活動レポート

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2カ月ぶりの甲状腺疾患内科診療活動

up 2022.02.09

ジャパンハートはラオス北部のウドムサイ県にあるウドムサイ県病院にて、甲状腺疾患治療事業ならびに技術移転活動を行っています。

しかしながら昨年10月頃より、ウドムサイ県でも1日当たりのコロナの感染者数が増加傾向となってしまい、11月に入ってから病院の判断で外来診療が一切停止になったことで、同時にジャパンハートの支援する内科診療も実施できなくなってしまいました。
病院では、医師や看護師らもチームに分かれ、いずれかのチームで関係者がコロナに感染しクラスターが発生した場合にも、その他のチームがフォローできるよう分散出勤を実施。
また、ウドムサイ県病院も県内のコロナ感染者を受け入れる必要があり、そうした対応のため病院全体として人手不足の状態となってしまいました。

患者様に様々な地域から病院に来てもらうこと、複数名の方が一カ所に集まること、残念ながらコロナ感染のリスクがあることは否定できません。このような状況下では、内科診療の継続が難しいことは明らかです。

一方で内科診療活動が停止してしまうと、ジャパンハートはお薬を患者様に届けることができません。
停止期間が想定よりも長引いた場合には、お薬が切れてしまう患者様もいらっしゃいます。
実際にそうしたことを心配し、こちらがご連絡をする前に「薬がなくなってしまうがどうしたらいいか」とお電話をくれた患者様もいらっしゃいます。

しかしながら担当医師も大変忙しく、病院内での議論も進まないことから、私たちジャパンハートのスタッフも病院の医師等もお互いにどうにかしなければならないことはわかっているけども、状況を見ることしかできません。

でも、何かできることはないか。
「患者さんを病院内の空間に集めることが出来ないのであれば、外で診療活動ができないのか。」「内科診療にあてる人手が足りないのであれば、私たちJHのスタッフが現地病院に行き、何かできることがないのか。」等々、ウドムサイ県のコロナ感染者数を見ながら、活動再開に向け病院に提案できるような解決策がないか、私たちもその方法を考えました。

いよいよ来週にも私たちの提案をまとめて病院に打診しようと決めた、その翌週。
病院の医師から外来の再開が決まったこと、そしてそれに合わせて甲状腺疾患の内科診療も再開することを決めた、との連絡をいただきました。
病院の医師たちが患者様の診療に責任をもち、こうした中でも再開の決断してくださったことが非常に嬉しく、またそのような方々と協力できることは私たちにとってとても心強いことだと感じました。

診療が決まってからは、ジャパンハートの日本人看護師が患者様のお薬の残数や症状の状態から早めの診察とお薬のお渡しが必要な方を優先して候補にあげ、現地スタッフがそれらの情報をもとに内科診療にお越しいただくよう、患者様に直接お電話をします。

そうして、1月の下旬にようやく待ちに待った内科診療を再開。20日の再開初日には23名、そして27日には32名の患者様にお越しいただき、検査とお薬のお渡しをすることができました。内科診療に来られた1日あたりの患者数は診療を停止する前と同等です。

このような状況ではありますが、対応をしてくださった医師、看護師ほか病院のスタッフには感謝しかありません。
尚、Covid-19の蔓延に対する予防措置として、病院に来られたすべての患者様にはcovidテスト(ATK)を受けていただいております。

診療活動は、病院側のご協力のもと今後も週1回のペースで継続実施ができる
よう調整してまいります。引続きコロナ感染等に留意しながら、皆で協力しあってこの時を乗り越えていきたいと思います。

本プロジェクトの中心者としてご協力いただいているウドムサイ病院の医師Daochan先生

ラオス事業部 部長 五十嵐まなみ

▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動

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