高校2年生になったばかりの春。
リアクサちゃんの右膝に、滑膜肉腫(体のやわらかい組織にできる悪性腫瘍(がん)の一種)が見つかりました。
夢や未来を描き始めた16歳にとって、その知らせはあまりにも突然でした。
それでも彼女は、不安や葛藤を抱えながら、一歩ずつ前を向いて治療に向き合っています。

たどり着いた希望
最初に体の異変を感じたのは、2025年4月のことでした。右脚が少し腫れていることに気づき、軽い痛みを覚えるようになりました。その頃はまだ普通に歩くことができていましたが、7月から8月にかけて、痛みは次第に強くなっていきました。
9月、プノンペン市内の大きな病院を受診しました。そして診察の結果を聞いたリアクサちゃんは、そこで初めて「がん」であることを知りました。
突然の告知。しかし家族にとって、治療費は大きな壁でした。
そんな中、Facebookで見つけたのがジャパンハートアジアこども医療センターでした。
「無償で治療を受けられると知って、ここに来ました」
12月17日、リアクサちゃんはこの病院にたどり着きました。

病院で見つけた安心
がんだと知ったとき、リアクサちゃんの心は大きく沈みました。ちょうど高校2年生になったばかりで、登校できたのはわずか2日間だけでした。将来への不安と、突然奪われた日常。16歳の少女にとって、それはあまりにも大きな出来事でした。
それでも、ジャパンハートアジアこども医療センターに来てから、彼女の気持ちは少しずつ変わっていきました。
「がんだと知ったときは一番落ち込みました。学校に行けなくなることが一番つらかったですし、がんだから何が起きるかわからなくて怖かったです。でも、この病院を知ったときは嬉しかったです。医師や看護師が優しく声をかけてくれて、毎日あたたかいごはんが3食出て、治療にお金もかからない。幸せをもらっている気持ちです。治療ができないかもしれないと思って不安になったこともありましたが、それでも勉強したい、学校の先生になりたい、家族に会いたい、幸せに生きたいと思っています。だから、力が出ます」

(左手前がリアクサちゃん)
入院中のリアクサちゃんは、絵を描いたり、友達と話したり、病院内のイベントに参加したりしながら日々を過ごしています。同じ部屋の子どもたちは、今では大切な友達です。医師や看護師も、いつも優しく声をかけてくれます。
「先生と看護師が好きです」
彼女は、そう微笑みました。その笑顔から、この場所での安心が伝わってきました。
小さな希望が、前へ進む力になる
退院したら、リアクサちゃんが一番やりたいこと。それは「勉強すること」です。
「将来は、先生になりたい」
まだ具体的に決まっているわけではありません。それでも、高校の勉強を続けること、学校の先生になるのか、塾の講師になるのか、どの科目を教えるのか。未来の話をする彼女の表情には、確かな前向きさがあります。
そして、もうひとつ。
「妹を抱きたいです。恋しいから」
リアクサちゃんは4人家族の長女です。妹は、彼女にとってかけがえのない存在です。

(左下がリアクサちゃん)
がんと診断され、学校に行けなくなり、不安と恐怖の中で始まった治療の日々。それでも彼女は、「また勉強したい」という希望を胸に抱き続けています。
その希望は、彼女を前へ進ませる力です。
いつかまた教室に戻る日が来るように。
そして、自分の夢を自分の言葉で語れる未来が続きますように。
私たちはこれからも、リアクサちゃんの歩みを支え続けていきたいと思います。
長期学生インターン 梅木真希
▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートアジア小児医療センター

