活動レポート
カンボジア
2026.06.15
2026年5月9日から5月11日までの3日間、ジャパンハートアジア小児医療センター(以下、ACMC)にて、ジャパンハート上級指導医である青山興司医師を中心としたチームによるミッション(集中的な手術活動)が行われました。
青山医師らによるミッションは、ACMC開院後初めてとなります。青山医師の専門としている小児外科・小児泌尿器科疾患の子どもたちに対し、尿道の出口が本来の位置に開かない『尿道下裂』の3件を含む、9件の手術が3日間で行われました。

今回のミッションを主導されたのは、長年にわたり臨床経験と医療者の教育において多大なる実績を積み重ねてこられた青山興司医師です。
ジャパンハートの活動には2011年1月から深く関わられており、これまでミャンマー、カンボジア、ラオスなどでのミッションを通じ、現地の多くの子どもたちに手術活動を行ってこられました。
共に手術活動に参加していた当院のポアン医師は、次のように語ります。
青山医師は尊敬する、大変優しい医師です。患者さんに対して非常に親切で親しみを持って接しており、細やかなケアを通じて患者さんを心から安心させる彼の姿勢から、今後の自分の医療活動に活かすことができる数多くの学びを得ました。
手術の技術だけでなく、貴重な経験や知識も我々若手医師に惜しみなく与えてくださり、私自身さらなる成長を実感しています。
また、患者さんとの接し方や手術活動だけでなく、医師同士のチームワークや連携もとても大切にされ、情熱を注がれています。
彼は私がこれまで出会った中で最高の医師の一人です。
これからもずっと彼とのつながりを大切にしていきたいと思っています。

尿道下裂は男児の生まれつきの形態異常の一種です。通常、尿の出口は陰茎の先端にありますが、尿道下裂の場合、出口が先端まで届かず、陰茎の途中、付け根、あるいは陰嚢の近くなどに開いてしまっている状態を指します。
尿道下裂は自然に治ることはなく手術での治療が可能です。
尿道下裂修復術と呼ばれるこの手術は非常に繊細で高度な専門技術を要する手術であり、緻密な手技によって慎重かつ丁寧に手術を行う必要があります。
そのため、青山医師は実際に患者に手術を行うのみならず、カンボジアの医師や若手の医師と共に手術に参加し、手術についての技術や知識の指導を行うことや患者さんとの向き合い方など大切な心構えなども伝えています。
これらの教育を行うことによって、現地医師を育成していくことでカンボジアのさらなる医療の向上に貢献しています。

日本での医療活動の実績を通じ、東南アジアの医療の発展に貢献されてきた青山医師ですが、自身の活動を「ボランティア」という言葉で片付けることはしません。
私がやっていることは世間一般で言う『ボランティア』とは少し違うのかもしれません。
ただ純粋に、『医療』というものに心からやりがいと喜びも持って取り組んでいるのです。
医療行為は難しい判断や配慮すべき多くの事柄に直面することがあります。
しかし、そのひとつひとつのハードルを越えた先で『得られるもの』は本当に奥深いです。
ただ、そのためにはやはり努力し続けることが必要なのです。
簡単に到達できるものではないからこそ、努力して、たどり着けた喜びは計り知れないです。
そうした自己の成長を日々の豊さとして享受し続けられることが、何よりありがたいことです。
現地の若手医師たちにも国際貢献や日々の臨床の中で、そういう意味での『楽しさ』を自分で探求できる状況を作ってあげたい、ただそれだけなのです。
この言葉通り、単なるボランティアではなく医療の本質を伝えようとするその姿勢は、周囲の医療従事者や現地の若手医師たちに、言葉以上の大きな影響を与えています。

青山医師らによる今回のミッションにおいて、現地医師は医療にとりくむ姿勢、患者さんへの接し方、そして手術についての専門技術など、臨床現場での実践力の向上へと繋がる多くの学びを得ることが出来ました。
この学びを真摯に受け止め次なるステップへと繋げ、ジャパンハートとしての誇りと責任を胸に、「すべての人が、生まれてきて良かったと思える世界」の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。
長期学生インターン 小林 礼奈
▼プロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/