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カンボジア小児がん病棟から お母さんは大学生【後編】

up 2023.06.28

皆さんこんにちは。
カンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」で学生インターンをしている田井です。
今回は肝臓のがんと闘う生後5か月の女の子・アマラとお母さんについて、前編と後編の2回に分けてお伝えしています。
(カンボジア学生インターン・田井遥香)

カンボジア小児がん病棟から お母さんは大学生【前編】 はこちらから

迫る手術の日 「明日が不安」

手術の日はどんどん近づき、あっという間に前日になりました。

アマラとお母さんはどうしているかな。
私は病室を訪ねることにしました。

すると、アマラは普段と変わらずベッドの上にあるハンモックで気持ちよさそうに寝ていました。
でもハンモックを揺らすお母さんの表情はどことなくこわばっています。

「明日が不安で仕方ない。手術が上手くどうかとても心配。」
声をかけると本音を話してくれたお母さん。
私には話を聞くことしか出来ませんが、日本から優秀なドクターが来ているから大丈夫、心配ないよと伝えて病室を出ました。

お母さんの涙

そして迎えた手術の日。

朝、病室を覗くと、窓の外にはアマラのおばあちゃんの姿が。
付き添いが認められているのは患者1人に1人だけなので病棟の中には入れませんが、いてもたってもいられずに駆けつけたようです。

とても不安そうなお母さんとおばあちゃん。
ただ、2人をよそにアマラ本人はあっけらかんとしています。
慌ただしく準備をする医療スタッフに興味津々といった様子で、時折笑顔も見せる余裕っぷりでした。

看護師さんに興味津々のアマラ

それでも手術台に乗せられると、さすがのアマラも大声をあげて泣き出してしまいました。
手術着を着た大勢のスタッフに囲まれて、不安になったのかもしれません。

それからしばらくの間、お母さんと私は手術室の外から窓ごしに様子を見守りました。
全身麻酔をするために、小さな体に色々な管を付けられていくアマラ。

お母さんと目が合うと、今にも泣きだしそうな表情で、お互い自然とハグしていました。

ギュッと抱きしめると、お母さんの目からはたくさんの涙が。
言葉こそ通じないけれど、思いは通じていたと思います。

5時間40分にも及ぶ大手術

今回の手術は、国立病院機構岡山医療センターの中原康雄医師による「中原ミッション」で行われました。

中原医師は長くジャパンハートの活動を支援してくださっていて、日本とカンボジアを往復しながら、小児がんの手術や現地医療者の育成に協力してくれています。

左から3番目が中原康雄医師

アマラの手術は5時間40分にも及びました。
これまでにも「肝芽腫」の手術は見たことがあったので長い手術になることは事前に分かっていましたが、私は心がそわそわして落ち着かず、1時間おきに手術室と仕事場を行き来していました。

手術は無事に終わり、ナースステーションの横にある「ICU=集中治療室」に移されたアマラ。
たくさんの機械につながれて苦しそうでしたが、一生懸命に呼吸していました。

ICUに移ったアマラ

お母さんは、無事に手術が終わってほっとした気持ちと、まだまだ気の抜けない不安な気持ちが入り混ざったような、何とも言えない表情で寄り添っていました。

親子で乗り越えた手術

その後、アマラは順調に回復し、3日後には元の病室に戻りました。
それでも傷の痛みが続いたようで、病室を訪ねるとお母さんは「夜も泣いていて、私もあまり寝られていない」と疲れた表情を見せていました。

本人はもちろんですが、近くで見守るお母さんにとっても手術は大変なものだなと改めて感じました。

病室に戻って最初の数日は本当に辛そうでしたが、1週間ほどするとアマラの体調も落ち着き、お母さんにも笑顔が戻ってきました。

順調に回復

そしてある日、病室を訪ねると、アマラがいつもの笑顔を見せてくれたんです。
前と変わらない笑顔が見られて、本当に嬉しかったです。

アマラとお母さん、二人三脚で乗り越えた大手術。
これからまた抗がん剤治療が始まりますが、2人なら大丈夫です。

私も引き続きアマラ親子のことを見守りながら、皆さんにも様子をお伝えしていきます!

  
田井遥香 長期学生インターン カンボジア田井遥香 長期学生インターン

2023年4月からカンボジアでインターンをしている田井です。
国境を越えた多くの方々に小児がんやカンボジアの医療現場の現状を届けていくと共に、非医療資格者として子供たちの心や人生を救う活動の一端を担えたらと思っております。


▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部

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