活動レポート

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「夢を描き・育てる」子どもたちとスタッフの物語⑤ ~Dream Trainの現場から~

up 2023.02.14

いつも活動へのご支援をいただきありがとうございます。インターンの永田です。
昨年はサッカーワールドカップが世界中で盛り上がりを見せましたね。
ミャンマーでも喫茶店やビアバーなどで観戦をしている様子もみられました。
今回はサッカーが大好きな19歳のサローン君にインタビューを行いました。

インターナショナルスクールで開催されるタッチラグビー練習会で、ベストアタッカーに選出されたサローン君

自己紹介をお願いします。

19歳のサローンです。Dream Trainに来て12年になります。趣味はサッカーです。
今は日本語の勉強をしたり、サッカーやラグビーのクラスに出たりしながら、就職の準備をしています。

故郷や家族のことについて教えてください。

シャン州東部の出身で10人家族です。兄と姉と妹がいますが、兄と一緒に2人でDream Trainに来ました。
村には小学校までしかなく、中学校以降に通うためには、都市まで行かなければならず、家計としては厳しい状況でした。故郷の村の子どもたちの中で、Dream Trainに行った子どもたちもいたので、自分自身で行きたいと思っていくことを決めました。
母は寂しそうでしたが、父は背中を押してくれました。

Dream Trainに来てからの生活について教えてください。

来たばかりの頃は、父と母に会えないことがとても寂しくて「家に帰りたい!」と言って泣いたり、何も食べられない・何もやる気が起きないような気持ちになったりしました。
あと、ヤンゴンは故郷のシャン州に比べて暑いなと感じたことも覚えています。
そうした日々もありましたが、次第に生活に慣れ、Dream Trainでの様々なことを楽しめるようになっていきました。

Dream Trainに来て大好きなサッカーに出会うことができたことは言うまでもありませんが、ヤンゴンで質の高い教育が受けられたことはとても良かったと感じています。
当時、村の学校では先生という存在はいたのですが、正規の課程を修了した先生は少なかったので、Dream Trainに来て質の良い先生のいる学校に通えたことは良かったです。

Dream Trainでの生活で特に印象に残っていることを教えてください。

僕はサッカーに関しての思い出がたくさんあるのですが、その中でも特に印象に残っているのは、ヤンゴン市内の学校で行われたサッカー大会で優勝したことと、来緬していたブラジルのサッカー選手との交流会に参加したことです。
特にブラジルの元サッカー選手との交流会では、本物のサッカー選手とレクリエーションをしたり、話を聞いたりして、サッカーを仕事にしている人と触れ合うことができてとても感動しました。

僕はDream Trainが行っているサッカー教室に長く参加していますが、実は試合形式のサッカーはDream Trainに来るまで経験したことはありませんでした。
このサッカー教室では、数年前までは、ミャンマーサッカー女子代表チームの監督をしていた日本人の方が指導をしてくださっていました。
現在はアルビレックスミャンマーのコーチからオンラインで指導をしてもらっています。
僕はアシスタントとして、他の子どもたちの様子を見たり教えたりもしていて、指導してくれているコーチの言葉を理解したくて、日本語の勉強も始めました。
専門的な単語もあるので難しいですが、監督の話す言葉を直接理解できるのは嬉しいです。

2002年の日韓W杯で優勝した、元ブラジル代表主将エジミウソン氏と

Dream Trainに来て得られたことは何ですか。

7歳の頃にDream Trainに来たので、年齢を重ねるにつれて自然に成長したこともあると思います。
特にDream Trainで過ごしたことで得られたと感じることは、自分の考えを人に伝えられるようになったことと、集団や社会での生活の仕方を知ったことです。
家族や村のコミュニティの中で生活をするのと違って、バックグラウンドも年齢も違う子どもたちと一緒に生活をして規則を学びました。
また、その生活の中で子どもたちだけでなく、講師の先生とも多くの言葉を交わしてきたことで自分の考えを言葉にできるようになったと思います。

夢や目標を教えてください。

サッカーが大好きなので、以前はサッカー選手になることが夢でしたが、膝をけがしてしまったので、選手になることは難しくなってしまいました。
けがをしたことで両親から心配され、「サッカーに関する仕事はやめた方がいいのではないか。」とも言われましたが、それでもサッカーに関わる仕事やサッカーを通じて感じたスポーツの面白さを仕事につなげたいという思いがあることを両親に話しました。
色々な道があるとは思いますが、今はスポーツのコーチになることが一番の目標です。

故郷の子どもたちに対して、何か伝えたいことはありますか。

学校に通うことは、知識を得ること以外にも人を成長させてくれるものであると僕はこの12年間で感じました。
なので、学校に通うことを諦めている子がいるのならば、もっと多くの故郷の人にこのDream Trainの存在を知ってもらい、是非来てほしいと思っています。

おにぎり作りイベントで、積極的にお手伝いをするサローンくん

好きなものや夢について語るサローン君の目はきらきらと輝いていました。
Dream Trainに来さえすれば、将来の全ての生活の不安がなくなるということはなく、難しい社会環境の中で自分で道を切り開いていくことは必要です。
それでも、勉学を頑張り、夢やなりたいものについて考えることができる環境を守り、与えることは貴重なことなのだとサローン君のインタビューを通して実感しました。

次回のインタビューもお楽しみに。

Dream Trainでは、2023年度に新たに入所する子どもたちの里親となってくださる方を募集しています。
里親制度とは、毎月5,000円から、Dream Train の子ども(里子)の生活費、教育費、職業訓練費等を継続的に支援いただく制度です。
お申込みいただくと、里親様ごとに1名の子ども(里子)をご紹介し、里子が経済的に自立しDream Trainを卒業するまで1対1で支援をいただきます。
2022年度の里親様の募集は終了しておりますが、2023年度も15名程の子どもたちを受け入れ予定です。
里親制度の詳細やお申込みはこちらをご覧ください。
https://www.japanheart.org/donate/foster-parent/myanmar/

子どもたちの日々の様子をアップしています。ぜひご覧ください!

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https://www.youtube.com/watch?v=PCVE0fBt5Ew&t=9s

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