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ミャンマーの学校事情について vol.02

up 2021.01.19

ミンガラーバー!こんにちは。
前回の活動レポートではミャンマー国内の学校事情についてお届けしました。(→ミャンマーの学校事情について vol.01
今回は多民族国家であるミャンマーならではの学校事情についてお話しさせていただきます。

ミャンマーの学校事情について vol.02

ミャンマーは多民族国家であり、全体の70%を占めるビルマ族に加え135の少数民族がいます。(例えば、ビルマ族のほかにラカイン族・シャン族・カチン族・チン族・モン族などなど…)

わたしたちがミャンマー語と呼んでいる言語はいわゆるビルマ語で、ビルマ語(ミャンマー語)がミャンマーの公用語として使用されていますが、少数民族はそれぞれ独自の言語や文化をもっています。少数民族言語はミャンマー語とは全くべつの言語で、日本国内における方言とは違います。ビルマ語を母語としない少数民族は、同じ民族同士で話すときはそれぞれの言語を使用しますが、違う民族の人と話すときや公式の場ではビルマ語を使用します。

ミャンマーの学校事情について vol.02
 
ミャンマーの学校教育では公用語であるビルマ語が使用されています。それぞれ独自の言語をもつ少数民族の子どもたちもビルマ語で基礎教育を受けなければなりません。子どものときから第二言語で教育を受けなければならないということです。

 ジャパンハートスタッフにもアカ族とカチン族のスタッフがいます。それぞれの学生時代について話を聞いてみました。
(同じ民族でも地域ごとに事情は違い、また20代のスタッフからの聞き取りした情報なので現在は変わっている可能性もあります。)

アカ族のスタッフにきいてみました。

ミャンマーの学校事情について vol.02
彼女は1年生から4年生までは地元の村にある小学校へ行っていたそうです。
小学校にはアカ族やビルマ族の先生がいました。母語であるアカ語を使って授業をしてくれており、小学校ではアカ語を使ってビルマ語(ミャンマー語)を習うこともできていました。
しかし、5年生(中学生)になると村には学校がないので学校へ通うために親戚の住んでいる町へ行き、両親とは離れて、親戚と住んでいました。中学校にはアカ族だけでなく、ラフ族やパオ族など多くの民族の生徒がいたそうです。先生はビルマ族の先生で授業はすべてビルマ語でおこなわれています。ビルマ語(第二言語)を使って算数など、他の教科も勉強しなければならないのです。(日本人にとっては例えばアメリカ人の先生から英語を使って算数などの勉強を教えてもらっているような感覚に近いような気がします。)
また、他の民族の友だちと話すときは少数民族言語やビルマ語を混ぜて使いながら話していたそうです。

ミャンマーの学校事情について vol.02

カチン族のスタッフにきいてみました。

彼女も1~4年生までは地元の村の小学校に通っていましたが、5年生からは親戚の家に住み、町にある学校へ通っていたそうです。学校にはカチン語を話す先生もビルマ語を話す先生もいたそうですが、授業は基本的にビルマ語、時折カチン語とビルマ語をおりまぜながら行われていました。(みんな第二言語で勉強しているんですね。)
また、ミャンマーの学校では3月から6月まで長期休暇があるのですが、その期間を利用して、カチン族の学校(塾のようなもの)に行くこともあったそうです。そこではカチン語についてやカチンの歌、文化・歴史などを教えてくれるそうです。

日本人で日本で生まれ育ち、大学まで日本語を使って教育を受けたわたしにとってこの教育環境はとても難しいように感じます。教える先生にとっても、教わる生徒にとってもです。

実際、ビルマ語を母語としない少数民族の子どもたちには教育を受ける上で言語のハンディキャップがあるのです。
近年、少数民族に対する教育環境改善への動きもあり、取り巻く環境は変化しているようです。
今後、少数民族の子どもたちにもより良い教育が受けられるようになることを祈るばかりです。

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ミャンマー

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