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認定NPO法人ジャパンハートのカンボジア人奨学生から、初の医師誕生

up 2019.01.18

ジャパンハートでは、成績優秀でありながら家庭の経済状況が原因で進学できない医師・看護師を目指す学生を支援する奨学制度「夢の架け橋プロジェクト」を実施しています。2018年12月、このプロジェクトの奨学生が8年間の大学医学部を卒業し、今月(2019年1月)医師となり就職しました。同プロジェクトは2010年からスタートしており、医師が誕生するのは初です。今後も適切な教育を受けた奨学生が毎年数人ずつ医師・看護師としてカンボジアの医療界に入り医療者として貢献していきます。

奨学生第一号医師、ネアとの出会い

この度、ジャパンハートが実施している日本人による奨学制度「夢の架け橋プロジェクト」による、初めてのカンボジア人医師が誕生しました。
彼女の名前はSot Neak(ソット・ネア)。

2018年12月、カンボジアinternational Universityの医学部を卒業し、現在はジャパンハート子ども医療センターで医師として患者の診療にあたっています。
我々がネアに出会ったのは8年前。彼女が高校生の時でした。家はカンボジア地方の農村部にあり、両親の職業は農家。ネアは4人兄弟の3番目。
自転車で学校に通い、夜はランプの灯りで勉強していました。彼女の将来の夢は、医師になり貧しい人の為に働くこと。
私たちは奨学制度を作り彼女の夢を応援することにしました。その理由は、カンボジア歴史的背景にありました。

カンボジアを取り巻く歴史的背景

カンボジアは1970年代のポルポト政権下の大虐殺で、たった4年の間に当時の人口800万人のうち300万人もの人が亡くなりました。
殺害の対象となったのは、医師を含めた知識人です。
当時400人余りいた医師のうち生残ったのはたったの40人といわれており、その後1990年代までの内戦により、カンボジアの病院や医療教育の基盤は失われました。
カンボジア政府は医学部の学生をたったの1年で卒業させ、地方に医療者を派遣するという応急政策を取りました。
「自分たちの国の医療こそ信頼できない」
これはカンボジアのほとんどの国民が口にする言葉です。
40年以上経過した今でも病院や医療者への不信感は強く、住民数に対する医療者の数も足りていません。
国民一万人あたりの医師数は2人にも満たず、医師不足は深刻な問題です。(Global Health Observatory data 2014)

ジャパンハート 奨学制度「夢の架け橋プロジェクト」

同プロジェクトでは、貧しい家庭出身の優秀な学生を支援しています。
この事業では、あくまでも奨学金支援だけでなく、日本人から実践を学ぶ場を提供し、
心技共に質の高いカンボジア人医師・看護師を一人でも多く社会に送り出すことを目的としています。
この支援事業は、学校を一校建設するような派手さはありません。
しかし、この地道な支援こそが確実に一人の子どもの命を救い、
ジャパンハートが理念として掲げる「医療の届かないところに医療を届ける」につながっていくと確信しています。

夢の架け橋プロジェクトの詳細はこちら

カンボジア 夢の架け橋プロジェクト ~カンボジア奨学生支援~
https://www.japanheart.org/activity/medical-staff/yume-no-kakehashi.html

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