2025年9月24日~25日の輪島市門前町で訪問リハビリテーション、続いて9月25日~28日にかけて石川県能登町、輪島市門前町でサロン活動を行いました。
今回の活動では訪問リハビリテーションでは17名、サロン会場への来場38名、ご自宅への訪問33名、合わせて86名の住民の方々とお会いすることができました。
今回からは集会所に備え付けの血圧計を使い、住民さんに自ら血圧測定をしていただくなど、それぞれの自主性を伸ばしていけるような取り組みを開始しています。
最初は使い方が分からなかった方も、スタッフが使い方を説明してサポートすると、次に測定する住民さんにレクチャーをして下さったり、住民どおしの関りが増えてより和やかな雰囲気となっていました。
またおしゃべりの場だけでなく、作業療法士による健康体操や体力チェックも新たに開始しました。
今年は猛暑で外出控えが起こり、「いつもは毎日散歩しているけど夏の間は暑くて散歩できなかった」という声も多く聞かれ、体力低下が懸念されています。
おしゃべりをして和やかな雰囲気になったところで、住民の皆さんに手伝っていただきながら一緒にテーブルをよけ、輪になって椅子からの立ち上がりテストを実施。
みんなで一緒に回数を数えたり、多くできた方には拍手が上がったり、声だけでなく体も動かすことで大きな声や笑顔が生まれていたのが印象的でした。
一方、奥能登豪雨から一年を迎えたこともあり、サロン活動とは別に、地域支援者の方々とゆっくり振り返る機会を設けました。
自らも二度にわたる被災を経験しながら、発災直後は最前線に立ち、住民さんのために奔走されてきました。
当時を振り返りながらお話する中で、「たくさんあった避難所を苦労して徐々に集約し、最後の避難所を閉じてからたった2週間だった」「家を失いやっと仮設住宅に入れた住民に、また避難を強いるのが辛かった」と当時の辛い心情を吐露される方もいらっしゃいました。
また、地域支援者の多くが自宅が一部損壊や半壊の被害にあっており、中には自宅が全壊し、仮設住宅で暮らしていらっしゃる方もいることを知りました。
住民さんの前ではいつも明るくされておられる支援者さんが「全壊した自宅をこの間解体しました。何もなくなりました」と寂しそうにこぼされた姿には胸が痛みました。
自らも甚大な被害を受けながら、最前線で支援を続けておられる地域支援者の方々。
私たちの活動はいつか終了しますが、地域支援者の方々はこれからも長きにわたり地域を支えていかねばなりません。
住民さんの前では出せない姿や思いを私たちの前ではせめて表出してもらえたら、と感じました。
これからも定期的に地域支援者の方々との交流を続けていきたいと考えています。
能登半島地震から20ヵ月が過ぎ、現在能登では「復興格差」が問題となっています。
支援を活用し、徐々に前を向き始めていらっしゃる方もいますが、様々な理由や背景で今もなお支援が届かず孤立が深まっている方もいらっしゃいます。
これからも、変化していく地域を見つめ、求められている支援を模索しながら、地域の皆様に共に寄り添っていく活動を続けていきたいと思います。
災害支援・対策セクション
枡田 眞弓
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皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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