活動レポート

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まっさらにして向き合う
up 2019.01.08

昨年5月より滞在中のスタッフの高木です。あっというまに8ヶ月が過ぎました。

現在、昨年6月にオープンした小児外来で、色々な症状の子どもとその親御さんと向き合う日々を過ごしています。オープン当初は患児とその付き添う家族との文化習慣・言葉の違いに驚きと戸惑いの毎日でした。

最初の苦労はまず「言葉」。
今まで全く出会ったことのないクメール語を話す人たちとのコミュニケーションギャップが大きく、患児・家族との会話の前に当然ですが、クメール人のスタッフと医療英語を駆使しなくてはならないことに気づきました。そして彼らがクメール語を英語に変化させ、患者に伝えてくれる。また患者の話すクメール語を英語にして私へ。私の頭の中で英語を反芻(はんすう)しながらその理解をする、その大変さに慣れるまで、ただでさえ暑いカンボジアで大汗の毎日を送っていました。(外来待合は扇風機すらないトタン屋根の下)
私自身、英語圏の人間ではないので大きなことは言えませんが、正直クメールなまりの英語を理解するにはスペルを言ってもらわないと理解できないこともしばしばでした(笑)。

最近は通訳さんやアドミンスタッフも私に慣れてくれたので、英語やクメール語混じりの英語・日本語で冗談を交えながら話せるようになり、外来のクマエドクターや患者家族とも少しずつスムーズにコミュニケーションが取れるようになってきました。

国際医療ボランティア ジャパンハート カンボジア  看護師

 その次は文化習慣の違い、日本では出会わないような日常の生活習慣、それによる怪我や病気の多さと違いに毎日戸惑っていました。なぜこんな場所に膿瘍ができるの?なぜもっと早く受診しないの?なぜやけどなのに冷やしもせずにこんなものを貼ってるの?なぜこの年齢なのに離乳もせずにミルクなの?など、???がいっぱいの毎日でした。

時には同じ親として、子どもに対する保護遺棄や虐待にも値するのではという怒りや悲しい気持ちにもなりました。でもそれは数ヶ月が経つうちにその理由が少しずつ理解できるようになりました。膿瘍の多さは生活環境の違い(裸足や時には裸で生活する)や不衛生さにも原因がありそうなこと、自国の医療に対する信頼感が薄いらしいこと、親が仕事に忙しく、受診させる人がいないこと、やけどにこの葉っぱが効くというカンボジアの伝統療法、離乳時期なのにミルクや母乳は日本でいう離乳食という概念がないこと、経済的に余裕がないためにタダである母乳をやめられないことなどなど。そういう生活習慣や文化・環境などを理解しつつ受け入れながら話しを聞かなくてはいけないことに気づき、でなくては患児や親御さんの信頼や理解を得られないと感じました。

そしてその一つ一つの行為は自分の子どものためになると信じて行なっている親としての愛情でもあるわけです。その方法が日本とは違うだけ。つまりそれは今まで自分が持っていた、感じていた価値観と常識をまっさらにしないと向き合えない事実がそこにあることがわかりました。

国際医療ボランティア ジャパンハート カンボジア  看護師

 ここカンボジアの小児外来は幸いなことに日本の小児科のように大混雑はありません。
それは連れてくる人の多忙さや受診を必要と考えていない親御さんたちの知識の差でしょうか。ドクターともしっかりと時間をとっての診療が可能です。
次の受診があるのか、ないのか・・・そんな一期一会の連続、言葉の壁を乗り越え、受診時ドクターにできるだけの情報を提供し、いい診察が受けられるようにしたいと思っています。そこにトンチンカンなクメール語や英語をわかろうと努力し、協力してくれるクマエスタッフには本当に感謝しています。クマエドクターも診察を終えると私に英語で患者とのやり取りや診断をきちんと説明をしてくれます。一回の受診時に予防や緊急時に家族でできるケアを少しずつでも伝え、少しでも子どもたちへの予防習慣にもつながればいいなあと思いながら外来に立っています。外来に来る親御さんたちの親、つまり子どもたちのおばあさん目線の外来看護をしています(笑)カンボジアの子どもたちは無邪気で本当にかわいいです!そんな時孫の顔が浮かんできます。

国際医療ボランティア ジャパンハート カンボジア  看護師

長期滞在看護師 高木かすみ

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