はじめに この道を歩むことになったきっかけ
私がジャパンハートのインターンシップに参加したきっかけは、医療の現場で子どもたちや患者さんの力になりたいという強い思いからでした。
これまでのボランティア活動では医療現場を直接見る機会がなく、このインターンシップこそが、その願いを叶える貴重な機会になると考えていました。
この6ヶ月間、多くの方々に支えられながら、かけがえのない学びを得ることができました。
心から感謝するとともに、特にお世話になった方々への感謝の気持ちをここでお伝えしたいと思います。
夢への後押しをしてくれた家族
現在マレーシアの大学に通う私は、これまでずっと家族に心配をかけ続けてきました。
今回のカンボジア行きも、心配を押し切っての決断でしたが、それでも家族は私を見守り、行動を後押ししてくれました。
特に祖父が「世の中のために頑張っているお前を誇りに思う」と言ってくれた時、自分の道を貫こうと強く心に誓うことができました。
家族には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最高の先輩、社会人としての基礎を教えてくれた明日香さん
これまでの私は「やりたい」と思ったら即行動するタイプでした。
しかし病院という環境では、医療者やスタッフ、病院全体の許可を取らなければならず、思うように動けないもどかしさを感じていました。
そんな中でも私の個性を認め、強みをどう活かすかを一緒に模索してくださったのが明日香さんです。
「自分一人の場合は突っ走っても良い。しかし誰かを巻き込む時は、一歩立ち止まって考える時間を持つこと」――その大切さを日々の活動を通して教えていただきました。
明日香さんは自分の仕事に誠心誠意取り組み、常に明るく振る舞う姿で、日本人スタッフだけでなくカンボジア人スタッフからも信頼されていました。
本当にコミュニケーション能力が高く、どんなことにも決して手を抜かない姿勢に、私はいつも憧れていました。
「あなたの行動力や明るさ、想いをしっかり伝えられるところが素晴らしい。それを発揮しながら周りに協力を仰いで進めば、きっと応えてくれる」と言ってくださったこと。
さらに、私が最初から抱いていた「子どもたちにとって安心できる存在になりたい」という目標に対して、「それはどんな形であってもきっと叶えられているはず」と言葉をかけてくださった時は、本当に嬉しかったです。
明日香さんは最高の先輩であり、先生であり、そして尊敬する人です。
次にお会いする時は、必ずもっと成長した姿をお見せしたい――そう強く思える存在です。
一緒に過ごす中で人間性を高めてくれた仲間たち
活動を共にしたインターン生の二人は、私が自分らしくいられるよう、いつも支えてくれました。
時間を間違えたり、凡ミスをしそうになった時には、優しく引き留めて考える時間をくれました。
そして、私が突っ走ってしまう時も、責めることなく一緒に考えてくれました。
考え方も行動の仕方も全く違う三人だったからこそ、お互いの強みや弱みを認め合い、補い合いながら価値ある時間を過ごせたのだと思います。
二人にはこれから先、それぞれの強みを存分に発揮しながら、自分の道をまっすぐに歩んでいってほしいと、心から願っています。
子どもたちー 本気になれるものを気づかせてくれた、宝物のような存在
病院内では毎日、子どもたちの泣き声が響いていました。
つらい治療や切断手術を受け、普通とは違う現実に直面する子どもたち。まだ成長発達の途中にある彼らにとって、それがどれほど過酷なことかと胸が痛みました。
それでも、そんな治療の中で前向きに笑顔を見せてくれる姿がありました。
病気は大変だけれど、それを分かち合える仲間や大人が周りにいること。保護者が付き添うカンボジアの文化も、子どもたちの心の大きな支えになっているのだと感じます。
前任のインターン・畔上くんが「日本人で言葉が通じず、よくわからない存在だからこそ、何も話さなくても安心できる存在になれたら一番うれしい」と教えてくれました。私もその言葉に深く共感し、自分もそうありたいと強く思いました。
カンボジアを離れた今振り返ると、「子どもたちのために何かしたい」と思って過ごしてきましたが、実際には私の方がいつも元気をもらっていた気がします。
「ナクルーマユー!(まゆ先生)」と駆け寄ってきてくれる姿に、どれほど救われたことでしょう。
この経験があるからこそ、私は心から思います。
──絶対に、子どもたちの夢を応援できる仕事を成し遂げたい、と。
自分の存在意義に気づかせてくださったスタッフの皆さん
院長という重い責任を背負いながらも、心のこもった医療を提供し、異文化の中でも相手をリスペクトする姿勢を貫かれている神白医師。
小児療養体験の新しいプロジェクトに参画させていただいた際、分からないことだらけだった私たちに、どんな時でも耳を傾け、見守ってくださった小鯖さん。
決して弱音を吐かず、強い心を示し続ける抄さん。
そして、奨学金生や私たちインターンの思いや意欲に寄り添ってくださる古郡さん。
日本人スタッフだけでなく、カンボジア人スタッフにも大変お世話になりました。
医療知識のない私に対しても、いつも丁寧に優しく接してくださいました。最初は少しシャイなのかなと思っていましたが、一緒にウドン山に登ったり料理を作ったりする中で、一人一人の個性に触れることができました。そんなスタッフも、仕事となれば常に全力で患者さんに向き合う姿を見せており、私はその姿にいつも圧倒されていました。
仕事や人生に誇りを持ち、「本気で誰かのために」という思いを胸に活動する団体。
まだ人生経験の浅い私の話にも、皆さんが真剣に耳を傾けてくださいました。
どこまで相手を思い、受け入れ、リスペクトできるか。自分自身をも受け入れ、信念を貫けるか。そのような思いを持つ方々とここで活動できたことを、心より感謝しています。
カフェのオーナー、私にとって心の支えとなったママのような方
病院近くのカフェのオーナーは、病院で働く日本人たちから「ママ」という愛称で呼ばれています。社会人として初めての仕事で心理的につらい時、ママの笑顔にいつも支えられ、自分の居場所を見つけることができました。
ドリンクを注文した際にパンをサービスしてくれたり、私たちの誕生日にはケーキでお祝いしてくれたりと、お店に来る誰に対しても優しいママの姿を見て、尊敬と思いやりを持って生きていきたいと実感しました。
おわりに
たかが6ヶ月、されど6ヶ月。人生で最も鍛えられた時間でした。
どこに行っても、周りの皆さんに支えられていることを忘れず、感謝の気持ちを持って生きていきたいです。
これからは、ここでの出会いと夢を胸に、精一杯歩んでいきます。
本当にありがとうございました。
長期学生インターン 小野澤真由
▼ カンボジアプロジェクトの詳細はこちらから
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