岸川 真弓(きしかわ まゆみ)

岸川 真弓(きしかわ まゆみ)

SmileSmilePROJECT(以下、SSP)、看護師

出身地
富山県生まれの大阪育ち(偽関西人…!)
入職年
2017年8月(2016年11月~アドバンスドナース※として東京事務局で勤務)
趣味
【鑑賞】①漫才(銀シャリ・ダイアン・かまいたち・見取り図) / ②TV(アメトーク・探偵ナイトスクープ) / ③ラジオ(FM802) / ④音楽(ミスチル・アジカン・サカナクション・しん&ふうか・the carmpark等)
ホットヨガ

経歴
2011年~2015年 大阪市内病院(CCU:Coronary Care Unit)での病棟勤務
2015年 ジャパンハート国際看護長期研修参加(39期)
    国内研修:対馬病院 海外研修:ミャンマー ワッチェ慈善病院
2016年 アドバンスドナースとして東京事務局にて活動開始、その後SSP担当スタッフとして活動中。


※アドバンスドナース…ジャパンハートの国際看護長期研修で一定条件をクリアした修了生が、研修でのキャリアを活かし、ジャパンハートの活動地で社会貢献する制度。

岸川さんの業務内容を教えてください。

SmileSmilePROJECT (以下、SSP)は、「小児がんの子どもと家族の旅行に医療者が付き添う」活動を行っています。
闘病中の子どもやその家族は、気軽に遊園地へ行ったり、旅行に行ったりすることはできません。「家族としての思い出を少しでも多く残してもらいたい」。ジャパンハートのSSPでは、この想いから、子どもとその家族を全力でサポートしています。
私は、SSP担当の吉岡春菜医師(理事長・以下、春菜医師)と共に、子どもやボランティアを含め約50名にもなる大きなイベントを開催したり、各家族からの要請に応じる形で、旅行の付き添いサポートをしたりしています。

SmileSmilePROJECTの運営は春菜医師と二人三脚で進めている

SmileSmilePROJECTの運営は春菜医師と二人三脚で進めている

長時間の外出となる旅行は、色々と準備がありそうですね。

はい。子どもやご家族が安心して旅行ができるように、そして、楽しい時間を過ごしてもらえるように、通常3~6カ月くらい前から準備を始めています。最短では2週間の場合もあります。 例えば、旅行の付き添いの場合、依頼をいただいた後、旅行前にその家族との面談を行うために、病院やご自宅を訪問し必要なサポートの把握を行います。

事前のヒアリングが重要なのですね。

はい。「今行きたいところはどこか?」「本人、家族、兄弟は今のこの状況をどう思っているか?」「旅行に行くにあたっての不安は何か?」といった、家族全員の気持ちを丁寧にヒアリングしていきます。

子どもはもちろん、家族とのコミュニケーションは大切

子どもはもちろん、家族とのコミュニケーションは大切

主治医とも話をするのですか?

もちろん、主治医にはしっかり相談をして、同意を得たうえで初めて旅行が催行されます。旅行先では、どのタイミングで体調チェックするかを計画し、緊急時にどう動くかについても主治医に相談をしておきます。どのような状態になったら病院に行くのか、どこの病院を受診するか。緊急時にどこまでの処置をするかまで話す場合もあります。

ほかにはどういった準備がありますか?

旅行中、一緒にアテンドしてもらえるボランティアさんを探します。子どもの病状によって、どういった人材が必要になるのかを考えながら体制を整えます。ありがたいことに、SSPへの協力者が増えていて、皆さんに呼びかけると誰かが手を挙げてくれるようになりました。 事務的な作業としては、1企画でどのくらいの経費がかかるのか、予算を出します。ほかにも、旅行のしおりやウェルカムボードを作ったりして、子どもや家族の楽みが膨らむような工夫を、できるだけローコストで考えたりするんです。

付き添い中は具体的にどんなことをするのですか?

旅行中は、バイタルサイン(検温、血圧測定等)を行い体調の悪化がないかを観察し続けます。プレゼントのアルバム用に写真をたくさん撮ったり、ご家族の荷物を持ったり、旅行を楽しんでもらう手助けもするんですよ。 夜間は、緊急時にすぐ動けるよう近くの部屋で待機しています。吸引機、バックバルブマスク、血圧計などの作動を確認。ホテル内のどこにAEDがあるかも確認しておきます。空いた時間でアルバムも完成させていきます。

イベントや旅行以外にはどういったことを業務とされるのですか?

SSPや小児がんの啓発活動のためのイベントに参加したり、SNSの更新、関連施設・病院への訪問を行っています。2018年は日本小児がん看護学会でSSPの活動報告を行いました。 SSP以外だと、ジャパンハートの短期ボランティア説明会や、イベント運営を行っています。

岸川さんがジャパンハートに入職した理由を教えてください。

ジャパンハートの国際看護長期研修の後、アドバンスドナースとしてSSPを担当して6カ月した頃に、入職のお話をいただきました。私としても、もう少しSSPを続けて自分の看護や価値観を深めたいと思い、入職を決意しました。

国際協力へ踏み出したきっかけは何ですか?

