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【ミャンマー】医療職の少ないミャンマーで「オールラウンダー」として活躍

up 2025.08.07

ジャパンハート ミャンマー 看護師

ミャンマーでは、依然、厳しい情勢が続いていますが、
過去にミャンマーで活動していた看護師の記事が日経メディカルAナーシングに掲載されました。

ジャパンハートの原点であるミャンマーで、オールラウンダーで活躍する看護師の活躍について、一部ご紹介いたします。

 

できるだけ費用を抑えられるよう工夫を凝らす

日本で看護師として働いてきた経験が生かせる場面もありますが、違うところを中心に紹介します。

まず、限られた医療者でミャンマー全土から訪れる患者を一人でも多く受け入れるため、専門分野にかかわらず、横断的にかかわっていきます。ジャパンハートの活動資金はほとんどが寄付であり、そこから医療機器や資材などを購入しているため、できるだけ費用を抑えられるように工夫し、一つひとつを大切に使いながら、自分たちでできることは何でもやる、というのが基本です。

例えば、手術前の準備です。

手術中に使用する滅菌の布(以下、覆布)は日本ではディスポーザブルが一般的ですが、こちらではまず大きな布を市場で買ってきて、スタッフの家族がミシンで覆布を手作りします。手術ガウンも布製で、覆布や手術ガウンは手術で使用するたびに自分たちで洗濯し、オートクレーブ(滅菌器)にかけます。手術で使う器械も使用後は洗浄し、滅菌します。現地では器械の数も限られているので、手術進行に影響が出ないよう、手術が終わると、速やかに器械を洗浄し、滅菌するのも重要な仕事です。

手術や処置時に使うガーゼは、ミャンマー国内で手に入るものを使っていますが、ほつれやすく裁断した部分から糸くずが出てきてしまうため、ほつれた部分を折り込むようにガーゼを畳んで処置用に準備したり、一つひとつ手縫いして、手術時も使えるようなガーゼを作ったりします。これらも自分たちで準備します。

ジャパンハート ミャンマー 看護師

次に、手術中の対応です。

こちらでは電気の供給が不安定で、停電することもしばしばあります。手術中に停電すると、看護師は患者さんの全身状態の観察に加え、速やかに懐中電灯で術野を照らしたり、ジェネレーターの手配をしたり、手術が進行できるようにチームで対応します。手術室は1つしかないため、1件でも多く手術できるよう、次の患者さんの準備をして、入れ替えが1分1秒でも早く行えるよう工夫します。

ジャパンハート ミャンマー 看護師

傷の処置は家族で?絆の強さと助け合いの文化

病棟での仕事にも違いがあります。

術前患者の準備、術後患者の受け入れや処置、翌日の入院受け入れ、入院中の患者の処置など、日本と重なる内容も多いですが、看護師の人数が限られている中で、手術室・病棟・外来の全体を見ながらベッドコントロールなどを行うのは、高いマネジメント能力と優先度の判断が必要です。また、日本では医師が行うような創部の処置をはじめ、抜糸、輸液量の調整、投薬なども看護師が積極的に行います。

ジャパンハート ミャンマー 看護師

また、患者さんの傷の処置を家族が行うことも、日本と大きく異なるところでしょう。手術の傷が大きく、入院期間が長期になるケースは少なくないですが、入院が長期になると当然費用が多くかかります。さらに、入院中の患者さんはもちろん、付き添いの家族も仕事ができない状態では収入がなくなってしまいます。そのため、できるだけ早く自宅に帰りたいと希望する患者さんも多いのです。傷の状態を見て、家族でも処置できるか、家族はどこまで処置を実施できるかを見極め、一緒に処置の練習をする期間を設けて家族に傷の処置の指導をしていきます。

ジャパンハート ミャンマー 看護師

ミャンマーは村社会で家族同士、近所同士のつながりがとても強いです。
不便な生活ゆえに互いに助け合う、補い合う文化が根付いています。
家族が傷の処置に一生懸命取り組む姿を見ていると、家族との絆の強さや愛情の深さが垣間見えて、こちらも温かい気持ちになります。
そんな姿を見ていると、私たちも患者さんや家族をできるかぎりサポートしたいと感じます。

▼ 記事全文はぜひこちらからご覧ください。  
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/japanheart/202505/588359.html

 

メディカルHR 武内

 

▼ ミャンマープロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/myanmar/

▼ 医療従事者向けサイトはこちらから
https://japanvolunteer.org//

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