活動レポート

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Dream Train合唱団から愛を込めて。

up 2019.12.13

Dream Train合唱団が、12月6日International School of Myanmar様のクリスマスコンサートに、7日には、 Do-Re-Mi Family Club様 主催のInternational Children music festivalに出場させて頂きました。
この半年間、子どもたちの傍で過ごし感じたことを今日はお話をさせて頂きます。

「どんなステージにしよう」始まりは6月のミーティング

「どんな会場の雰囲気でどんな人が聴いているかをイメージして曲選びをしたい。」
そう子どもたちへ伝えると”色んな国の人がいるだろうから、できるだけ多くの人に理解してもらえるように”と英語の歌を選択しました。
もともと英語のポップスに憧れを抱いていた子どもたち。
数曲の候補から最終的に選んだのは、バラード調の”Beautiful in white”。
子どもたちにとって家族のように大切な施設のスタッフが結婚するため、日頃の感謝を込めて贈りたいという思いがあったようです。

伴奏を子どもも挑戦するのはどうかな?
ギターを一緒に弾いてみるのはどうだろう?
ハモリを体験してみる?
気持ちよくメロディラインを歌うのがいい!
などアイデアを出し合って、コンサートへのイメージを膨らましていきました。

Dream Train合唱団から愛を込めて。

それぞれの物語に触れながら音楽を作る過程

そうして始まった練習ですが、完成まで道のりは簡単ではありませんでした。

●ドリームトレイン初となる伴奏者登場!
ピアノ伴奏に挑戦したのは、4年生の女の子でした。
楽譜を読む経験がないので、指の場所を見て、聴いたリズムをすべて丸暗記する練習。
身体が小柄な彼女は、指を広げるのも一杯一杯の様子で、毎日少しづつ少しづつ1か月で楽譜をすべて覚えました。
しかし、一通り覚えてもピアニストの役割は、いかなるときでも止まらないこと。
8月中旬、初めて行った歌との合同練習では、間違えた後にどこから始めたらいいのか分からず混乱した様子で、「やめる。やりたくない。」と涙を流す姿もありました。
それでも次の日には「次いつ練習する?」と練習を続けました。
朝の誰の目にも触れない時間をねらってこっそり練習していたことも知っています。
彼女の努力や心の強さに、心を打たれた子どもたちも多かったのではなかったでしょうか。

Dream Train合唱団から愛を込めて。

●心がばらばらに感じる日々
今回参加した25名中6名が男の子。男女の対立なのか「ちがうじゃん」と女の子に指摘されて口喧嘩をする様子はしばしば。
隅のほうへ行ったり、絵本を読み始めたり、途中で帰ってしまったり、少人数はどこか肩身が狭い…。
練習しない子が出てくると、引きずられるように練習しない女の子も出てきました。
ばらばら状態になったとき、声を上げたのは、メンバー最年長の女の子でした。そのままじゃだめ、話し合いたいと。

9月、お互いに思っていることを伝え合う時間をつくりました。歌詞の意味をお互いに確認しました。
そして、わたしからは最後まで駆け抜けられる子は残ってほしいことを伝えると、今日までのメンバーが自分で続ける意思を決めました。

Dream Train合唱団から愛を込めて。

●新曲「Let your Voice be heart」への挑戦
10月、International School of Myanmar 様より、新曲の提案がありました。
”Let your Voice be heart”はという、3部のコーラスからなる曲です。
アルトパートと呼ばれる部分をDream Trainは担当となったのですが、メロディラインしか歌ったことがない子どもたちは、音程をとるのが難しく、「お経みたい。楽しくない。」と初回の練習は逃げるように終了。
里親で音楽家である島田様に相談したところ、リコーダーを使用して音程を覚えることを提案くださいました。
音程をとる難しさを感じながらも、楽器を通して覚える、そして、相手の声に耳を傾けながら協調する意識をすると、つまらなかった練習が心地よさに変わり、今ではすっかりこの歌の虜になっています。
練習の後に残って歌おう!と声をかけてくれるまでになりました。
「あなたはソプラノね。」「じゃあアルト!」なんて、子どもたち同士で役割をきめて1時間以上歌う日もありました。

Dream Train合唱団から愛を込めて。

DreamTrainの子どもたちにとっての音楽とは

本番のステージは、本当にいい声が出ていました。
言葉に思いを乗せていたのでしょうか、自然と身体を揺らして歌う子もいました。
ピアノもノーミス!終わった後の満ち足りた笑顔をみてとても満たされる気持ちになりました。
大切なこの瞬間に立ち会え、子どもたちの変化を目の当たりにして、思わず音楽の持つ意味を考えます。

日本にいるときには、音楽はとても身近なものでした。しかし、情操教育のないこの国では、馴染みがありません。
共に協調すること、全身で喜びや感情を表現すること、その生き生きとした姿や表情 。歌の持つ力と子どもたちの可能性を感じずにはいられません。
ここまで、ひとつの音楽をつくりあげた子どもたちを誇りに思います。

見守る、できるかもしれないを応援する

これは合唱の練習の際に教えて頂いた言葉です。
これからもこの言葉を胸に、音楽をともに感じる伝える時間をつくっていきたいと思っています。

長期看護ボランティア 泉 好美

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