活動レポート

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【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催 ―在宅住民へも医療の手を広げる中長期支援―

up 2025.12.01

初めての健康チェック会を門前町で開催

2025年11月17日、18日の2日間、輪島市門前町において初めての試みとなる健康チェック会を実施し、七浦公民館・阿岸公民館あわせて36名の来場者に医師と看護師による問診や心電図・超音波画像検査、身体・認知機能検査を行ったほか、6名の方の訪問を実施しました。

【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催

在宅住民にもつながる場をつくりたい

ジャパンハートは能登中長期支援として2024年6月よりおしゃべり喫茶を開催していますが、主な会場は仮設住宅敷地内にある集会所です。

在宅にお住まいの方は「仮設の集会所にはなんとなく行きづらい」という思いがあるとのことで、今まで在宅にお住まいの方とはあまりお会いできていませんでした。仮設にお住まいの方だけでなく在宅にお住まいの方も生活の変化があり、震災以降、健診や病院受診から遠ざかっている住民の方もいるといった地域の声も聞かれます。

今回は普段から在宅の方の見守りをされている輪島市社会福祉協議会の方に事前のお知らせから当日のサポート、後日のフォローアップまで協力いただき、在宅の方を含む地域住民の方みなさんが今回の健康チェックを機に受診や生活習慣の改善につながればという思いで開催させていただくこととなりました。

【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催

雨の中でも笑顔が生まれた健康チェック会

当日はあいにくの雨でしたが、友人同士で車を乗り合って来られる方も。普段から買い物や病院受診など車のある方に乗せてもらうという方も少なくありません。来場されたら問診票の記入からスタート、スタッフがサポートしながら現在の健康状態や生活のことなど記載・聴き取りをします。

公民館のホールを使用した体力チェックのブースでは輪島市社会福祉協議会のスタッフも一緒に身長・体重・血圧など基本項目に加え、握力・下肢筋力・歩行速度など体力面を測定、数値の見える結果に対して「あなたすごいね、畑してるからじゃない」「もっと力があるかと思ってた」などの声も聞かれ、和気あいあいとした雰囲気で行われました。

医師・看護師による検査も実施

一方医師・看護師のブースでは医師による問診・聴診、必要な方に対して心電図や下肢のエコー検査を実施しました。
過去の震災では経年的にエコノミークラス症候群の患者が増えたというデータもあり、今回検査項目のひとつとして実施しました。

【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催

【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催

【災害支援・対策(iER)】輪島市で初の健康チェック会を開催

男性参加が多かったことが印象的

中長期支援のひとつとして初めて行った健康チェック会、男性・女性の参加者数が半々と想定よりも男性の参加が多かったことが印象的でした。

毎月行っているおしゃべり喫茶に男性は来づらいといわれることもあり、これまで男性住民の方とお会いする機会があまりありませんでしたが、健康面や体力面に対しては関心のある方も多いということを感じました。

「こんなに血圧が高くてびっくりした、病院に行く」
「やってくれてよかった」
といった声も聴かれました。

また見守り活動を行っている輪島市社会福祉協議会の方からも「気になっていた人が来てくれて、病院に行ってみると言ってくれてよかった。専門の医療職の人にみてもらうのは大切」というお話もあり、病院には行きづらいけど家の近くであるなら行ってみようという方に医療職として関わることで、住民の方自身が自分の体の状態を知り、受診や運動の必要性について考えるなど地域の医療・福祉へつなげるという橋渡しが行えたのではないかと思います。

今後も中長期で住民の健康を支えていきます

復興が進む中、生活再建に追われ自身の体のことになかなか目を向ける時間は少ない住民の方もいらっしゃいます。

医療団体として、心身の健康や日常生活動作、認知機能などできるだけ現在の状態を維持できるようなサポートを行えるよう、中長期支援を続けてまいります。

令和6年能登半島地震 緊急支援活動のご寄付について

皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)

ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援

今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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