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カンボジア小児がん病棟から-お母さんは大学生【前編】

up 2023.06.22

カンボジア小児がん病棟から-お母さんは大学生

皆さんこんにちは。
カンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」で学生インターンをしている田井です。

私がジャパンハートの病院に来てから、あっという間に2カ月が経ちました。
今回は、私がここで出会ったある親子について、前編と後編の2回に分けてお伝えします。 (カンボジア学生インターン・田井遥香)

はじめまして、アマラ

アマラは「肝芽腫(かんがしゅ)」という肝臓のがんと闘う女の子です。
まだ生後5か月の赤ちゃんで、今年3月、カンボジアにある「ジャパンハートこども医療センター」にやってきました。

私が初めてジャパンハートの病院に来た時、アマラは既に入院していました。
カメラを向けるとクリクリの瞳を輝かせて笑う姿に、私はすぐにメロメロになってしまいました。

もう一つ、私がアマラのことを特に気にかけるようになった理由があります。
それは、お母さんが私と同じ大学3年生だったことです。

カンボジア小児がん病棟から-お母さんは大学生

【私とアマラ親子】

こんなに若くして、小児がんの子どもの母親になるなんて、どんなに不安だろう。

24時間アマラに付き添って病院で過ごすお母さんの様子を見ながら、私はアマラのこともお母さんのことも頭から離れなくなっていました。

生後3か月で「がん」が発覚
お母さんが最初にアマラの異変を感じたのは、生後3か月の頃だったそうです。
お腹にしこりがあることに気づき、 病院に連れて行ったところ、医師から告げられたのは「肝芽腫」という病名。

当時のことをお母さんに聞くと、少し表情が曇りました。
医師から「がん」という単語が出た途端、ひどく動揺したそうです。

それはそうですよね。
20代になったばかり、しかも大学生で、小児がんの子どもの母親になることなんて誰も想像していないと思います。私だったら耐えられないかもしれません。

それでもお母さんは病気ときちんと向き合い、大学を休学する決断をしました。
「ジャパンハートこども医療センター」では、24時間保護者の付き添いが必要なので、休学せざるを得なかったのです。

「今は全然勉強できていない」と笑いながら話すお母さんですが、娘を支えるため、自分のことは二の次にして難しい決断をたくさんしてきたのだろうと思います。

通訳のスタッフを交えたり、スマホの翻訳アプリを使ったりして話を聞きながら、きっと病院に来るまでにも色々な葛藤があったんだろうなと思い、私にできることがあれば何でもしたいと思うようになりました。

カンボジア小児がん病棟から-お母さんは大学生

【アマラは病棟の人気者】

辛い抗がん剤治療

アマラが入院してから約2か月。
抗がん剤治療が始まると、副作用でミルクを戻すことが多くなり、お母さんも日々不安を感じていたと言います。

「私が代わってあげたい。」
辛い治療に耐えるアマラの姿を一番近くで見ているからこそ、何度もそう感じたのだろうと思います。

そんなお母さんの優しさが伝わったのか、わずか生後5か月のアマラは予定していた抗がん剤治療に耐え、腫瘍はだんだんと小さくなっていきました。

そして、腫瘍を摘出するため、アマラは手術を受けることになりました。
日程も決まり、手術の日はだんだんと迫ってきています…

次回は手術の日を迎えたアマラとお母さんの様子をお伝えします。
  
田井遥香 長期学生インターン カンボジア田井遥香 長期学生インターン

2023年4月からカンボジアでインターンをしている田井です。
国境を越えた多くの方々に小児がんやカンボジアの医療現場の現状を届けていくと共に、非医療資格者として子供たちの心や人生を救う活動の一端を担えたらと思っております。


▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部

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