活動レポート

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【災害支援・対策(iER)】南海トラフ地震を想定した高知県の震災対策訓練に参加しました

up 2025.12.09

令和7年11月8日から9日にかけて、高知県において南海トラフ地震の発生を想定した「保健医療福祉調整本部 震災対策訓練」が実施されました。
本訓練は高知県災害時医療救護計画に基づき、発災直後から急性期までの医療・保健・福祉の各領域における調整機能の実効性を検証することを目的としています。
県保健医療福祉調整本部を中心に、日本赤十字社や各協定団体など多機関が参加し、被害情報の収集・伝達、各種支援の調整、支援チームの受入れなど、多岐にわたる場面で連携体制の確認が行われました。

本部運営訓練

想定された地震は建物倒壊や道路寸断、通信障害、断水・停電など広範なインフラ被害を伴う地震であり、多数の負傷者発生や医療機関の機能停止が発生する状況となっていました。
ジャパンハートはこの訓練の中で保健医療福祉調整本部での実践訓練と、日本赤十字との合同実動訓練に参加しました。

【災害支援・対策(iER)】南海トラフ地震を想定した高知県震災対策訓練に参加しました

本部運営の訓練では要請が出るまでの間に支援チームの調整を行う派遣調整グループの一員として本部運営に携わらせていただきました。
本部運営の訓練は今回が初めてであったため、次々と押し寄せる膨大な情報を整理し、そこから適切な支援判断へとつなげていく一連の流れには非常に苦慮した部分も多くありました。

【災害支援・対策(iER)】南海トラフ地震を想定した高知県震災対策訓練に参加しました

ジャパンハートは医療支援チームとして、主に避難所等における救護活動を行いますが、場合によっては医療支援の最適化を行う自治体の本部運営をサポートすることも十分に考えられます。
そのため、今後も同様の訓練機会があれば積極的に参加し、経験を重ねることで判断力や対応力をさらに高めていきたいと感じています。

訓練を通じて得た学び

日赤との避難所運営支援や救護所の設置など、災害現場での実務に即した訓練では、他団体との連携が欠かせない要素であることを改めて実感しました。
複数の支援団体とともに実践的な訓練を行う中で、同じ医療支援を担う団体であっても、保有する資機材や得意とする支援領域、現場で支援を開始するまでの意思決定プロセスの要する時間に、想像以上の違いがあることを肌で感じました。

これらの差異は単なる組織の特徴にとどまらず、災害急性期に必要な支援が届くスピードや内容に大きく影響する重要な要素だと感じました。
同じ分野で活動する団体同士だからこそ、互いの違いを理解し、自団体の強みと弱みを客観的に把握することが不可欠であると強く感じました。

【災害支援・対策(iER)】南海トラフ地震を想定した高知県震災対策訓練に参加しました

また、こうした相互理解を深めることで、より効果的な役割分担が可能となり、多くの被災者に対して適切かつ最大限の支援を届けられる体制の構築につながると思いました。

6月に参加した高知県総合防災訓練では、災害発生時に必要となる対応や連携の方法を実際に体を動かしながら学ぶことができましたが、今回の訓練では、さらに本部運営や他団体とのより密接な連携を実践する機会が加わり、膨大な情報の整理や自分の所属団体を客観的な視点で捉えることなど、新たな気づきを得ることができました。

こうした継続的な訓練を通じて、災害支援への理解は確実に深まっており、今後も積極的に参加し、その学びを実際の現場での的確な支援につなげていきたいと感じています。

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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)

ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援

今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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