活動レポート

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2年目に突入したカンボジアでのコロナのこと
up 2021.05.11

先日また何人かの長期スタッフの方々が帰国されました。
任期満了で次のステップへ進まれる方、カンボジアでのコロナ拡大に伴う退避…。志半ばでたくさんの葛藤を抱えながら帰国を決意した仲間もいました。
それぞれの道をまたそれぞれ歩んで、またいつか逢えたらいいなと思っております。

カンボジアからの退避に思いを巡らせるまで影響しているのが世界的にも大きな課題であるCOVID-19。ここ、カンボジアでも例外ではありません。

確かに、比較的東南アジアの中でもカンボジアはそこまでコロナ患者数は増えず、昨年4・5月以降は日本からの短期ボランティアさんの受け入れはできないものの、患者さんの診療活動は継続できておりました。
感覚的にはコロナ以外のところでの患者外来入院数、緊急重症度が過去最高であったんじゃないかと思っています。あっという間に時が駆け抜けていきました。

そんな中で育っていったカンボジア人スタッフに話を聞けば、「大変な状況(例えば、忙しかったり、スタッフが少なかったり、患者さんが緊急重症だったりなど)の時にスタッフ同士でどうにかこうにか協力してなんとか乗り越えていくこと、大変な中で協力していく仲間感とかお互いに助け合う感覚が、自分にとって仕事をしている中で一番happy」と言ってくれたことがありました。
その時は本当に感動してしまって、ほかの日本人スタッフに嬉しくてすぐ報告したものです。

話を戻すと…。
今年の4月からこのコロナの状況は変わってきました。カンボジアのコロナ感染者数はここに来て一気に増えてきています。やむなく私たちの病院も診療の縮小を余儀なくされています。
ただ、診療を縮小しても目の前には絶えずやってくる重症な患者さん、貧しい患者さん。平時でもそれに向き合うことに困難を感じますが、今はより一層無力感に苛まれます。

もともとカンボジアは日本に比べれば、医療制度は整っておらず、貧しいことが理由で治療が受けれなかったり、それを保証する社会的保障制度も脆弱と言わざるを得ません。
それでもこれまで私たちは現地のカンボジア人と共に、今私たちができる医療をできるだけ最大限、ひたすらに一生懸命、丁寧にやってきました。チームのみんなで乗り越えてきました。
けれど、このコロナは次から次へと来る難所の中でも特に本当に本当に厄介です。

今首都プノンペンははっきり言って医療崩壊しており、肺炎はおろか重症度が高かったとしても搬送の受け入れが困難です。

比較的田舎にある私たちの病院では治療ができず、初期対応のみになり、望みをかけてプノンペンの病院に搬送した患者さんはたらいまわしになり、自宅に帰るしかないと言うことも珍しくありません。
どうしてあげることもできない現実ですが、だったらせめて患者さん家族が自宅で穏やかに過ごせる時間を選択してもらおうとかも思ったりするのですが、そこには文化の違いの中で考える死生観も絡んできて余計に難しいのです。
とても「かわいそう」なんてそんな軽い言葉で言い表せない現実があります。

患者さん家族もそうですが、私たち自身の健康もまた守るのに必死です。
感染対策はもちろんのことですが、同じように患者を救いたいと思っていても成すすべがないことに心を痛めているスタッフ、診療の縮小で思うように医療が提供できないことへの葛藤、どこへも遊びに行けないストレス…。
そんなスタッフのことをどうやってケアしていったらいいのか、どうやって感染から守ってあげればいいのか日々苦悩しています。

2年目に突入したコロナとのお付き合いですが、きっとそれは世界中どこの医療現場も同じで、どこが一番大変とか大変じゃないとかそんなことではなくて、それぞれ大変な中でも懸命に現実に向き合っているのだと思います。
私もその一人として、悲観している場合ではないので前を向いてここにいる仲間とお互いに思いやり、助け合いながら乗り越えていきたいと思います。

アドバンスドナース 松見

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援| カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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