活動レポート

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ラオス北部ウドムサイ県の豪雨災害に対する支援

up 2022.09.29

8月26日ラオスウドムサイ県にて県都を含む北部で豪雨による洪水と土砂崩れによる甚大な被害が発生しました。
これは8月24日ベトナム北部で発生した熱帯暴風雨Ma-on(マーオン)がラオス北部を横断し広範囲に及ぶ被害を引き起こしたためです。
特にウドムサイ県では被害が大きく、37年ぶりの大洪水が発生し広範囲に大きな被害が生じていると発表を受けまして、ジャパンハートは物資支援を行いました。

被害状況(9月1日ウドムサイ保健局より)

ウドムサイ北部にある県都Xay(サイ)を含めた4地域41村の住居1,036棟に被害が生じ、死亡者2名、重症負傷者3名に加え3,152名の住民に影響が生じました。
ウドムサイから隣県へ通じる2つの主要道路は30ヶ所以上で土砂崩れや川の増水による崩壊などが発生しました。電柱や上下水道も壊れ生活への影響が生じています。

私たちが日頃活動をしているウドムサイ県病院は被害がなくスタッフの無事も確認されましたが、地方の診療所や保健センターの被害は大きく、医療機器や物資が全て流されたり、水没してしまったりして使用できなくなってしまいました。

またこの地域の人たちはほとんどが農家です。居住区域だけでなく田畑も深刻な被害が生じ、今後も継続的な生活や収入への影響が懸念されています。
洪水発生から1週間後の9月3日ウドムサイへ訪問し、ウドムサイ県ラー郡の特に被害が大きかった2つ村に米や水、缶詰、タオルなどの生活物資を届けました。

もち米400Kgしっかり積み込みました。ラオスの主食はもち米です。

Huay Lar村の様子

人口370人の小さな村です。重傷者が1名出ており、77棟全ての家が被害を受けました。6棟は流され5棟は全潰してしまったそうです。
被害が大きい村の中でサイ市から最も遠いためか支援が届くのが遅れ、手をつけられずにいたその村の姿から被害の大きさが伝わってきました。私たちが訪問した時には軍が瓦礫の撤去や家の修繕を始めたところでした。

本来ならばそこにいるのであろう家畜は一頭もおらず、一面茶色いその風景、ここに家があったと説明されたところには流されてきた瓦礫や大木と石しか見ることができませんでした。豊かな自然の中に村があり普段は自然と共存した長閑な生活をしていたのだと思います。

道沿いの山のなだらかな斜面に家を建て、道と並行して小川が流れておりその川沿いにも家があります。しかし豪雨により大規模な土砂崩れが発生し家は推し潰され、川は増水し家を飲み込んだそうです。小さな村でみんなが家族同然の暮らしをしていたからでしょうか。こんなにも甚大な被害が出たにもかかわらず死亡者が一人も出ていません。

あの日も留守番をしていた子どもやご高齢の方と村に残っている人が、川の異様な増水に危険を感じ協力して安全と判断した山へ登り難を逃れたそうです。自宅が流された人たちへ協力をし合い一緒に生活をしているそうです。
この地域を回って気がついたのですが避難所がありませんでした。村の中で協力し合える結びつきが強いからだと感じました。

Samuk khi xay村の様子

人口609人、この地域で最も大きな村で、サイ市街地から車で30分ほどの距離にあります。保健センターもあり県保健局のスタッフが常駐し支援活動の指揮を担う村でした。
村の中心に川が流れており、流された家も12棟あったそうですが、着々と機能が改善していました。瓦礫の撤去は大方済んでおり電気修復がもうすぐ整う状況でした。
統制が取れており支援がスムーズに行われていることを訪問した時に感じました。ラオスの洪水被害は雨季であるこの時期頻繁に発生します。

日本の台風被害のように特別珍しいことではありません。そのため救援活動や瓦礫などの撤去作業も迅速に対応できるのではないかと感じました。
また氾濫した川で洗濯をしている人たちの姿を見て、自然とともに生きることへの覚悟や力強さの一場面を目の当たりにしたように感じました。

最後に

今回、物資支援にあたりましてさまざまな方からのご協力をいただきました。
日本からご寄付いただいております生活物資はじめ、現地でもお米をはじめとした多くの食料品を買い物させていただきました。お店の人やトゥクトゥクの運転手さんも荷物を運ぶことにたくさん協力してくれました。もちろんこれらは皆さまからのご寄付で購入させていただきました。
そして多くの支援物資を被災された方々へ直接お届けすることができました。誠にありがとうございました。

ラオス事業部現地スタッフも「ウドムサイのために」と、情報が整っていないなかでも必死に調べ取り組んでくれました。
災害支援について学んだことがない彼らでしたが、できることをしようという姿勢に感謝とともに頼もしさを感じました。
被災者の方々に少しでも早く笑顔が溢れる通常の生活が戻ってくることを、ラオス事業部スタッフ一同、心から祈っております。
ラオス北部ウドムサイ県の豪雨災害に対する支援

ラオス事業部
看護師 吉田真弓

▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動

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