高橋 茉莉子(たかはし まりこ)

高橋 茉莉子(たかはし まりこ)

副事務局長 / 広報ファンドレイアイング部長 兼 地域医療・国際緊急救援事業部長

趣味 推し活、マイナスイオン浴
経歴
2011年4月より2年間大学を休学し、ジャパンハート設立以来初の非医療者インターンとして東日本大震災支援及びミャンマー事務局統括に従事。復学卒業後は金融機関で投資信託の組成・販売に携わり、社内賞等を個人受賞。取得した知識をジャパンハートで活かすため、2019年8月再就職。


まずは自己紹介をお願いします。

ジャパンハートの副事務局長、広報・ファンドレイジング部、そして、地域医療・国際緊急救援事業部長を担当させていただいています高橋です。私は、学生時代に2年間休学をして、2011年から2012年までジャパンハートの仙台事務所で東日本大震災での支援と、それからミャンマー現地での医療活動のサポートをインターンという形でさせていただいていました。 その後5年強ほど金融機関で勤めさせていただいた後に、2019年の夏にジャパンハートにまた改めて戻ってきて、今のお仕事をさせていただいています。

スタッフインタビュー ジャパンハート高橋

主な仕事内容について教えてください。

ジャパンハートは現在活動費のほとんどを寄付金で賄わせていただいてまして、個人・法人の方々からのご寄付を活用し、現場に届けています。そのご寄付金を集める機能を主に東京事務局の方で担っていまして、それが広報・ファンドレイジング部です。個人向けと法人向け両方の営業ですとか、webマーケティングなどを行って、より多くの方に活動を知っていただき、ご寄付につなげる活動をする部署になります。

もう1つの地域医療・国際緊急救援事業部は、国内外で自然災害や感染症等のパンデミックの有事の際に医療チームをジャパンハートとして被災地、あるいはクラスター施設等に派遣をするといった人的支援だとか、物的支援を行っています。

また、有事だけではなく、平時にどういう体制を作っておくかということが大きく影響しますので、その意味で地域医療においての活動もしています。、平時から日本国内の地域の医療に利するような離島僻地への看護師さんの紹介事業ですとか、そういったものを統括しているような形になります。

学生時代にジャパンハートでのインターンを決断した理由を教えてください。

元々大学3年生が終了したタイミングで1年間の休学をしたのですが、その時にもう少し自分の視野を広げたいなという風に思ったのと、社会学部の出身でしたので、生活とは何か、先進国のモノが豊かにある環境ではなくて、ある意味必要最低限の物で、余分な物がそぎ落とされた状態で生活をしている人たちの暮らしっていうものを見た上で、人間としての原点に帰るような経験ができればなということで、まず休学を決めたというのが経緯になります。

元々はミャンマーに2011年の4月から派遣予定だったのですが、ご存知の通り2011年3月に東日本大震災が発生しましたので、急遽冒頭の2カ月間、東日本大震災のジャパンハートとしての支援に関わらせていただくということで、仙台事務所に滞在をして、今でいうところのロジスティックス業務に携わらせていただいた後に、ミャンマー現地に飛んだという形になっています。

当時のミャンマーは、医療資格を持たないスタッフがほぼでしたので、ヤンゴン事務所には日本人が私1人という状況でした。そのような中で、東京事務局との連携だったり、日本からのボランティアの方の受け入れ業務だったりに携わりました。また、当時ジャパンハートとして外務省のODAの資金をいただいて実施をしていた視覚障がい者の自立支援事業というのがありまして、日本の専門家の方にミャンマーに来ていただいてあん麻マッサージの技術をミャンマーの視覚障がい者の方達に伝え、そして自立を促すというプロジェクトだったのですが、現地での担当者として勤務をしていました。

そのような活動を通して、当初は半年のみの休学の想定だったのですけれども、最終的には2年弱現地に滞在して、日本に戻ってきたという経緯でした。

スタッフインタビュー ジャパンハート高橋

東日本大震災での支援の経験から得たものは何だったのでしょうか?

