活動レポート

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暗夜を憂うることなかれ – Dream Trainキャリア教育顛末記
up 2021.07.06

4月から5月は、ミャンマーでは夏休み期間に当たります。本来であれば、遠足や職場体験学習などのイベントで彩られる時期ですが、新型コロナウイルスや情勢不安の影響で外出は難しく、どれも実施が叶いませんでした。
 学校では得難い大切な経験をするこの時期を空白にしたくない。その思いから、夏の特別企画として、14-16歳を対象としたキャリア教育を行いました。

「将来、稼げる大人になるには」と銘打ち、講義とブレインストーミング、ディベートとプレゼンテーションを盛り込んだ、6回完結のアクティブラーニングです。 iPadやYouTube、授業用アプリをフル活用し、参加者全員の脳を高速回転させ続け、自らの将来をしっかりと考えてもらう。そんな機会を作りました。

暗夜を憂うることなかれ - Dream Trainキャリア教育顛末記暗夜を憂うることなかれ - Dream Trainキャリア教育顛末記

みんなはこの先、どう生きていくのか

最初は授業から始まりました。

 VUCA(Volatility :不安定、Uncertainty :不確実、Complexity :複雑、Ambiguity :曖昧)という時代の実相、AIやDXの勃興、それを受けて変容し続ける労働実態、要求されるスキルの変化を説明し、その中で都度「正解なき難問」をぶつけていきます。

自動運転技術やオンライン予備校、ゲートを通過するだけで自動的に会計が済む店など、映画でしか見たことのない世界が現実になってきている今、どんな職業が消え、新たに生まれるのか。その中で「人間」労働者が果たすべき役割は何か。目まぐるしい未来感覚を、あなたはどう受け止め、そして生きていくのか…。誰に聞いても明快な答えなど得られようもない問を、次々と投げかけていきました。

教える側は常に答えを知っていて、それを素早く正確に言い当てられるか。それこそが知性であると教育されてきた子どもたちにとって、このような問いかけは、急速に進んでいくテクノロジーの社会実装以上に衝撃的なものに感じられたようです。

拠って立つ前提が転換し続け、唯一の最適解はどこにも存在しない。誰にも分からない。それが現実であり、大切なことは、常に学び、自己をアップデートし続けること。その必要性と意義に気づいてほしいという願いを込めて話しました。

「みんななら、できる!」

後半のメインはグループワークです。与えられたテーマについて各グループでブレインストーミングを経て、その内容をプレゼンし、ディベートにつなげていきます。

「あなたが校長先生だったら、制服と私服のどちらを導入するか」
「一流大学のオンライン講義を無料で受けることができる今、大学に通う意味はあるか」

人生で初めて経験するブレインストーミングやディベートに、戸惑ったり、頭を抱える子どもたち。その姿に、成長の兆しが見えました。

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この取り組みを通して知ってほしかったのは、「複眼思考」です。
 どんなものにも、必ずメリットとデメリットがある。好悪の判断や意思決定の前に、両方を具に検証する。あるいは、違った意見や価値観を持つ人の内在的論理を知る。多様化が進んでいくこの世界でその思考習慣を持つことは、将来の職場ではもちろん、人生の様々な場で必要とされるはずです。

「みんななら、できる!」
回の終わりは、いつもこの言葉で締めくくりました。

暗夜を憂うることなかれ - Dream Trainキャリア教育顛末記

ミャンマーは今、未曾有の混乱の渦中にあります。国中に多くの諦念や悲嘆があふれ、「未来は明るい」などと、軽々しく口にできる状況でないでしょう。
 しかし、この子たちには、自らの人生を諦めてほしくありません。世の中がどう揺れ動こうと、彼ら彼女には、それぞれの幸福を志向し、それに向かって誠実に努力できる人間であってほしいと願っています。そして、この子たちにはそれができるはず。私たちは、そう信じています。

(ある受講生の感想)
この授業を受けることで、とても力がつきました。私の人生にとって非常にためになりました。
 私がこの授業に出始めたとき、楽しさや興味はありませんでした。後半になると、自分の人生のためになることが分かりました。このような授業があって、とても嬉しく思います。とても頼もしく思います。
 この授業に出たことで、私たちはたくさんの恩恵を得ることができました。知力や知識、考えが大きく広がりました。力もつけることができました。続く未来のための助けになりました。このような授業を準備してくださって、ありがとうございました。もう一度機会があれば、素晴らしい授業に出たいと思います。

 「一灯を提げて暗夜をゆく。暗夜を憂うることなかれ。ただ一灯を頼め」

優れた先達が遺した言葉を噛み締めながら、この機会が、これから暗夜に踏み出す子どもたちの行き先を照らす、頼みの一灯となることを願うばかりです。

子どもたちの日々の様子をアップしています。ぜひご覧ください!

Dream Trainインスタグラム
https://www.instagram.com/dreamtrain_yangon/?hl=ja

Dream Train You-Tubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=PCVE0fBt5Ew&t=9s

▼プロジェクトの詳細はこちらから
Dream Train 子どもたちの夢や未来を育む養育施設

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