2013年にジャパンハートの看護研修でミャンマーに渡った吉田助産師。帰国後は地域に根ざした助産院を開き、看護教育にも携わってきました。海外での学びを、今どのように日本で活かしているのか。その思いに耳を傾けます。
~助産師・吉田円interview~
ジャパンハートでの活動内容について
2013年8月から1年間、国際長期看護研修に参加しました。ミャンマーでは主に手術室の外回りの看護を担当していました。現在は栃木県で助産院とエステサロンを経営しています。また今年7月まで看護学校で非常勤講師を続けていました。
ジャパンハートの海外活動に参加しようと思った理由は?
元々、ユニセフなど国際的に母子保健に関わることに憧れていました。30歳を目前に控え、海外に行くなら経験を積まなきゃ!と焦っていました。環境を変えて自分自身を変えたい!とも思っていました。他の団体も見ましたが語学力を問われなかったこと、実践力がつく研修内容だと思いジャパンハートを選びました。
途上国の現場での経験が、今の国内での医療現場で活かされていると思う/思ったことは?
医療現場ではないですが、国際看護学の講義では私の反省だらけの研修での経験を学生達に話していました。授業の感想文を読むと国際看護への熱い想いを書いてくれる学生が多く、後輩たちのこれからの飛躍につながればいいと思います。
海外に行った前と後で変わった、ご自身の考えや課題意識があればお聞かせください。
研修を通して「私はなんて感情的な人間なんだ!もっと論理的に考えられるようにならないとダメだ!」と強く感じていたので帰国後は教育の世界に足を踏み入れました。また、研修前は医師や先輩の指示に従い、疑問を持たずに看護をしていました。それがいい看護師ではないことに気がついたのは人任せにできない、差し迫った環境を経験させてもらったからだと思います。今も、主体的に考える事、それを人にわかりやすく伝える事が私の課題です。
今回のACジャパン広告キャンペーンのテーマは”つながっている”です。ご自身にとって、医療において途上国と日本とで”つながっている”と思うものはありますか?
途上国の医療では限られた環境で今できることを考えて行動する事、また目の前の方の背景を知り、文化を尊重する事も大切だと思います。私は今、産後ケア訪問型で育児に不安がある方のご家庭に訪問し、授乳や育児手技などの指導やケアをしていますが、対象のご家族が主体で生活する場にこちらから伺い、少しずつ信頼関係を築きながら情報収集し、生活に合った育児の提案や目の前で必要なケアを判断して実施するところが、途上国での看護と日本での地域看護の似ている点と感じています。
ミャンマーでは問題解決のためには個人が職種を超えて対等に話し合う知識と心構えが必要だと感じていました。また、日本のへき地医療で職種を超えて協働する姿を見たり、地域住民の方も含めた話し合いを体験したこともあり、これから益々働く人口が減る日本の医療でも同じような事が大事になってくると思います。
▼2024年よりACジャパン支援キャンペーンがスタート
ナレーションに江口洋介氏 ―東南アジアでの活動と日本の医療の「つながり」を描く―
https://www.japanheart.org/topics/press-release/240701_acjapan_newad_japanheart.html