2011年3月11日に発災をして、私自身は4月の半ばに現場に入ったのですが、被災地を見るというのはもちろん当時初めての経験だった中で、非常に深く心に残るエピソードがありました。避難所に避難をしておられた漁師の方とお話をさせていただいていた時に、「自分たちは海に裏切られた」、「海に裏切られたけれどもまた海に帰りたいんだ」というようなお話をされていました。その時に、私自身は何も言葉を返すことができなかったんですね。当時運転免許も持っていなかったので、本当にできる事が限られている中での2カ月間だったんですけれども、自分の無力感みたいなものも強く感じましたし、一方で、将来同じ言葉をまた聞いた時にどういうアクションができるのかということを考える大きなきっかけになったと思っています。あの時、どのような言葉をかけたら良かったのか分からなかったという気持ちを、今も現場に入る時には大切にして、その答えをずっと探し続けているというところがあるかなと思っています。

大学卒業後、金融機関に入職した理由を教えてください。

ミャンマーでは、医療ライセンスを持っていない状況で、しかも学生という立場で何ができるかということを模索し続けた2年弱だったかなという風に思っているんですけれども、その時にやはり強く感じたのは、どれだけ良い活動をしていても、経済的な継続性が担保できないとその活動自体が継続できないという課題感でした。一方で私は社会学部で、医療政策であったり、町づくりだったりは学んでいたものの、経済のことだったり、商業のことというのはあまり知識が明るくありませんでしたので、そのあたりの知識を身につけたいという思いもあって、金融機関を中心に就職活動させていただいたというのが経緯でした。

金融機関時代にもジャパンハートとのつながりはあったのでしょうか?

前職には2014年から2019年までお世話になっていましたが、その間にもジャパンハートにはインターン経験者としてイベントに呼んでいただいてお話させていただいたりですとか、あるいは、病院をカンボジアに建てる段階でしたので、多少の社会人としての寄付をさせていただいたりというところで関りをもっていました。積極的なボランティア活動というのは、正直、毎日夜まで働いて、土日も仕事しているような状況だったので、あまりできていなかったのですが、ずっとジャパンハートのことは胸の中に自分にもあったので、心にとどめて、折に触れて、みんなどうしてるかなとか、今活動どうなっているかなというのをキャッチアップさせていただいていたという形です。

現在の活動と今後の展望をお聞かせください。

私自身は出身が高知県ということもありまして、近い将来起こるとされている南海トラフで大きな被害を受けるだろうと言われているエリアに自分自身の家族もみんな住んでいるという状況なんですけれども、万一、自分あるいは家族になにかそういう災害等のことが起こった時に、「社会から見捨てられない」、「誰かに手を差し伸べてもらえる」、そんな社会を作りたいという風に思っています。 また、災害というのはイメージしやすいことなのかなと思うんですけれども、それはカンボジア・ミャンマー・ラオスといった東南アジアの子どもたちにしても同じだと思ってますし、私が関わらせていただいた新型コロナウイルスの感染症でクラスターになってしまった施設の職員さんや患者さんに関しても同様だと思います。人が傷つく局面というのは、その事象が起こってしまった時ももちろんそうなのですが、その時に自分が絶望だったり、苦しい状況に陥ったりする中で、誰も助けてくれないという思いが、人を苦しめるんじゃないかなという風にも思っています。そのような思いをする方を私達が支援に入らせていただくことで、1人でも多くの方に「この社会は捨てたもんじゃないな」、「誰かはきっと助けてくれるんだな」という希望を持っていただけるようなそういう活動を国内外で展開して行きたいなという風に思っていますし、その時のために仕組みづくりという意味で様々な活動を国内、あるいは海外で展開していきたいという風に思っています。

スタッフインタビュー ジャパンハート高橋

素敵なお話をありがとうございます。最後に、高橋さんがジャパンハートで働き続ける理由を教えてもらえますか?

ジャパンハートは、「自分自身が生きていたいと思える社会を自分自身の手でつくることができる場所」だという風に思っています。ジャパンハートについて、私が好きなところというか、経営上も大切にしていければいいなという風に思っているところとして、誰かの「チャレンジしたい」とか、社会的課題に対してこうアクションしたいということに対して、じゃあそれってどういう風にすれば叶えられるんだろうということをみんなで一緒に考えられるようになれたらと思っています。それぞれがそれぞれの課題感を抱える中で、日々その社会課題に対してアクションをしているという環境を作れたら良いですよね。私自身も、今は広報のところと、地域医療・国際緊急救援事業というところを担当させていただいている中で、「社会がこうなったらいいな」、「こういう社会に生きていたいな」ということを思い、そこに対してアクションを具体的にさせてもらえる、それに対してNOという人が全くいないというのはすごく恵まれた環境だなという風に思っていますし、団体として適切な、個々人の社会課題に対するアクションに対して、応援してもらえる環境があるっていうのは非常に私にとって仕事をやるやりがいになっています。そういう意味で、生きる上での1つの、自分のあり方を体現する場所なのかなという風に思っています。

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