活動レポート

← 活動レポート:トップへもどる

「病気になったら病院に行く、たったそれだけのことを私たちは当たり前にしたい。」COVID-19クラスター支援 1年間の活動を振り返る

up 2021.05.25

「病気になったら病院に行く、たったそれだけのことを私たちは当たり前にしたい。」

これは現在TVコマーシャルや駅構内ポスターなどで使用されているACジャパン広告で使われている文言の一部です。

この広告は2020年6月から放送開始となりました。ジャパンハートは東南アジアの途上国に医療を届けている団体ですので、使用している映像や写真もアジアの子ども達が中心です。
あれから約1年、この言葉が、日本国内でこれほどまでに現実味を帯びてくるとは想像もしていませんでした。

第3波までの活動

現在もジャパンハートのクラスター対策支援チームは北は北海道から南は沖縄まで支援を継続しております。
精神科病院、障がい者施設、高齢者施設など、患者さんや入所者さんの疾患の特徴など、ゾーニングや基本的な感染予防などが難しい場所からの要請が多いのが特徴です。
その特徴から一度クラスターが発生すると大規模になり、収束に時間がかかります。

また、環境の変化に適応できない、一般病院での受け入れができないなどの理由から、入院適応の病態になっても転院せず、そのままクラスターが発生した病院施設で治療や看取りまで行わなくてはいけないところがいくつかありました。

上記のような病院・施設には、医療器材・薬剤・酸素などほとんどありませんので、その手配から始めたり、普段感染症患者や急性期対応に慣れていないスタッフの方々への感染指導、自治体とのやり取りなど、単なる看護師としての活動ではなく、包括的な活動が求められました。

つまり、感染症病棟でも急性期病院でもない「生活の場」となっている場所で急性期の治療ができるようにハード面・ソフト面双方を整え一刻も早くクラスターが収束するような働きかけが求められました。

しかしこれはあくまで第3波の特徴です。

第4波の状況

現在「第4波」といわれ、医療崩壊、病床ひっ迫などが日々報道されていますが、
それに伴いジャパンハートへのSOSを求める声が増えております。
今までは、1か所の支援先に常駐できましたが、依頼に対し看護師の数が追い付かず、数か所を掛け持ちするという状況になっています。
そして、今までのような転院搬送できず「その場所」で治療を行うというジャパンハートの行ってきた経験値が活かされる場所が増え続けているというのが現在の状況です。

「病気になったら病院に行く、たったそれだけのことを私たちは当たり前にしたい。」
日本でもそれができない現実があることは、COVID-19クラスター対応を始めてから、痛感していることでしたが、第4波が落ち着かない今、1年前より明らかに重くこの言葉がのしかかり私たちの活動の意味が問われているなと感じるのです。

まだまだ全国的に収束の目途は立ちませんが、どんな状況であっても、私たちジャパンハート看護師たちは、医療の届かないところに医療を届けるための活動を続けていきます。

ジャパンハート看護師 宮田

▼プロジェクトの詳細はこちらから
国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ

Share /
PAGE TOP