こんにちは、栄養管理部の須賀です。
病院で提供される食事は患者さんの治療や回復を支える大切な「医療の一部」です。
食べることが楽しみになることで心が前向きになったり、栄養をしっかり摂ることで体が回復に向かったり——。
私たちはそんな「食の力」を信じて、毎日一食一食を丁寧に作っています。
だからこそ、「安心・安全でおいしい病院食」をお届けするために衛生管理には決して妥協せず、細心の注意を払っています。
厨房は見えない場所ですが、そこでの小さな積み重ねが患者さんの安心や回復に確実につながると考えています。
今回は私たちの衛生管理の取り組みについて、ご紹介します。
毎日の清掃で、清潔な厨房を保つ
調理が終わったあとは使用した調理器具をすみずみまで洗浄し、ガスコンロやオーブンの汚れも丁寧に落とします。床も毎日掃除を行い、清潔な調理環境を保っています。
週に1回、土曜日には排水溝の掃除を実施し、においや菌の繁殖を防いでいます。
さらに月に1回の全員出勤日には冷蔵庫・冷凍庫の内部や普段手の届きにくい調味料棚の掃除も行っています。
こうした取り組みにより、食材を安心して保管・使用できる状態を維持しています。
調理スタッフが排水溝の掃除をする様子
身だしなみも衛生管理の一部
調理スタッフは勤務前に身だしなみをしっかり整えます。髪の毛が入らないよう三角巾を着用し、マスクで飛沫を防ぎます。
ユニフォームやエプロンは毎日清潔なものを使用し、作業内容に応じて使い捨て手袋を使うなど、細かなルールを守って衛生的に調理を行っています。
三角巾、マスク、手袋を着用し作業をする様子
手洗い・手指消毒の徹底
病院給食の現場では「手洗い」は何よりも大切な衛生対策の基本です。
調理を始める前はもちろん、作業の切り替え時(例えば、下処理から加熱調理へ、加熱調理から盛り付け・配膳へ)、トイレの後など、必要なタイミングで必ず手洗いを行っています。
先日、院内の感染対策チーム(ICT)の指導のもと、スタッフの指先の細菌検査を実施しました。
この取り組みを通じて、「アルコールによる手指消毒は15秒以上かけてすり込むことが望ましい」との指導を受け、正しい手指消毒の習慣を身につけられるよう重点的に取り組んでいます。
また、流水と石けんによる手洗い、アルコール手指消毒の両方が行える専用シンクを活用し、衛生的な手洗い・消毒を徹底しています。
手洗いの様子
「安全でおいしい食事」は病院における治療の一環であり、患者さんの回復力を支える大切な存在です。
私たちはただ食事を作るのではなく、「この一食が、明日の元気につながりますように」という想いを込めて、日々の衛生管理や調理に取り組んでいます。
患者さんの体調や食事制限に寄り添いながらも、少しでも「おいしい」と感じていただけるよう見た目や味、温度管理にも工夫を重ねています。
そして、安心して食べていただけるようにするための衛生管理は私たちにとって“あたりまえ”の土台です。
これからも食事を通じて患者さんの力になれるよう衛生意識を高く持ち続け、信頼される給食を提供し続けてまいります。
栄養管理部 須賀 智絵
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医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部