活動レポート

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札幌田中病院クラスター支援 橋本看護師からのレポート

up 2021.02.02

私は11月30日から約1月間、北海道札幌市内の療養型病院のクラスター支援に入りました。
この病院では11月中旬に職員と患者の新型コロナウイルス陽性が確認され、感染者が職員と患者を合わせて200人を超える札幌市内で最大規模のクラスターとなりました。

大規模クラスターの現場に行くということは緊張感がありましたが、現地対策本部が設置され保健所やDMAT、感染管理専門看護師の指導の元、感染対策が徹底されていました。また関連施設や全国知事会などからも多くのスタッフが応援に来ており、働きやすいように準備され安心して支援に入ることができました。

病院内は全ての病棟に陽性患者がおり、各病棟内ナースステーション以外は全てレッドゾーン(陽性者がいるエリア)でした。レッドゾーンでは個人防護具を着用して、自分が感染しないように、また患者に感染を拡げないように最大限の感染対策をして看護を行います。

この病院は高齢者が多い療養型病院であることから重症者でも家族から搬送の希望は無く、全ての陽性者をみていました。そのため病状によって点滴や酸素投与、吸引などの処置が増えた患者が多くおり、私が支援に入ったばかりの頃はひと息つく間もないくらい忙しい毎日でした。
しかし大変な状況の中でも、スタッフの士気は高く病院全体でこの状況を乗り越えようと一致団結しているのが分かりました。人員として支援に入りながらスタッフのメンタルケアもできたら、と思っていましたがスタッフの強さや優しさに私の方が逆に励まされていました。

そして私が支援を終える頃には、陽性者数も減り忙しかった日々も落ちつきつつあり、収束に向かっているのが分かりました。収束の過程には陽性者が回復したということだけでなく、陽性者が亡くなるという背景もあります。最大限の感染対策を講じても感染が拡がり、できる限りの治療を行なっても陽性者が亡くなっていく状況。

私はクラスター支援に参加してから初めて陽性者の死を経験し、複雑な思いでいっぱいになりました。陽性者が亡くなると感染対策のためご遺体は納体袋に入ります。初めてその状況を目の当たりにしたときは言葉になりませんでした。
感染対策とはいえご遺体を納体袋に収容するという行為は違和感しかありません。納体袋に収容することだけでなく、その前後の流れも感染対策のためこれまで経験してきたお看取りとは違う状況です。

コロナ禍では今まで大事にしてきた看護が通用しない‥何とも言えない悲しい気持ちになりました。新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方は厚労省のガイドラインに沿って、又は保健所の指示により対応しているので多くの医療機関が同じような対応をしていると考えられます。家族はもちろんですが、医療従事者も葛藤しながら対応している新型コロナウイルス陽性者の死。

さまざまな思いが込み上げてくる中、コロナ禍で心を救う医療とは、私達に何ができるのか考えさせられる機会となりました。これからも悩み、立ち止まることもありますが今私達ができることを考え続けながら活動していきます。

国際看護師研修56期 橋本

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