活動レポート

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チェンダーという人

up 2022.01.12

カンボジアからこんにちは。

チェンダーと一緒に働き始めたのは2カ月前から。実際には3カ月間同じ病院にはいたけれど病棟が違うので深いかかわりを持っていませんでした。
遠目で見る彼女は静かでおとなしい印象。
同じ病棟で働き始め彼女と関わるうちにしっかりしてるなって感じています。
静かに淡々と仕事をしているのは変わらないのですが、そんなな中で患者さんの処置をしている姿や、外来での業務を見ていると頼もしく見えます。

どうして看護師になったの?って聞いたら、自分で家族のケアがしてあげられるからって答えてくれました。
現在治療が必要な家族がいるわけではないですが、彼女の町には小さな病院はあるけれどそこに行くまでに一時間はかかってしまうこともあり、将来家族の健康に問題が生じた時自らケアをしてあげたいのだそうです。

現在成人病棟で働いていますが、救急看護にも興味があると言います。
緊急の対応にはまだ不慣れで、時には緊急対応時に行動がストップしてしまうことがあります。
そんな時でも焦った素振りは見せないのですが、きっと頭の中はパニックになってるんだろうなと思います。

そんな彼女がある朝、壊れたのかフレームをテープでベタベタと補強した眼鏡をかけて来ました。
事故か!落として壊れたか!それとも踏んだのか?
テープで補強しても簡単に外れてしまい、他のスタッフが代わるがわる補強の手伝いをしています。
「いったい何があったのか?」と、問いかけてみるとレンズを拭いていたら壊れたんだとのことでした。なるほど…バカ力なのか。
一日テープで補強された眼鏡で勤務をやり通しました。ガッツがある。
時々眼鏡がずり落ちながらも一生懸命に患者さんの看護をしています。

静かだけれど話すといろいろ話してくれ、最近は彼女から話しかけてくれるようになり、受け入れてもらえたのかなとホッとしています。

そして、初めて彼女と一緒に夜勤をしていた時のことです。
静かな夜にナースステーションのドアを力強くノックする音がして二人で「ビックッ」、患者さんがノックしたのだろうと廊下へ出てみても誰もいません。病室へ行っても誰もナースステーションへは来ていない様子。
気のせいだったかと思いナースステーションへ帰る途中に彼女は「お化けかも」とぼそりとつぶやきます。
「いやいやいやーそれはないって」とお化け発言はあまり気にせずに朝を迎えました。

朝になりになり夜の出来事をカンボジア人スタッフへ話すとみんな予想以上に怖がります。
「これは何かしなければ!」と病院にある祠へ果物をお供えしお線香を立てお祈りしました。
「これでもう大丈夫みんな安心して!」そんな気持ちでどや顔でいたのですが、監視カメラをチェックしてみるとスタッフが外からいたずらで窓をたたいていました。
お化けの正体はいたずらなスタッフ・・・
なんだお化けじゃなかったんだ安心する一方、カンボジア人スタッフは「お祈りしてたんだって?」と半笑い、いや大笑いで話しかけてきます。
お化けの正体が分かってよかったんだけど複雑な思いをした彼女との夜勤でした。

彼女はジャパンハートの元奨学金生です。奨学金生には度々病院の活動に参加してもらっていたので、学生の頃から知っています。
彼女たちが医師や、看護師となって一緒に働けていることがとても嬉しいです。

彼女はここへきてまだ10カ月、これからもっと彼女を知って新しい彼女を発見していけたらと思います。
彼女が将来どのような道をたどるかは分かりませんが、看護師になった目的の通りに家族の健康を守りつつ、カンボジアの医療を支えていってくれる看護師になってほしいと思います。

看護師 藤井

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援| カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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