活動レポート

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沖縄クラスター支援 ~COVID-19に堂々と向き合う背中~

up 2021.08.17

私は、2021年6月の約1か月間、介護施設2施設で支援に入らせていただきました。

活動内容としては、現場での感染対策の指導や看護業務のマンパワーでの支援、保健所との連携や情報共有などを行っていくことが主軸になっていました。

感染対策に関しては、各所でクラスターが起きている時期であったため、保健所の方や感染対策のチームの方もとてもお忙しく、継続した感染指導をジャパンハートが担っていくことになりました。
また、陽性になった看護スタッフの方やご家族の看護のために長期的に休まれている方もおり、マンパワーとしてのニーズもとても需要がある状況でした。

いざ現場に入ると、現場では陽性者が相次いだり、施設内の看取りがある他、個人防護具の着脱方法やタイミング、またその他の感染対策についても情報が錯綜し、混乱状態にありました。
そのため、まずはルールを整理し、再度周知するところから始めました。

しかし、常勤の介護スタッフの方以外にも、お掃除の方や早朝の短時間勤務の方など様々なバックグラウンドや働き方をしていらっしゃる方がおり、なかなか情報が伝わらないことや、認識がずれてしまうことがありました。
また、テレビやインターネットで様々な情報が流れるため、どの情報を信じていいのか分からず不安に感じる方や、過敏になられている方もいらっしゃいました。

病院の場合は感染対策のマニュアルがあるなど、基本的な感染対策の共通認識があることが多いですが、こうした様々な人が働く状況下で、そして非常に緊急な状況の中で共通の認識をもち、行動するのはとても大変なことです。

最初はルールを言葉や実践で伝えることが主になっていましたが、忙しい勤務の中ではそれだけで周知徹底は難しい状況でした。
他のジャパンハートスタッフにもアドバイスをもらい文字だけの情報だけでなく、視覚的・物理的にも工夫してスタッフのみなさんが感染対策を行えるよう、物品や掲示物の整備、ルールの周知を進めていきました。


1つ1つ見直しをしていく中で、自分の今までのコミュニケーションや伝え方について、振り返る場面が多々あり、スタッフの方々の反応や施設のその時々の状況に合わせて工夫を重ねていくことが重要だと感じました。

1か月弱ほど経過し、感染者や施設内陽性者も0人となり、支援も撤収を迎えましたが、自分の中ではもううまくできる少しできることがあったのでは…という気持ちを最後のほうまで抱いていました。

そんな気持ちを抱きながら迎えた、最終勤務の日、とあるスタッフの方に挨拶をしたとき、「今まではとても陽性の利用者さんと関わるのが怖かったけれど、あなたが堂々と陽性の利用者の部屋に入って利用者さんと関わっている姿を見て、すごく勇気をもらったよ、ありがとう」という言葉をいただきました。

自分がそんな風にみられていたとは全く想像もしておらず、非常に驚きましたが、些細なことがスタッフの方の不安な気持ちの軽減に繋がっていたと知り、うれしくなりました。

今日、インターネットでもテレビでも様々な情報が流れています。
そんなたくさんの情報の中で、慣れない防護具を着て、日々陽性者の対応をされているスタッフの方々は、たくさんの不安や恐怖を抱えていらっしゃることが少なくありません。
現場でスタッフの方と一緒に働き、感染対策を同じ目線で伝えることで「こうやってコロナに戦っていけばいいんだ」という自信や希望に少しでもつながるような支援を目指していきたいと思いました。

また、今回の活動を通して感じたコミュニケーションや発信力の課題は、クラスター支援だけでなく、今後も様々な場面で求められる力だと感じています。他の活動でも、今回学んだことを活かしながら、また支援に携わることができたらと思っています。

気温も暑く、また大変な状況の中でもいつも暖かく、たくさんのお願いにも笑顔で対応してくださったみなさまに感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

ジャパンハート看護師 髙田奈緒

▼プロジェクトの詳細はこちらから
国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ

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