活動レポート

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要介護濃厚接触者隔離施設(沖縄):一人一人の想いが形となって

up 2021.12.27

ジャパンハート東京事務局インターン 井上潮音と申します。

11月に全国初の「新型コロナウイルス感染症対策濃厚接触者隔離施設」が、沖縄県へ設置されました。
設置にあたり、初めての出張として沖縄県へ行き、3日間多くの経験をさせていただきました。
ジャパンハートの Mission である「医療の届かないところへ医療を届ける。」を体現し、現場で一丸となってプロジェクトへ取り組む関係者の様子、そしてジャパンハートの活動を通じて感じたことついて、知っていただけますと幸いです。

昨年から発生している新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、ジャパンハート 国際緊急救援 (iER) では、往診・クラスター支援・コロナ対応機関支援など様々な活動を実施しておりました。しかし活動の中で、特に「要介護濃厚接触者の隔離」に対し行政の積極的な対応が難しいケースが散見され、問題となっていました。

そこでこの度、11月16日の受け入れ開始に向け、11月10日に沖縄に出張することとなりました。
私が行ったことは、広報インターンとして「準備過程や記者会見を撮影し、SNSへ投稿すること」です。窓や廊下を一から雑巾がけいたしましたが、作業しながらも職員を撮影、記録しておりました。そして記者会見当日には、SNSにて予告投稿を実施し、その後記者・テレビ局の方と一緒に撮影いたしました。写真はジャパンハートの広報として使用することもあり、出張前に東京の広報担当者からコツを教わってから、現地に入りました。


(到着当初の施設内部)

このような活動を通じ、感じたことが2点あります。
1点目として、ジャパンハートは物件契約・物資調達・活動する人材集め・会見の記者集め・周辺病院との連携交渉など、プロジェクトを0から自身で立ち上げる組織である、ということです。
例えば、今回私が取り組んだことの一つに、物資の調達があります。観光ではほとんど訪れないであろう沖縄のホームセンターへ出向き、「パルスオキシメーターありますか?」など、自身が使ったことがなかった用語を用いて店員の方へ質問したことを覚えています。もちろん、これまで多くの支援を行ってきた職員の指示に基づき行うのですが、必要な物資を把握・購入・運搬する経験を通じ、施設を立ち上げる工程を学ぶことができました。「0から1を作る」中、計画・実行の仕事の多さに驚きつつも、コロナ禍であっても経験豊富なジャパンハートの職員、関係者の役割分担は整然としていて、作業も冷静に着々と進んでいきました。
また設置会見当日、ジャパンハート側はファウンダー/最高顧問の吉岡秀人が出席したほか、沖縄県庁や沖縄県・宜野湾市の議員の皆さま、周辺医療機関の先生方、DMAT、メディアなど様々な方が来てくださり、多くの質問が寄せられました。ジャパンハートの職員が会見中、次々に答えていく姿が印象的でした。


(会見当日の様子:沖縄県庁の皆さまや医療機関の先生方などご出席いただき、また地元メディアや通信社の方が取材に来てくださいました)

2点目は、「医療の届かないところに医療を届ける。」Missionに対する、ジャパンハートの本気の取り組み。ジャパンハートの職員は、今回の会見前夜に掃除やアジェンダ作りなど、深夜まで準備を続けました。肉体的・精神的にギリギリの状態が続いたにもかかわらず、会見当日、そしてこのチームは現在も沖縄で活動を継続しています。どんなに大変なプロジェクトでも課題へ向き合い、強い思いで前進していく。ただただ尊敬するばかりです。

コロナ支援の最前線で活動される方は、非常にハードな取り組みをされています。インターンという外の視点から気になったのは、働かれる方々のコンディションです。昨今の新型コロナウイルス感染症拡大により、医療従事者不足による「医療崩壊」という言葉が話題に上がる中、ジャパンハートの職員は趣味へ取り組むなど、上手にオンオフの切り替えをしています。今後同様の災害が発生し、自身が支援者となった際、「最前線で活動される方を守る、もしくは自己防衛できる」ために、このような視点に基づきプロジェクトを準備できるような人間になりたいと考えました。

今回の出張を通じ、いかに現場目線で一歩ずつプロジェクトが進んでいるのか、そして関係者がいかに強い想いを持っているか、知ることができました。
恥ずかしながら本プロジェクトで初めて知ったことですが、濃厚接触者、とりわけ要介護者の濃厚接触者に対する隔離について、行政支援はないそうです。届きにくい声を救い上げ、丁寧に対応していく、また現場に拠点を設けて中長期的に現地の方へ支援していくプロジェクトは、「医療の届かないところに医療を届ける」ジャパンハートらしい活動だと感じました。
このような機会をいただき、関わった全ての皆様へ御礼申し上げます。

ジャパンハート東京事務局インターン 井上潮音

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