私の父は海外赴任が多かったので、パスポートは出国、入国のスタンプでいっぱいになっていました。それを見たら羨ましくなっちゃって(笑)、自分もいつか海外に行ってみたいと思い始めたんです。そしてどうせ行くなら仕事に役立つ資格を持って、海外で貢献したいと考えるようになりました。そんなことを考えていたいた時、吉岡秀人医師が出演している『情熱大陸』をテレビで観て、ジャパンハートを知ったんです。

そして医療の道に進んだのですね。

はい、姉が看護師だったこともあり、看護師の資格を取ることは自分の中で自然な流れでした。日本の病院で臨床経験を積むなかで、患者さんと一緒に予後の過ごし方を考えることに、辛さと、やりがいを感じていました。 ある日の、患者さんのご家族からもらった言葉が今も頭に残っています。 間もなくお亡くなりになる患者さんのご家族を待合室に呼びに行った時、そのご家族から、「看護師さんはこんな時でも泣かないんですね」と言われたんです。それがすごく心に刺さって。当時、“看護師は泣いてはいけない”という無言のルールがあったのですが、そのご家族は、一緒に泣いてほしかったんだな……って申し訳なく感じたんです。 その後、医療の現場で芽生えた様々な気持ちを整理をする意味でも、ジャパンハートの国際長期看護研修を受けることを決め、国内研修を経てミャンマーの病院に研修の場を移しました。

仕事をしていて大変なことは何ですか?

作業として大変だと思ったのはパソコン関係の事務作業です。恥ずかしながら看護師として働いている時は、ビジネスメールの書き方も知らず、SSPで働き始めてイチから社会人としてのマナーを学びました。最初は電話を取ることも緊張していましたがだいぶ慣れてきました。 あとは、副業で病院で働いているので、最初のうちはSSPとの両立を図ることに苦戦しました。でも、週1回の副業をするなかで、自分の、患者さんのご家族をみる視点の変化に気づくようになりました。SSPの活動を通して、何か感度が上がったような気がしています。

関わった子どもが残念ながらお亡くなりになるケースもあるのではないでしょうか。

はい。関わった子どもが亡くなったとことを聞くと落ち込みます。数回しか会ってないけれど、「その子の存在がなくなってしまった」という寂しさが心に押し寄せます。色々な想いが溢れてきて、泣きながら仕事をしたこともありました。 そんな時は春菜医師と想いの共有をしたり、付き添った旅行を振り返りします。すると、「やっぱりあのタイミングにしか行けなかったんだ」「旅行に行くことができてよかったな!」と、思えるようになって、次の付き添いも頑張ろう! と思えるようになるんです。 1人に子どもに関わるとすごいエネルギーが必要ですし、負荷はかかるし、しんどい…と感じることもあります。でも、しんどいけれど楽しいんです。旅行に付き添って皆の笑顔を見るあの時間は。そんな、辛いことも楽しいことも、全部を自分の中で大切に温めています。

ずっと楽しみにしていた旅行が最高の時間になるようにサポート。

ずっと楽しみにしていた旅行が最高の時間になるようにサポート。

「旅行に付き添って皆の笑顔を見るあの時間は楽しいんです」(岸川)

「旅行に付き添って皆の笑顔を見るあの時間は楽しいんです」(岸川)

今後仕事でやってみたいことを教えてください

SSPの映像ができたので早く皆さんに見ていただけるような機会を作ることです! そして、協力してくれる方を増やすための体制作りや、ボランティア説明会等の開催を考えています。SSPは旅行後数年経過してから、家族から「あの時に旅行に行くことができてよかったです。SSPを応援しています」という言葉をいただくことがあります。自分が関わったことが数年かけて少しでもその家族への支えになっているのであれば、それは私にとって大きな価値です。そんな経験を一緒にできる方をもっと増やしていきたいです。 また、ジャパンハートはアジアでも小児がん治療を開始していますので、日本にとどまらず海外でも小児がんの子どもたちの啓発活動に努めていきたいと思っています。

SSPに興味のある方へひと言!

子どもたちが行きたいところに安心して行くようにサポートすることも医療の一つと私たちは考え、今まで活動を続けていました。でも今は、医療者だけでなく非医療者や地域でも、子ども達や家族を応援することができる時代になってきています。子ども・家族に丁寧に接し、小児がんに本気で関わりたいと思っている方に来てほしいと思っています!

ジャパンハートはどんな団体ですか?

「たとえ死んでも心が救われる医療ができる団体」それがすべてだと思います。

国際看護長期研修で半年間過ごした第二の故郷ミャンマーのワッチェ慈善病院で子どもと共に

国際看護長期研修で半年間過ごした第二の故郷ミャンマーのワッチェ慈善病院で子どもと共に

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