活動レポート

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夢について考えた1週間

up 2023.12.07

皆さんこんにちは。カンボジアで学生インターンとして活動している髙橋です。
私がカンボジアに来て9カ月が経ち、活動期間も残り2カ月ほどになりました。
帰国の日が近づくなかで、私にはどうしても行きたい場所がありました。
それはジャパンハートがミャンマーで運営する養育施設「Dream Train(ドリームトレイン)」です。

これまでカンボジアでは小児がんと闘う子どもたち向けにイベントの企画などをしてきましたが、心のどこかで「ドリームトレインで生活している子どもたちにもワクワクを届けたい」という思いを持ち続けてきました。
そして今回、交渉の末にドリームトレインに行ってきましたので、今回はそんな1週間の滞在の様子をお伝えします。
(髙橋明日香 カンボジア長期学生インターン)

個性溢れるアート教室

待ちに待った「ドリームトレイン」訪問。
ジャパンハートがミャンマーの最大都市・ヤンゴンで運営する養育施設で、親の虐待や貧困などさまざまな事情を抱える100人以上の子どもたちが共同生活を送っています。

今回のドリームトレイン滞在中、私は3つの企画を実施しました。

(1)アート教室
(2)オンライン水族館
(3)夏祭り

それぞれカンボジアで小児がん病棟の子どもたち向けに行ったことがある企画です。
その際にご協力いただいた企業や団体の皆さまが今回もサポートしてくださいました。

まず最初に開いたのは「アート教室」。
カンボジアで活動する「Social Compass」というアートクリエイターグループの皆さまのご協力で実現しました。

テーマは、【〇や□といった形を組み合わせて、オリジナルのキャラクターを作る】。

はじめに見本として、〇や□の形だけでミッキーマウスやミニオンといったキャラクターが描かれていく様子をスクリーンで上映しました。
シンプルな形を組み合わせるだけで魅力的なキャラクターが出来上がっていく様子に子どもたちも大興奮。
実際にキャラクターづくりに取りかかりました。

はじめは少し戸惑っていた子どもたちですが、自分の好きな動物や食べ物など、次第に思い思いのアイディアが出てきます。
画用紙にペンで下書きし、色を付けると、色とりどりで個性豊かなキャラクターたちが完成しました。

そして、今回は自分で作ったキャラクターにストーリーも付けてもらいました。
名前や住んでいる場所、どんな性格なのかなど・・・。最後にそれぞれ発表してもらったのですが、子どもたちの想像力の豊かなこと。
互いの発表を聞くのも嬉しそうで、アート教室は大盛況のうちに終わりました。

初めて見るジンベエザメに大興奮

次に開いたのは、「オンライン水族館」です。
沖縄・美ら海水族館様のご協力をいただき、海の生き物に関する遠隔授業として実現しました。

海の生き物にあまり馴染みがないミャンマーの子どもたち。
開催をとても楽しみにしてくれていたようで、本番を前にイベント会場の装飾までしてくれました。
海の生き物のイラストを描いて壁に貼ったり、海をイメージして青色のスズランテープをスクリーンのまわりに飾り付けたり。

まるで海の中にいるような気分でイベント当日を迎えました。

今回の遠隔授業のテーマは「ジンベエザメ」。
美ら海水族館とドリームトレインをオンライン会議でつなぎ、映像をスクリーンに映しながら授業を進めました。
授業開始後、さっそくスクリーンに大きなジンベエザメの姿が映し出されると子どもたちからは大歓声が沸き起こっていました。

さらに授業では、水族館のスタッフの皆さんがジンベエザメに関するクイズも出してくださいました。

「ジンベエザメはどうやって眠る?」
「人を襲うことはない?」

子どもたちからは質問も相次ぎ、ジンベエザメは眠らないと説明を受けると、またまた驚きの声が上がっていました。1時間の遠隔授業は大盛り上がり。
この授業がきっかけとなり、子どもたちが海の生き物たちにより一層興味を持ってもらえたなら嬉しいです。

夏祭りがやってきた!

