活動レポート

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微笑み
up 2019.08.18

私たちのいるワッチェ慈善病院から2時間半。
ジャパンハート事務スタッフの地元の村、
ミンムー町にある ウーアイジュン村にモバイル診療に行ってきました。

ドクターカーに乗り、デコボコ道に揺られながら、道を進んでいきます。
ウーアイジュン村は川に近接する地域にあり、船を使わないと辿りつけない。そんな場所でした。そのため車で近くの村まで移動し、その後は船を使って村を目指します。

ミャンマー モバイル診療 医療

ミャンマー人7人、日本人3人に加え、
エコーや多くの薬、診察道具を積みながら、
「この船で目的地まで行けるのだろうか」と思いながら、船に乗り込みます。
やや船の中に水が入り込んできましたが、問題なく移動できました。
手術活動直後のモバイル診療、早朝の出発で少し疲れがありましたが、
移動中は肌にまとわりつく暑さの中を突っ切る心地よさ、普段見られない大自然に心が躍っていました。

ミャンマー モバイル診療 医療

ぬかるむ道に足をとられながら歩き、到着した村は約500人が住んでいる小さな村。
到着して、セアド(寺の最高責任者)とポンジー(お坊さん)に挨拶をして、準備を開始しました。

ここで驚いたのが、
食事の準備や場所の確保をしたりと、親切にしてくれたポンジー、
事務所スタッフと話しているのを見て、「すごく楽しそうに話しているな。なんとなく同じ空気感を感じるなあ。」と思っていました。
話を聞くと、実は事務スタッフのお兄さんとのこと。
子供が多く、村の人は家族同然のように接するこの国では、”家族の枠”が広く、世間の狭さや人との距離感に驚くことも、ここに来てからしばしばあります。

そんな中で、「地域による違い」が垣間見える瞬間がありました。
皮膚疾患の患者さんが数人いましたが、隣町から診察に来た人で皮膚疾患の人はいましたが、村の人で該当者はいませんでした。この村では井戸から水は引いて使用していますが、隣町の住民は川か汲んだ不衛生の水を、そのまま洗濯・水浴び・食器洗いなどに使用しているとのことでした。不衛生な水を使用するということが、病気に直結しているということが分かりました。
しかしながら、不衛生の水を使い続けるのには、衛生知識がないからということ以外にも大きな原因がある。話を聞いていく上で、見えてきたことがありました。
それは、自分で「綺麗か、不衛生かどうか」を考えて判断するのではなく、「ここの水が綺麗」といったように小さい頃から教えられてきたということです。つまりは、刷り込みや教育が影響していました。
現地の人の生活と照らし合わすと、「きっと誰が悪いわけでもない。その教えを大切に引き継ぎ、そのようにずっと生活してきたのだろうな」「習慣なのだろうな。」と感じました。
その人たちが「大切にしてきた考え・習慣」があることを知り、寄り添った上で、私たちは根底にある衛生意識から少しずつ改善するといった長期的な関わりをする必要があると感じました。

村人に協力してもらい、スムーズに診察が進みました。
スタッフ皆それぞれ、「快く受けいれてくれていることへの感謝」と「一緒に作り出している一体感」を感じながら、モバイル診療を行いました。
今回診察した174人のうち、この村の2人の患者さんが、ワッチェで11月に手術ですることになりました。”医療のないところに医療を届ける”ことができたこと、住民の生活に触れることができたことは、とても大きな経験となりました。

ワッチェに戻ってから数日後、モバイル診療を振り返り、事務スタッフが小さい声で
「いい仕事をしていると思います。ありがとう。」と微笑みながら話しました。心の底から出た彼女の言葉だったと思います。やってきた活動がスタッフの大切な人に提供できたことに、とても嬉しかったのではないでしょうか。
事務スタッフも、同様の環境で育ってきたのだと思います。きっとその他のスタッフも、似た環境で生きてきたのではないのか。自分の地域にも還元したいという思いはあるのではないか。
モバイル診療を続けていく中で、いずれかスタッフの故郷へも活動を広げ、スタッフの微笑みが大きな笑顔となり、さらには心も救わるようになることを願っています。

51期生 土屋和志

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