医療に行政や他分野の人々、一般のボランティアの人々を巻き込んでいかなければならない。 そして医療を医療者から解放し、他分野の人々と共に、新しい、この時代に合った相互扶助の仕組みを創り出していかなけらばならないと思っている。
これからまだまだ先は長い。けれども、前に進むしか道はない。
特定非営利活動法人ジャパンハート
最高顧問/ファウンダー 吉岡秀人