2025年7月16日、17日輪島市門前町で訪問リハビリテーション、続いて7月17日~20日にかけて石川県能登町、輪島市門前町でサロン活動を行いました。
今回の活動では訪問リハビリテーションで12名、カフェ会場への来場54名、ご自宅への訪問39名、合わせて105名の住民の方々とお会いし、医師・看護師による健康相談や啓発活動、作業療法士による生活のアドバイスや自主練習指導を中心に行いました。
晴天が続き昼間の気温は35℃にもなる中、先月と比べて外を出歩いている人も少なくなった印象の能登、地震の前まで住んでいたご自宅は周りを緑に囲まれた風通しの良い日本家屋という方も多くいらっしゃいます。周囲の環境や住宅の材料・造りも異なる仮設住宅との違いも話題となっていました。
仮設住宅居住2年目の夏となり夜間もエアコンを使用されるなど室内での過ごし方に慣れて来ている方がいらっしゃる一方で、「エアコンは苦手だから使っていない」「扇風機で大丈夫」など汗をかきながら話される方もちらほら、ジャパンハートでは啓発活動の一環として、先月に引き続き適切なエアコンの使い方、水分摂取など熱中症予防の指導を行いました。
加えて暑さに伴い問題となるのが活動量の低下、活動範囲の狭小化です。今回訪問した住民の方々からも「最近は朝も夜も暑くて散歩できない」「家の中でもじっとしとる」といった声が聞かれました。
訪問リハビリテーションではご自宅の環境調整、自主練習の指導など行っています。季節や心身の状態が変化する中で、その時のその方にあった個別のメニューをお渡しできるよう、今回は車載した蓄電池を用いて屋外でプリンターを試用しました。その場で撮った写真に方法やアドバイスを書き、一緒に確認しながら行うと「やってみます」と前向きな言葉が聞かれました。
能登の方々、高齢者に限らず、自主練習や継続した運動は定着が難しいのが現状です。そのうえジャパンハートも1~2ヶ月に一回の訪問となるためフォローが十分ではありません。
そんな中でも前回訪問した際にお渡ししたカレンダーを枕の下から取り出し“外を散歩した日に○をつける”といった約束を憶えて使ってくれている方がいらっしゃいました。
照れくさそうにしながらも満面の笑みで「いつ来るかと思っていた」と見せてくださり、自分一人では続かないことも“誰かに見てもらう”“誰かと一緒にする”ということがモチベーションとなり行動に結びつくのだと実感しました。
人と関わることの重要性を感じるとともに、この先住民の方が生活していく上で、地域に対してどうつなげていくのがよいのか考えさせられます。
普段は仮設住宅を中心に行っている訪問リハビリテーションですが、今回は在宅の方(ご自宅に住んでいる方)を訪問する機会がありました。
仮設住宅の住民の方と比べると、サロン活動やボランティア団体の訪問が少なく第三者の目が入りづらいという点はあるものの、隣近所の付き合いは続いており生活スタイルも地震の前とあまり変化がないという点もあります。
仮設住宅の方、在宅の方、生活スタイルや生活再建の度合いもひとりひとりによって異なる中、住民の方それぞれに合った個別性のある支援を継続、地域へつないでいきたいと考えております。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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