本活動レポートは、Japan Heartのプロジェクトのひとつ RITOU(離島・へき地)、IRYO(医療)、KANGOSHI(看護師)支援サイト「RIKAjob」よりお届けします。RIKAjob サイトはこちら
島根県にある隠岐島前病院は3つの島(島前地区)の中核的医療機関として役割を果たしている病院であり、3島で唯一の有床病院です。
この3つの島の住民を支えるべく、多くの職種が1人1人と向き合い、情報を共有し、最期まで個人、そして家族と繋がりをもちながら医療提供をしています。
そんな隠岐の魅力を体験談を通してお伝えします。
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私はRIKAjobというシステムを使って島前病院に来ています。
入職時には丁寧に1週間かけてオリエンテーションをしていただきました。
病棟だけでなく、外来やリハビリ・訪問看護含め、島前病院が担っている医療を全体的に見せていただき、様々な職種の方とも関わる事ができます。
院長や看護部長からのお話もあり、隠岐島の中で島前病院がどんな役割を持っているのか頭で理解することができました。
入職2日間は外来を見学し訪問看護に同行させてもらいました。
その後外来見学をし、担当者会議にも参加しました。
患者さんに対し、院内のスタッフ・患者さんのケアマネジャーや外部の訪問看護を交えて話すものと認識していました。
しかし、島前病院では、院長・医師・看護部長・外来看護師・病棟看護師・薬剤師・MSW・リハビリスタッフ・社協ケアマネジャー・各施設スタッフ・診療所の看護師・福祉用具業者が参加し、みんなで島内におられる、ちょっと気になる患者さん(入院しているいないに関わらず)について連絡や報告、相談をされていました。
これだけのメンバーが月に1回オンライン上で情報交換をされており、島内に住む方々をしっかりと支えているんだなと感じました。
会議の中で印象に残ったのは、【主介護者が入院されるので、その間はレスパイト入院しかないか…】という相談についてです。
私は介護者がいないならレスパイトか施設へショートステイなど在宅以外の方法しかないだろう…と思っていました。
しかし、過去の入院でせん妄を起こしてしまった経緯を含め院長から
「本人はどうしたいのかな?入院が強いストレスになるなら何とか地域で支えて在宅生活を続けられないかな?」
と言うことでした。
「本人はどうしたいか」
という言葉を聞いて、今までの自分は「本人がどうしたいか」を考えられていただろうか?
できないと決めつけて総合的に見ていいと思う方法をとっていただけなのではないか?
院長の言葉に、ハッとしました。
そこからは、患者さんと関わりのある方々から入院はやはり大きなストレスになるので避けたい、
本人も望んでいないとの事で、どうにか自宅で過ごせるよう話し合いが進められました。
上記はその一例ですが、病棟勤務が始まってからも度々
「本人はどうしたいかな?何がこの人にとって幸せなんだろう?」と話すことがあります。
そこには病棟看護師も外来看護師も関係なく患者さんにとっての<より良い>を模索する姿があります。
そんな時、この病院に来てよかったなと思います。
本土に比べると、訪問看護や訪問介護が充実しているわけではありません。
だけど、今あるものの中で患者さんの最善を考える。
まだまだ学ぶことがあることを痛感させられます。
今まで見ているつもりで見れていなかった患者さんの想いへの向き合い方をしっかり学んでいきたいと思います。
看護師H
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ジャパンハートでは、医療の届きにくい地域に看護師を派遣し、地域と共に歩む医療支援を続けています。
今後も、ひとりでも多くの看護師が安心して現場に向かえるよう、ぜひ応援をお願いいたします。
▼プロジェクトの詳細はこちらから
RITOU(離島・へき地)、IRYO(医療)、KANGOSHI(看護師)支援サイト
離島医療といえば沖縄を思い浮かべるかもしれませんが、日本には奄美や長崎などにもたくさんの離島があります。あなたの人生のほんのひと時、へき地離島で働くことが「支援」になる。それがRIKAjobの提案です。