活動レポート

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【令和6年能登半島地震】『寄り添い つないでいくこと』

up 2024.02.01

能登町立松波中学校で避難所活動に参加させていただきました。看護師の西村です。

はじめての災害支援活動で不安も多くありました。

「自分は行けないけれど思いを託すね。」そのような言葉を周りからいただき、自分ができることをしようという思いで現場に入りました。

被災地に入ったのは発災から13日目で、当初はまだ100名以上の避難者がいました。

避難所内の様子は落ち着きつつありましたが、新たに見えてくるニーズに対し、病院とは異なる環境で医療支援や生活支援の在り方を模索し連携を図りました。

間もなくしすべての方に段ボールベッドの導入がされ、区画整理を改めて行いました。

断水や寒さが続く中ではありますが、ベッドから起き上がる時間が増える、自身で区画周囲の掃除を行い、ストーブ前に集まり談笑する、少しずつですが日常生活を取り戻すそんな経過も見させていただきました。

何ができるのか

忘れられないやり取りがあります。区画整理をしていた時のことです。
そわそわと落ち着きがなくなり始めた方がいました。
そばに行き、声をかけると「ここにいていいの?置いていかれない?」と、不安そうに私をみる顔はこわばっていました。周りの皆が動いているのは段ボールベッドを作るためであること、置いていかないことを伝えると「よかった。」と涙を流されました。その時の不安から安堵に変わる表情、握った手から伝わる震えを鮮明に覚えています。

避難所生活が始まってから眠れていない方や、「今まではできていたのに、どうしていいかわからなくなった。」と話す方もおり、専門とする支援団体へ連携を図ることもありました。

慣れない環境での心の傷やストレスは計り知れません。変化していくタイミングであるからこそ孤立しないように一人ひとりの心の状態を汲み取り、寄り添う気持ちが大事だと感じました。

避難所での生活が落ち着いてきた頃、避難者や被災者の方と少しゆっくりとお話しができるようになってきました。写真を見せながら「家の中もめちゃくちゃになってしまって帰れん。近所の家も潰れた。」と涙を浮かべ話してくださる方もいました。
最初はどのように声をかけたらよいものか、と悩みましたが「聞いてくれてありがとう。」「あんたたちが来てくれてよかった。」皆さんそう伝えてくださるのです。些細なことであれ、会話の前後では表情の変化も見られます。
無理に此方から踏み込み聞き出す必要はなく、話したい時に思いを表出できる相手になる。つらいことだけではなく、他愛もない会話や小さなことでも嬉しさの共有ができる相手でありたい、それも心の支えとなる、そう思えるようになりました。

支援者支援を考える

現場ではたくさんの支援団体が活動をしていました。ジャパンハートも常に他の支援団体の皆様と連携を図って活動しています。活動を終えて離れる支援者もいらっしゃる中で、私たちジャパンハートは避難所内に長く滞在をしています。だからこそ変化する状況をスムーズに把握し、適切な場所や人に情報共有し支援をつなげていくができると考えています。そして何より長く一緒に生活をしているからこそ避難者の皆さんの気持ちに寄り添えると思っております。

避難所では高齢者が多い中、互いに声をかけ支え合う姿もありました。何より避難所を支える支援者の思いと行動力を強く感じました。発災直後から常に地域と向き合い、自身も被災していながらも避難所を支えてくれている支援者の方々も被災者であることを忘れてはなりません。そしてこれからも生活は続いていきます。

日々の変化や対話の中から現在のニーズを汲み取ること、限りある環境の中でどう支援するか、少しでも負担を減らし安心して過ごしてもらうためにはどうしたらいいか、皆様と協力しともに考えていけたらと思います。

最後に、私は災害スキームとし病院勤務をしております。今回活動に参加し学ぶ機会をいただいたこと、並びに支援をしてくださった皆様に感謝申し上げます。

またこの活動を通し災害支援を考えている誰かの一歩踏み出すきっかけになれたらと思います。

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ジャパンハートの国際緊急救援(iER)

ジャパンハートの国際緊急救援iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施

今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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