活動レポート

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栄養管理部だより「日本病態栄養学会で発表を行いました!」

up 2024.02.27

こんにちは!栄養管理部の桑原です。
1月26〜28日に京都で開催された「第27回日本病態栄養学会年次学術集会」の特別企画「世界で活躍する管理栄養士」に登壇し、ジャパンハートの活動について発表を行いました。

世界で活躍する管理栄養士

この企画は、世界で活躍する管理栄養士の現状を知り、日本の現状を振り返り、日本が出来る支援について考えることを目的として開催されました。

今回、ご縁があり、栄養管理部が2019〜2021年の3年間、味の素ファンデーションのAINプログラムの助成で実施した給食プロジェクトの内容と、現在の活動について発表する機会をいただきました。

このプロジェクトについてはYouTubeに詳しい動画が掲載されていますので、ぜひご覧ください!

学会をきっかけに3年間の振り返り

発表内容を準備するにあたり、3年間のプロジェクトでの取り組みについて改めて確認したところ、大半が開始当初から現在まで継続して実施されていることが分かりました。
カンボジアで病院食を提供するにあたって、これまでのスタッフが丁寧に基盤を確立してきたこと、日本人栄養士が代わってもそれがしっかりと受け継がれてきたことを再認識しました。
特に調理スタッフは当時から変わらないメンバーが現在も働いているため、スムーズに調理から提供までが流れていると感じます。

それに加えて今はこのレポートにも度々登場しているカンボジア人のティラ栄養士による栄養介入も本格的に実践されています。

栄養管理部のオフィスには、歴代の日本人栄養士が残してくれた栄養教育の教材がたくさんあります。それを活用したり、時には今ある教材を参考に新しいものを作成したりしながら、患者さんへの栄養教育を実施しています。

新しいことにも積極的に取り組んでいて、最近も新たに入院時の栄養スクリーニング、栄養アセスメントのフォーマットを作成して試しています。それについては別の機会にご紹介できればと思います。

栄養グループを学ぶための食材カード。食材を増やして作り直しました。

私が海外活動で大切にしていること

活動の報告に加えて、発表の最後には、私が管理栄養士として海外に出たことで感じたこと、大切にしていることを共有させていただきました。

まず一つ目は、日本の栄養士制度がすごいということ。
私も当たり前のように大学で栄養について学び、資格を取得し、就職先を決めてきましたが、カンボジアのように栄養士制度がなかったり、制度があっても活躍の場がなかったりという現状を見て、日本の制度が整っていることを実感しました。
(私が以前活動していた東ティモールでは、栄養士の資格は取れても、公務員かNGOくらいしか就職先がありませんでした。どちらも狭き門です。)

また、学校で栄養教育が実施されていたり、地方自治体が実施する栄養教室や病院での栄養指導などもあったりと、誰もが栄養について考える機会が多くあることもすごいということを海外に出て再認識できました。

二つ目は、自分自身も楽しみながら、現地の人と関わり、活動を見つけていくこと。
私は新しい文化や生活、食事に出会うことが好きで、現地スタッフと関わることを大切にしてきました。
その中で彼らの価値観を知りながら、一緒に活動を見つけていくことを心がけています。

ジャパンハートで活動を始めて半年がたちました。ジャパンハートの給食提供のシステムがそうであるように、日本人がいなくなっても続けられる活動を今後もスタッフとともに考えていきたいと思います。

桑原真菜実 栄養管理部部長 / 栄養士

2023年7月からカンボジアで勤務している桑原です。病院に2年勤務した後、青年海外協力隊とNGOスタッフとして4年間東ティモールで活動しました。カンボジアの食文化を学びながら、患者さんをはじめ多くの方々へ栄養の大切さを届けられるよう、頑張ります!


▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部

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