活動レポート

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【術後訪問】斜顔裂の手術を受けた女の子に出会って。

up 2019.11.25

サバイディ!ラオス事業吉田です。

先日、カンボジアで10月に斜顔裂の手術を受けた女の子の術後訪問へ行ってきました。(先日お誕生日で6歳になりました!)

ラオス ジャパンハート

ラオス事務所から片道11時間の道のりを、ドクターカーに揺られながら向かいます。
私が初めて彼女を訪問したのは、ラオスに来てすぐ8月末でした。
8月は雨季で、あたり一面緑の田んぼが広がっていました。今回は稲刈りも終わり、牛やヤギがのんびり田んぼで雑草を啄む姿に変わっていました。

ラオス ジャパンハート

車窓からの長閑な景色はきっと彼女も見ただろう、私たちは快適なドクターカーで進むけれど、彼女は乗り合いバスでこの道を進んだのだと思うと、距離だけでなく、少しは彼女の経験に近づけるのではないかと感じました。
 
1カ月ぶりに会った彼女は、やはり得意の人見知りでうつむきがちに私たちを出迎えてくれました。だけどそんな姿も彼女らしく、かわいらしかったです。

斜顔裂の手術を受けた女の子 ラオス ジャパンハート
 
彼女の疾患である斜顔裂は、成長や手術した部位の状況によって、手術を繰り返し行う必要もあります。本当はリハビリや、細かく検査をしたいこともあります。しかしここラオスでは医療が生活のすぐ近くに当たり前のように存在していません。ラオスの環境でどのようにケアを継続していくのか、今回訪問し改めて難しさを感じました。

そして、彼女の成長にあった心のケアも大切だと感じました。
ラオスの限られたコミュニティで生まれ育ち、限られた人としか彼女は接してこなかったのだと思います。カンボジア渡航前、環境的な要因もあってか、彼女は同年齢の子どもの発達課題を考慮するとやや幼く感じる部分もありました。ですが子供特有の可能性から、カンボジアで様々なことを吸収しぐんぐん成長していく姿がありました。
しかしそれとともに、今までのコミュニティから外へ出たこととその成長故に生じる心理的変化が彼女に訪れていました。彼女が他者の視線に対して「何か」を強く感じ始めているのではないか…
写真を撮ると嬉しそうに確認したり、ポーズをとるなど抵抗を示さなかった彼女が、手術後あたりから写真を拒否する場面が見られることもありました。
「顔に傷があること」
どのような気持ちを持てば、それを受け入れられるようになるのでしょうか。
彼女はだんだん女の子から女性に成長します。

命を救うことだけが医療ではないと私は考えています。
そしてまた彼女をサポートするのは医療だけではないかもしれません。だからこそ、彼女にはたくさんの思いや感情、世界を届けたいと思いました。そして、彼女自身が色んな可能性を知り、自分で選べる力とその選択肢を提供できるような支援ができればと考えています。

ラオスだから、あなただからできること、見つけて行こうね。

ラオス事業 
看護師 吉田真弓

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