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【カンボジア医療活動】カンボジアでの“偶然の出会い”がつないだ、大きな縁

up 2025.12.10

海外短期プログラム参加:
自治医科大学健診センター講師 / 医師
足利赤十字病院 非常勤医師 島田瑞穂様

【カンボジア医療活動】カンボジアでの“偶然の出会い”がつないだ、大きな縁

2025年3月、ジャパンハートの海外短期プログラムに参加した島田瑞穂医師。
3日間という短い滞在のなかで、医療現場での学びだけでなく、ご家族にとって大きな転機となる“縁”が生まれました。
本レポートでは島田医師がプログラム参加に至った経緯、そして現地での出会いがどのようにお母様の安心につながったのか、そのストーリーを紹介します。

海外医療への思いと、ジャパンハートとの出会い

島田医師はもともと海外での医療活動に関心があり、2003年には国際赤十字の派遣でイランでの活動も経験。
ただ、その後は子育てなどが重なり、しばらく海外医療からは離れていたと言います。

ジャパンハートの活動については以前から知っていたものの、なんとなく「敷居が高い」という印象があり、一歩踏み出せないままだったそうです。
しかし、元同僚の医師がカンボジアで活動していると知り、話を聞いたことをきっかけに参加を決意。
2025年3月、海外短期プログラムへ参加することになりました。

カンボジアでの“出会い”が、お母様の安心につながる

島田医師の短期ボランティア期間は偶然にも帯広厚生病院の元副院長、大野医師と重なりました。
実は島田医師は帯広出身。今もお母様は帯広在住で大動脈瘤を抱えています。

大動脈瘤は心臓から全身に血液を送る大動脈の壁が弱くなり、こぶ状に膨らんだ状態のこと。多くの場合は無症状ですが、破裂すると命に関わる危険な病気です。

島田医師のお母様も島田医師により以前から診断はついていましたが、帯広市内の主治医はおらず、手術目的ではない紹介状を島田医師の勤務先から帯広厚生病院の心臓血管外科宛に書くわけにもいかず「いざという時にどこへつながるのか」という不安を抱えたままでした。

島田医師との会話から状況を知った大野医師は「帯広厚生病院の次期副院長が心臓血管外科医だから、受診につながるよう話しておくよ」と申し出てくださり、帰国後すぐにサポートが実現。

大野医師が島田医師のお母様のもとを訪れ、直接説明をしてくださり、お母様は帯広厚生病院でのフォローにつながることができました。
これは文書だけの関係では決して実現しえない、“顔の見えるつながり”があったからこそ乗り越えられた大きな壁でした。

島田医師は「ジャパンハートがつないでくれた縁に、本当に救われた」と語っています。

【カンボジア医療活動】カンボジアでの“偶然の出会い”がつないだ、大きな縁

写真中央に写るのが島田医師(左)と大野医師(右)

“縁”への感謝として、新病院名誉ファウンダーに

2025年10月にオープンしたジャパンハート アジア小児医療センターは開院にあたって「病院名誉ファウンダー」(以下、ファウンダー)を募集していました。
以前からファウンダー募集のことは知っていたという島田医師とお母様でしたが、今回の“縁”への感謝として、お母様がファウンダーになることを決意。
島田医師はお母様に代わり、新病院の開院式にも参加されました。

【カンボジア医療活動】カンボジアでの“偶然の出会い”がつないだ、大きな縁

現地では政府関係者も多数出席し、「国として祝福する」という雰囲気に驚いたといいます。
「ジャパンハートの病院というより、カンボジアの“自分たちの病院”として歓迎されている空気を感じた」
そんな言葉が印象的でした。
長年の活動が現地に根ざし、仲間として受け入れられていることを実感したそうです。

“人と人がつながる”ことで生まれる支援のかたち

今回の縁はジャパンハートが大切にしてきた“命”を救うだけではなく、“人生”や“心”を救う=「つながりの医療」の象徴でもあります。
現地での短い滞在が島田医師のご家族にとって大きな安心につながり、またジャパンハートの活動を支える一歩ともなりました。

島田医師はこう語ります。

「自分ではどうにもできなかった母の問題がカンボジアでの出会いによってつながり、安心につながった。こんなことがあるんだと驚きました。」

ジャパンハートはこれからも、医療だけでなく“心のつながり”を大切に活動を続けていきます。

▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートアジア小児医療センター

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