活動レポート

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言葉にならない想いと、ともに。
up 2018.11.05

初めまして、グリーフカウンセリングivy 浅原聡子です。

私は看護師でもありますが、今は主にグリーフカウンセラーとして仕事をしています。
私は今回ジャパンハートカンボジア(ジャパンハートこども医療センター)にて、10日間活動させて頂きました。

それにはいくつかの理由があります。
ジャパンハートでは今年から小児がんの治療が出来る病棟がオープンしました。
日本では8割が治るようになった小児がん、カンボジアでの生存率は2割以下・・それも小児がんを抱えたこどものうち、病院に辿り着くのはほんの一部です。
病院がない、手段がない、早期に発見できるシステムがない、金銭的な事情などなど、多くのこども達が様々な理由により適切な治療を受けられていません。救える命をひとつでも救うという理念のもと、ジャパンハートカンボジアでは小児がんを受け入れる病棟を作ったそうです。

初年度の受け入れは5人だった予定が、今は倍以上の患者さんを診療することになっています。
そのくらい小児を診ることが出来る病院がないし、ニーズがあるということ。みんな遠くから何時間も掛けて、病院に来ている現状があります。
そこには、“こどもを助けたい”という御家族の強い想いがあり、助けたいという医療スタッフの熱意とそれを可能にした現実があります。中には上に書いたような事情で発見も遅く、既に緩和医療の段階のこども達もいます。

小児がんを初めて看る看護師達、つらい治療へのサポートも看取りの看護も、初めてのことばかりですが一生懸命です。

こちらの看護師達は一見控え目に見えつつ、患者さんやご家族にはとてもフレンドリーで積極的に関わっています。気持ちの寄り添いが大きければ大きいほど、喪失に直面することがしんどくなることがある。仕事を頑張ろうとするほど、気持ちの表出が難しい。精神的に負担が大きくならないだろうか、このことが予想より早く心配になりました。

そこで現地スタッフの心のケアのヒントと、日本人スタッフの教育としてのヒントを探して提供すること。
これが私の今回のグリーフカウンセラーとしてのミッションです。

カンボジアでは日本人スタッフへの土台作りとしての2回の勉強会、「グリーフ、喪失について」と「ナラティブ、セルフケアの重要さ」を実施しました。

ジャパンハート 看護師・助産師限定 国際医療ボランティアツアー

小児病棟では、ミニレクチャー「グリーフ・カンファへの共通認識~落ち込まない振り返り」、そして小児ケースでのグリーフ・カンファの開催などいくつかのコンテンツを提供しました。
2回の勉強会後はたくさんのリアクションを、様々な職種の方から頂きました。

すぐに答えがでる課題ではありません。
それでも行ってみよう、そこから対話して考えてみようと思えたのは、かつて小児専門病院で働いた頃の自分が重なったからかもしれません。

こどもが亡くなるという哀しみ、正解のない緩和ケアや看取りの世界に、誰かに手を伸ばして欲しかった。そんなかつての願いと重なったからです。そこに誰かが行くだけでも、何か意味はあるのではないかと思えたからです。

こちらの小児病棟では初めてのグリーフ・カンファ。

最初固まっていたクメール人の看護師さん達、終わり頃にはたくさんの涙を流していました。
日本人スタッフも思わず、もらい泣きしちゃうほどでした。
カンボジアでは深い感情を表すことは、あまりされないようです。
日本でも仕事中に泣くことはセーブしちゃう方が多いと思いますが、涙が出ちゃうのはその患者さんを大切に想えているからです。
その気持ちをケアとして表したいという願いが、その人の胸にあるからです。

改めて言ってもいい機会を持てたこと、気持ちを表出出来たことはとてもよかったと。
言葉にならない想いも、ここから全スタッフで受け止めていくのでしょう。
そして・・先に生き抜いたこども達から大事なものを受け取り、大切な出逢ったひとりとして胸に抱いて生きていく。
そんな一歩になっていくといいなと思っています。
カンボジアは医療としてはまだまだ遅れがあるかもしれません。
が、それゆえに今出来ることを大事に、成長している現場がありました。
言葉にならない想いを、支援という形で表す人との出逢いがあります。
皆さんもそんな豊かな現場を是非一度体感してみてください。
患者さんと御家族の想いを大事にしたいという想いと、そんな現場を共有出来たことが私の感じた未来への希望です。
日本に帰ってもエールを送り続けたいと思います。

心も救済する医療というコンセプトをあげているジャパンハートでの活動に、心のケアは日本もカンボジアでも同じように大切で繋がっていくことを感じました。

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