そして、締めくくりイベントとして行ったのは「夏祭り」です。
カンボジアの病院にも浴衣などをご寄付くださった株式会社LIFULL様ご協力で実施しました。

夏祭りということで、早速取りかかったのは「出店づくり」。
買い出しや設営なども子どもたちに手伝ってもらい、ドリームトレインの中に射的、くじ引き、駄菓子屋、そして浴衣の着付けの4つのブースを設けました。

なかでも盛り上がったのは、くじ引きブースです。
ちょっとした景品を用意したこともあり、みんな真剣。当たりが出るたびに大盛り上がりで、歓声や拍手が起こっていました。

射的のブースでも特に男の子たちが真剣に的と向き合っていました。
割りばしで作った銃を使ったのですが、よっぽど気に入ったらしくお祭りが終わっても遊んでいる子どももいました。

浴衣の着付けブースでは、初めて着る浴衣に四苦八苦。
それでも子どもたちは浴衣が着られてとても嬉しかったようで、着付けが終わるとあちこちで記念撮影の輪が出来ていました。

また、イベントはLIFULL様とオンラインでつなぎながら実施していて、終盤には交流会も行いました。
日本に関するクイズ大会は大盛り上がりで、最後に子どもたちからお礼としてKiroroの「未来へ」の合唱を届けました。
日本語での歌声はとても感動的で、こちらも大満足のうちに終わりました。

子どもたちの夢や未来を育む場所

今回のドリームトレイン滞在中は、ほかにも子どもたちとおにぎりを作ったり、日本語教室を行ったりと盛りだくさんの1週間になりました。

ドリームトレインで活動する中で印象的だったのは、子どもたちの笑顔です。
それぞれが様々なバックグラウンドを抱える子どもたちですが、ドリームトレインでの生活では今回のイベントのように新しい経験をする機会が数多くあり、子どもたちも「自分が好きなこと」「得意なこと」を見つけられているようでした。

絵を描くことが大好きな子やサッカーが大好きな子、そしてピアノが大好きな子。
子どもたちがそれぞれに大好きなことを本当に楽しそうに笑顔で取り組んでいた姿がとても印象に残っています。

ドリームトレインのような養育施設がスタンダードになったらいい。
ここに来る子どもたちは周りよりも何倍も辛い思いをしてきている。
辛い思いをしてきた分、周りより何倍も幸せになる権利がある。

これはジャパンハートのドリームトレイン担当・那須田さんとの話のなかで、印象に残った言葉です。
私は将来、子どもたちが平等に教育を受けられる環境づくりに携わりたいと考えています。
そのために孤児院や養育施設で暮らす子どもたちも教育を十分に受けられる環境であってほしいと願っています。
だからこそ、今回のドリームトレインでの1週間は私にとってとても大きく、自分の将来を考える上でもとても良い機会になりました。

養育施設だからといって、妥協することはない。可能性で溢れる子どもたちから夢や未来を志すきっかけを奪ってはいけない。
そう思うと同時に、私も将来、子どもたちの夢を育むきっかけの一端を担えるような存在でありたいと強く思いました。

短い期間ではありましたが、ここでの1週間はとても充実していて、またひとつ大きな経験を得ることができました。
今回ミャンマーに渡航するにあたりサポートをしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

ドリームトレインで生活する子どもたちに、これから先たくさんの幸せが訪れることを心の底から願っています。


高橋 明日香(学生インターン)

2月から広報業務に携わらせていただいている、学生インターンの髙橋です。応援してくださる皆様の想いとカンボジアにいる患者さんとを、広報を通じて繋げられるよう精一杯頑張ります。よろしくお願い致します。


子どもたちの日々の様子をアップしています。ぜひご覧ください!

Dream Trainインスタグラム
https://www.instagram.com/dreamtrain_yangon/?hl=ja

Dream Train You-Tubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=PCVE0fBt5Ew&t=9s

▼プロジェクトの詳細はこちらから
Dream Train 子どもたちの夢や未来を育む養育施設

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