活動レポート

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カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

up 2022.07.21

私がジャパンハートに興味を持ったきっかけはテレビ番組に出演していた秀人医師の言葉でした。

その吉岡医師の著書を読んだ中で、ボランティアに参加することに関して”自分のために”という表現がされていたことが強く印象に残りました。医療の発展途上国のカンボジアの人々に対して支援をすることはもちろんのこと、自らの看護師としての成長、更に人として成長したいと思い、参加を決めました。

カンボジアで活動を始めた当初は、ボランティアとして自分に何ができるのかということを常に考えるように心がけていました。人手が足りないために採用された身として、できるだけ早く一人の看護師として自立して働けるようになることがまず大事なことだと思い、周りの環境やスタッフから少しでも多くの知識や技術を吸収できるように心がけました。とはいっても私にとって未経験の分野である小児科への配属だったことや、言葉の違い、環境の変化などで知らず知らずのうちに疲れ が溜まっていたのか、体調を崩して寝込むこともありました。しかしそういったこともありながら、日本とは違った文化を楽しみながら学び、働くことができたのは悩みを相談できる同僚がいてくれたことや、温厚な国民性であるカンボジアの人々のおかげかもしれません。

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

私が配属されたのは小児がんを患う子どもたちが治療を行う病棟です。
日本では治る病気も、発見が遅かったり充分な治療ができないといった理由で助からないことが多いという悲しい現実があります。基本的に化学療法を受けている患者が多く、食事が満足に食べられず痩せ細っていく子もいる反面、ごはんも盛り盛り食べて病棟内を元気に駆け回っている子もいて病状や治療の内容によって違いがありました。

そんな子どもたちと接する中で難しいと感じたことはやはりコミュニケーションの取り方です。通訳スタッフの協力はありますが、直接言葉のニュアンスの違いなどを読み取れないことで化学療法でよくある吐き気や痛みなどの細かな症状や程度がわかりにくく対応に困ることもありました。

通訳スタッフが不在の時は患者の表情やジェスチャー、片言のクメール語でコミュニケーションをとることもありました。患者や家族からすると、身体的にも心理的にも辛い治療中に言葉が通じない看護師が対応することに対し不安を感じる場面もあったと思います。しかしいつも笑顔で、退室する時には”オークン(ありがとう)”と感謝の言葉を述べてくださりました。言葉のやり取りが難しい場合、相手を思いやる気持ちを持って関わることが信頼関係を築くために大切なことなのではと改めて考えました。

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

私は約半年間のボランティア活動を通して、”人のために”なにかをすることの大変さを改めて感じました。

このボランティア活動自体、ただの自己満足でしかないのかもしれません。日本とは違う文化、言葉、生活環境に適応するのも少なからずエネルギーがいるものでした。またそれまでの日本の生活を一旦おいてカンボジアにいくということは、家族や周りの協力なしではできなかった思います。一般的にみて私はそれまでの生活を”犠牲”にして活動に参加したと思われるかもしれません。

しかし”人のために”することは、結果的に”自分のため”になったと思っています。何が自分のためになったかと言われると、人それぞれの価値観によって違いがあると思いますが、私は言葉の違う相手とコミュニケーションを取ることで考え方に柔軟性を持たせることができたと思います。患者や家族が掛けてくれる感謝の言葉は励みとなり、看護の仕事へのやりがいをさらに感じることができるようになりました。また異なる文化のカンボジア人スタッフとともに働いたことは、大変だと思うこともありましたが、かけがえのない経験となり、最後までやり遂げることができたことで自分にとって大きな自信になりました。

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

最後に、私をボランティアとして受け入れてくれたカンボジアの人々に感謝した いと思います。もし再びカンボジアで活動する機会があれば、なにかを与えられるような立場になれるように今後も努力していこうと思います。

カンボジアでのボランティア活動を通して得たもの

長期ボランティア看護師 永井里奈

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援| カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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