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仲本りさ 看護師レポート/令和2年7月豪雨 緊急救援

up 2020.09.07

短期ボランティアや、イベントなど多方面で応援して下さっている、看護師でイラストレーターの仲本りささんが今回、熊本豪雨の災害支援に参加して下さいました。仲本さんより届きましたレポートをご紹介させていただきます。
仲本りさ さん Instagramはこちら

こんにちは。
九州熊本豪雨発生からもう約2カ月ほど経ちましたね…

今回は7月末に3日間短期で災害支援に行ってきた仲本りさからレポートさせてもらいます。
今回の災害支援は、わたしの看護師経験の中でもはじめてのことだったので、あくまで一体験談としてお話しさせてもらいます。

ボランティアの心構え

ジャパンハートの事前オリエンテーションの中で強く心に残っているのが「自己完結」と「支援者支援」です。
自己完結はその名の通り迷惑をかけずに行って帰ってくる。ということなのですが、災害地ということもあって、インフラは破綻していないか・食事はどのように調達するか・寝る場所はあるか…など、考えることはたくさんありました。

医療物品の準備も全て自分で持っていったのですが、SPO2モニターや持参用のペンライト・手指衛生剤・フェイスシールドなど新たに準備したものもあり、普段の病院の中での診療業務との違いを感じました。そして心に残っているのが「支援者支援」と言う概念です。

最初のオリエンテーションで「ジャパンハート が目指しているのは支援者支援。災害に遭った現地の人たちにとって、ボランティアで外部から来た人はあくまで「外部から来た人」。これから長い時間をかけて復興して行かなければならないのは自分たちのことだと言う人に対して、私たちがあれやこれやアドバイスしたりして数日で帰っていくと言うのは無責任なことです。この避難所を支援している人たちが疲労困憊で破綻してしまわないようにサポートしていくことを心がけるように。」と言う趣旨の話を伺いました。

全くその通りだと思います。

ボランティアとは、、自分が何か成果を上げたいとか残したいといった自分のためのスタンスでは現地を混乱させるだけだと思います。だからこそ、必要なものを必要なだけ実行できる力が欲しいと、思います。

実際どんなことをしたか。

私が現地に到着したのは豪雨発生からやく3週間たった後の、八代という被災地からは離れている避難所となっている体育館でした。
ここでやく200名の避難者さんが生活されているのを、現地の保健師さんをはじめ市役所の方々が支えていらっしゃいます。そこに私はやく2日間滞在し、体育館の避難者さんの健康管理を行いました。

もちろん病院ではないので、保健師さんがピックアップしたもともと持病のある方中心に健康状態を伺いながら受診が必要かどうかの判断を行ったり、内服薬がなくなってしまわないかどうかの処方の調整をしたりしました。

急性期の段階では健康状態を管理していくこと以前に、避難者さん一人ひとりの名前と区画を把握したり体育館の生活スペースを区切ったり、お風呂の環境と整えたり、支援物品を整理したりと環境と整えることでてんやわんやだったそうですが、私がいくまでにそのような基本的な生活環境は整えられていたため、亜急性期〜慢性期に特徴的な 持病の悪化(脱水や塩分過多な食事で高血圧が上がったり、環境の変化・ストレス状態による精神疾患の悪化などが実際にありました)を未然に防いだり早期発見し、必要であれば受診できるように調整していくことがメインでした。

今回災害支援を通して

自分にとっては初めての災害支援で、生活だけでも大変であろう環境の中迷惑をかけないかどうかとても心配していたのですが、実際に行ってみて「支援者支援」という概念がすごく腑に落ち、私が、3時間駐在できることで現地の保健師さんが例えば1時間休憩時間が増えると言ったことを継続していくことで現地のストレスを少しでも減らすことができるのだろうという気持ちでボランティアに臨むことができました。

実際被災地は猛暑の中、水害に遭った家屋はまだまだ片付かず、いままで通りの生活が戻ってくるのはこれからずっと先のことになるかもしれません。被災で受けた心の傷だって、自分一人が数日支援に行ったところで癒えるものではないでしょう。
ジャパンハートという団体を通して、継続的に現地にマンパワーを送れることは大事なことなんだなと肌で感じることができました。

仲本りさ 看護師レポート/令和2年7月豪雨 緊急救援 ジャパンハート

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