活動レポート

← 活動レポート:トップへもどる

【カンボジア医療活動】信仰の場・古都ウドンでの献血イベント ―祈りと医療が交わる特別な時間―

up 2026.01.12

12月初旬、プノンペンから少し離れたカンボジアの古都ウドンにある寺院にて、カンボジア血液センター協賛の献血イベントが開催されました。
ウドンはかつて王都が置かれていた歴史ある土地であり、現在も多くの人々にとって信仰と心の拠り所となる寺院が点在しています。
ジャパンハート医療センター(以下、JHMC)も2016年よりこのウドンの地に拠点を置き、活動を続けています。

今回の献血イベントはJHMC近隣に位置する地域の人々の信仰の中心となっている仏教寺院にて実施されました。
本イベントはカンボジアで活躍する女優の一人からの提案をきっかけに、寺院、ジャパンハート、カンボジア血液センターの三者が協力し、実現したものです。
医療、宗教、そして地域社会が一体となり、「命を支える」という共通の目的に向かって取り組んだ、非常に意義深い一日となりました。

【カンボジア医療活動】信仰の場・古都ウドンでの献血イベント ―祈りと医療が交わる特別な時間―

カンボジアでの献血活動

ジャパンハートはこれまでカンボジア血液センターやイオンモールと協力し、定期的な献血イベントを開催してきました。
多くの市民が日常の中で献血に参加しやすい環境をつくることで、安定した血液供給を支えるだけでなく、カンボジア国内に助け合いの輪を広げる取り組みを続けています。

今回のイベントはそうした活動の延長線上にありながらも、これまでとは異なる新しい形の取り組みとして実施されました。
カンボジアで活躍する女優の一人から「寺院という、カンボジアの人々にとって特別な場所で献血イベントを行うことで、より多くの人に献血の意義が伝わるのではないか」という提案が寄せられたことが本イベントを形づくる大きなきっかけとなりました。

寺院は人々の生活や価値観と深く結びついた存在です。そのような場所で献血イベントを行うことで、献血を通した相互扶助の意義や慈善行動をより広くカンボジア国内に伝えていくことができるのではないか。
そうした期待が本取り組みには込められていました。

僧侶が集う、特別な雰囲気の中で

当日は朝早くから多くの僧侶の方々が献血のために寺院を訪れました。
僧衣に身を包んだ僧侶が静かに順番を待つ光景は普段商業施設で行われる献血イベントとは大きく異なり、会場全体に厳かで落ち着いた空気が流れていました。

イベントの開会式には院長の神白医師も出席し、来賓の一人として挨拶を行いました。
その後の運営は寺院関係者やカンボジア血液センターのスタッフをはじめ、多くの関係者が力を合わせて行われ、私たちジャパンハートのスタッフもその一員として、受付対応や参加者の誘導、献血後のフォローなどを担当しました。

また、影響力のある女優の参加もあり、当日は多くのメディア関係者が取材に訪れました。
献血という行為が社会全体に向けたメッセージとして発信される場となったことも、今回のイベントの特徴の一つです。

寺院での交流を通して見えたもの

特に印象的だったのは寺院の長が自ら献血に臨み、その様子がSNSで発信されたことです。
献血を呼びかけるその姿は多くの人々に強い影響を与え、人々の暮らしや心に寄り添ってきた僧侶の存在の大きさを改めて感じさせる場面となりました。

献血に参加された僧侶の方々とお話をする中で、多くの方が以前からジャパンハートの活動を知ってくださっていたことも印象的でした。
医療活動を通して積み重ねてきた信頼がこうした形で感じられたことは、私たちにとって大きな励みとなりました。

献血イベント後には神白医師や日本人スタッフが寺院での托鉢に参加し、食事をお渡しする体験をさせていただきました。
僧侶の方々の日常に触れる貴重な機会をいただきました。
さらに、寺院の広大な敷地を案内していただき、歴史と信仰が息づく空間を実際に歩くことで、地域の宗教文化への理解を深めることができました。

また、僧侶の方々による読経が行われる場面では会場全体が静かな祈りに包まれました。
医療と宗教が交わるこの空間は、命を大切に思う気持ちをより深く共有する時間となったように感じられました。

地域に根付くJHMC

カンボジアの人々にとって寺院は信仰の場であると同時に、日々の暮らしの中で心を寄せる大切なよりどころでもあります。
そのような特別な場所で行われた献血イベントにジャパンハートが招かれたことは、これまで地域と共に歩んできた医療活動が少しずつ人々の中に受け止められ、信頼として根付いてきていることを感じさせる出来事でした。

今回の献血イベントは地域の人々、僧侶の方々、医療に携わる者が同じ場に集い、それぞれの立場を超えて「命を大切にする」という思いを共有する時間となりました。
そこには、医療と宗教、そして地域がゆるやかにつながり、命を支える輪が静かに広がっていく姿がありました。

ジャパンハートはこれからも地域の人々の声に耳を傾け、一人ひとりの歩みに寄り添いながら、共に考え、共に歩む医療活動を続けていきます。
その積み重ねが未来の命を支える力につながっていくと信じています。

長期学生インターン 駒場万由子

▼カンボジアでのプロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/

▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

Share /
PAGE TOP