活動レポート

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今なにができるか。

up 2020.04.14

こんにちは。日本の新型コロナウイルス感染症の状況には、カンボジアからニュースをみて胸が締め付けられる思いです。
カンボジアでもそのコロナウイルスの波は来ていて、国内の緊張感も高まっています。カンボジアでは4月にお正月があるのですが、その国民的な祝日も、政府の判断で普通の平日に変わってしまいました。大胆な決断ですが、お正月の人の大移動を防ぐことができます。

コロナウイルスが流行しようとも、カンボジアのジャパンハートこども医療センターには治療を求めて患者さんが来てくれています。外に出るのを恐れて、外来患者数は減っていますが、こういう時でも本当に治療が必要な人は受診しにきていると思います。例えば、範囲の広いやけどで大泣きしながらやってきた子ども。おなかを押さえながらやってきた虫垂炎の患者。感染して顔を大きく腫らした患者。がんの患者。妊婦さんや赤ちゃん。

今なにができるか コロナについて カンボジア ボランティア 看護師

ジャパンハートの活動は日本からのボランティアさんによって成り立っています。
今、コロナウイルスの影響により、すべてのボランティアさん、そして最高顧問の吉岡医師も渡航ができなくなり、ミャンマー、ラオス、カンボジアの海外活動地3か国で大きな手術ができない状況にあります。

ここでできる限界を突きつけられます。

医療者としては悔しい気持ちになります。
しかし、私たち医療者なんかより何万倍もつらいのは、そしてその限界を一番突きつけられるのは患者さんであることには変わりません。
患者さんの中にはお金が本当になく、最後の砦として無償で医療を提供しているここに来る患者さんが多くいます。

「今月末、日本から専門の先生が来るから手術しましょう」
なんて当たり前に言っていたこの言葉が今、言えません。

お金がある患者さんは、ほかの病院にいけるからまだいいです。
お金のない患者さんは、このことで命を落とすことにもなりかねません。
日本のような国民皆保険もありません。

今なにができるか コロナについて カンボジア ボランティア 看護師

数日前
「ここで死んでもいいから助けてください」
そういってやってきた患者さん、かなり手遅れの状態でした。

私たちは、カンボジアにいる日本人医療者として、もう一度頭をリセットしてここでできる限界を決めつけず、こんな時だからこそ挑戦していかなくてはいけない。あの患者さんの、あの家族の助けてくださいの言葉に強く背中を押されます。

1日でも早くコロナウイルスが終息して、また多くのボランティアの皆さまに安全に現場に入っていただき、ご協力いただけることを願っています。

そしてなにより、皆さまのご健康を心より願っています。

今なにができるか コロナについて カンボジア ボランティア 看護師

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