活動レポート

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日本の大学生との交流を通じて

up 2023.05.01

3月末、学生団体S.A.Lのメンバー6名がラオス事業部にご来訪されました。
「カンボジアとラオスにおける子どもと貧困」を今回のテーマに掲げ、日程、訪問する施設や団体を決め自ら交渉をされながらスタディツアーを行われています。

実は、初めにテーマを伺った時は、期待に添えることができないのではないかと考えていました。私たちは、子どもの領域における活動はしていますが、貧困に関しては直接的な活動を行っていないからです。
ただ、現地で働くスタッフのことを考えた時に、別の思いが生まれました。

ラオスには50の民族が生活しており、私たちの事務所にも少数民族のスタッフがおります。そういったスタッフたちの背景を含めた話をS.A.Lの皆さんとディスカッションすることができれば、新たな気持ちや発見をお互いにすることができるのではないかと考え、スーさんとラーさんという2人のスタッフに「日本の大学生に自分のことを話してほしい」とお願いをした上で、訪問をお受けすることにいたしました。

「自分たちが教えられることなんて…」と不安に思いながら臨んだ彼らですが、当日は予定していた時間を超え、まだまだ話したいと名残惜しみながら終了の時間を迎えるほどでした。

スーさんは、子どものころに、学校の先生になることを夢見ていました。それもあってか、学生に話をしている姿はまるで先生のようでした。「日本の子どもたちはどうですか」と質問もしていて、学ぶことが好きな彼らしい、素敵な一面も見えました。

ラーさんは日頃、「自分は地方出身者だし…」と遠慮することもあるのですが、この日は用意した資料を元に、自分の思いや家族について丁寧に自信をもって説明をしていました。

彼らの誇らしげな様子や教え合うことへの喜びを感じている姿を見られたことがとても嬉しかったですし、もっと彼らの思いやまだまだある可能性を引き出していくことが、私たちの活動はもちろんのこと、ラオスにとっても大きな未来につながるのではないかと感じるひと時でした。

「彼らがこの国におけるヒーローになってほしい」
そんな思いでこれからも彼らとともに学びを深めていきたいと改めて感じる時間を、S.A.Lのみなさまのご訪問を通して過ごすことができました。
さて、ここからは、スーさんとラーさんがそれぞれ書いてくれたレポートをお読みいただければと思います。

日本の大学生との交流を通じて ラオス 海外で働く

モン族の代表として

3月の始め頃に上司から、日本の大学生がラオスに来ることと、モン族(スーさんの出身部族名)について知りたがっているということを聞きました。最初は、どんなポイントが知りたいのかのイメージできなくて少し緊張しましたが、何度も考えた結果、「モン族、ラオ族、宗教、祭り、楽器、結婚、教育、医療についての簡単な情報」という内容の発表スライドを用意しました。

そうして迎えた3月20日、6人の大学生がオフィスを訪れてくれました。やはり少し緊張しましたが、学生さんたちも和やかにご挨拶してくれて、こちらの緊張も和らぎました。それから、まずはこちらの発表をし、その後は自宅での自然分娩についてや、小学校で教えられている科目、子どもの頃の生活など、さまざまな点についての質問を受けました。私が知っていることのすべてを、経験に基づいて彼らに説明しました。

モン族の代表として彼らにモン族の文化を照会できて、とても嬉しかったです。

日本の大学生との交流を通じて ラオス 海外で働く

言語を超えたコミュニケーション

私は今回、カム族(ラーさんの出身部族)のことについて学生さんたちに紹介しました。カム族の代表としてカム族の生活や伝統的な文化を照会できて、とても嬉しかったです。

カム族の生活様式は、ラオスの多数派民族であるラオ族の人たちとは少し違っています。特に宗教、制服、保険管理、お祭り、家族構成、自宅分娩の困難さや、教育アクセスの問題などの違いについて話しました。また、カム族の子どもたちがどんな夢を持っているのかということについても話をし、その後にはさまざまな興味深い質問をされ、私も真摯に回答させてもらいました。

私は英語が得意ではないので、理解し辛い部分もあったかもしれませんが、学生たちも頑張って聞いてくれていて、カム族について深く理解できたとも言ってくれ、非常に嬉しかったです。

ラオスの人々やのカム族についてのことを知っていただくことが、子どもたちの未来を守ることにつながるのであれば、私は今後も喜んで話をしたいと思いますので、ぜひ皆さんもラオスにお越しください!

日本の大学生との交流を通じて ラオス 海外で働く

現地の人の生の声を聞くことも、立派な国際協力の1つだと思います。今回訪問してくださった6名の学生さんが今後、国際的に活躍される人材になられることを願っております。
学生団体S.A.Lの皆さん、この度はどうもありがとうございました!

ラオス事業部 看護師 吉田

▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動

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