活動レポート

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活動を終えて(カンボジア栄養管理部・川合)
up 2021.06.10

こんにちは!2020年3月より栄養管理部で活動を続けてきました、川合です。
先日、約1年3カ月の活動を終えて病院を離れました。
今回は、活動の振り返りも含めてご報告させていただければと思います。

ジャパンハートカンボジアには様々な部署があり、それぞれの部門に日本人スタッフ、日本人ボランティアや研修生が入り、英語を話すカンボジア人医療者と共に活動しています。

ただ、栄養管理部には日本人がおらず、英語が通じるスタッフは一名、残りは全員クメール語。栄養士も存在せず、栄養という単語さえ一般的でない、、という非常にチャレンジングな環境に、大学院卒業後の私は新卒で着任させていただくことになりました。

1年前、「カンボジアの子どもたちの役に立ちたい」と思って来たのにも関わらず、振り返ってみると9割以上のことは現地の人たちから教わっていました。何もこの国を知らないのに、貧しいからかわいそうだ、助けなきゃと決めつけて来た私は何て無知で浅はかだったんだろうと何度も感じました。それほど、素晴らしい学びと経験に溢れた日々でした。

活動を終えて(カンボジア栄養管理部・川合) ジャパンハート

最初は本当に0からのスタートで、活動レポートでお伝えする内容に至るまで数え切れないほど失敗し、あまりにもうまくいかずに仕事中トイレに駆け込んで泣いていたことも何度もありました。ただ結果的に、うまくいったことよりも失敗したことから学んだことの方が多かったと感じます。

例えば、献立の仕組みを作る時。私が1カ月かけてカンボジア料理を全て分析し完成させた、栄養バランスが完璧な献立を、「君はカンボジア料理のことを何もわかっていない」と一喝されてボツになったことがありました。”カンボジア料理はあまり特徴がなく…”なんてネットに書かれていたりしますが、全然そんなことはなく、とても奥深いです。食文化に外国人が介入する難しさと面白さを感じました。

詳細 カンボジアの食材で、栄養たっぷりの給食提供を

また、栄養を優先したい、という私の思いと、おいしい料理を出すことを優先したい、という調理スタッフの思いがぶつかり、大切なスタッフを悩ませてしまったこともありました。「病院だから栄養が大切だよね」という認識は、栄養の概念が既にある国でのこと。ここでは、栄養士と調理師って何が違うの?という説明から始めました。

詳細 栄養士って何?栄養管理部スタッフに説明会を行いました。

統括するスタッフの平均年齢よりも断然若く、経験も皆無だった私についてきてもらうことが申し訳ないと感じる日々も多くありました。喫食率測定、身体測定、ミールラウンド、休日の集中清掃などは、今では当たり前にやってくれていますが、最初は「なんでそれが必要なの?」となかなか理解してもらえず。カンボジア料理も作れない、言語も話せない私がリーダーとなり、栄養の概念がない国で「これやってよ!」なんて、そりゃ素直に付いて来てくれる方が難しいですよね。

詳細 異文化の中で、栄養士として働くこと

それでも、少しずつ言語を習得し、一緒に過ごす時間を増やし、だんだんと視点や価値観を理解できるようになるにつれて、お互い向き合っていた関係性が、同じ方向を向いていく関係性に変わるようになりました。それは、調理スタッフだけではなく、食事を提供する子どもやお母さんたちも同じでした。
外国人や医療者という垣根を越えて、スタッフや子どもたち、お母さんと笑い合って過ごせた時間がこの仕事をしていて一番幸せでした。

活動を終えて(カンボジア栄養管理部・川合) ジャパンハート

活動を終えて(カンボジア栄養管理部・川合) ジャパンハート

初めての社会人ということで、働く中で大変なこともありましたが、楽しかった幸せな思い出がカンボジアの日々のほとんどを占めています。毎日の時間の120%を、ずっとやってきたかった活動に使い、自分の成長にも繋げることができ、本当に夢のような環境でした。

栄養管理部の事業を作る中でずっと大切にしてきたのは、カンボジアらしさを崩さないことと、現地のスタッフが続けていける、続けていきたいと思ってもらえる事業にすることです。それは、持続可能な仕組みを作るために最優先すべきことだと考えていますし、そのためには、ただ「日本ではこうやってるから真似してね」ではなく、相手の文化や価値観を理解し、信頼関係を築くことが何よりも大切だと考えています。

また、カンボジアの栄養事業は、これから病院栄養の仕組みを広げて行ったり、栄養士育成の土台を作ったりと本当に可能性ばかりが溢れているとこの1年間関わって感じました。

これから一旦は現場を離れますが、患者さんやその家族、そして活動を支えてくれたスタッフたちと毎日過ごし、話し合い、価値観を共有してきた経験を元に、目の前の人だけでなく、もっと多くの人たちが栄養を通じて笑顔になれる仕組みを整えられるよう次の場所で修行をしていきたいと思っています。

この選択が、目の前の子どもたちからただ離れるものではなく、いつかもっと大きなものとなって子どもたちの元に戻ってくるものになるように、歩んでいきたいです。

活動を終えて(カンボジア栄養管理部・川合) ジャパンハート

これからもずっと、生涯をかけて途上国の子どもたちの栄養に関わっていくことは変えられないと、新卒早々ながらジャパンハートでの経験を通じて改めて胸に刻むことになりました。

素敵な経験をありがとうございました❤️これからも、カンボジア栄養管理部の応援をよろしくお願いいたします…!

管理栄養部 川合

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部

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