活動レポート
カンボジア
2026.06.08
昨年に引き続き、今年で2回目となる災害支援・対策セクションの海外訓練 ―
第1クールは2026年4月26日~28日の3日間、第2クールは5月5日~7日の3日間、合計12名の参加者とともに実施しました。
今回の活動地(訓練地)はジャパンハートの事業地のひとつであるカンボジアです。メインの活動は昨年10月に開院したジャパンハートアジア小児医療センターから車で約2時間の場所にあるプレイクラー小学校で、子どもたちの健康診断を行うことです。

この訓練の目的は大きく2つあります。
災害支援では地域をよく知る地元の方々との協力は欠かせません。特に海外では、言語や文化、生活習慣の違いもあり、現地スタッフとの連携が非常に重要になります。
今回も普段からジャパンハートの病院で勤務している現地スタッフ(医療者・非医療者)と協力しながら、より良い健診となるよう意見を出し合い、活動を進めました。
災害発生時には国内外を問わず、限られた環境で活動しなければならない場面があります。
今回の訓練ではそのような状況を想定しながら、資材の工夫や代替手段を考える機会となりました。
現地に到着してまず行ったのは健診会場の動線設計です。
訓練参加者同士で案を出し合い、医師の問診は声が聞こえやすい室内で、血圧や体温などのバイタルチェックは屋外テントで、身長・体重測定は軒下で行うなど、限られたスペースを最大限に活用しました。
また、「子どもたちが集まると声が聞こえづらくなるため、待合スペースは最小限にした方が良い」といった現地スタッフからのアドバイスも取り入れながら準備を進めました。
動線が整ったところで、いよいよ健診開始です。

日本の子どもたちも「お医者さん」を前にすると緊張することが多いと思いますが、カンボジアの子どもたちは「お医者さん」と関わる機会がさらに少なく、外では笑顔いっぱいだった子供たちも教室に入ると緊張した顔に。
訓練参加者は身振り手振りを交えながら子どもたちとコミュニケーションを取り、現地の通訳スタッフも優しく声をかけながらサポートしてくれました。

1日目終了後には、訓練参加者全員で夕食を囲みながら振り返りを実施しました。活動の中で見えてきた課題や改善点を共有しました。
「問診票の数字がクメール数字で読めない」「名前がクメール語で記録できない」といった課題に対しては、現地スタッフにアラビア数字やアルファベットへ書き換えてもらいながら対応しました。
また、「暑さで体温が正確に測れない」という問題に対しては、「非接触体温計を手首に向けることで測定しやすくなる」といった現場での工夫も共有されました。
2日目は前日の反省を踏まえて活動を開始しました。
医療者と子どもとの距離感に合わせて座る位置を調整したり、訓練参加者がクメール語で書いた名札を貼ったり、子どもたちの名前をアルファベットで表示したりするなど、訓練参加者それぞれが工夫を重ねました。
その結果、1日目よりも全体の流れがスムーズになり、子どもたちの笑顔もさらに多く見られるようになりました。
健診終了後は、日本から持参した折り紙やフリスビーで遊んだり、現地の子どもたちから遊びを教えてもらったりしながら交流を深めました。
第1クール終了後、日本人参加者から多く聞かれたのが「虫歯の多さ」についてでした。
第2クールには本訓練に歯科医師も参加していたことから、現地スタッフとも相談し、簡単な歯科健診も実施することになりました。
実際に行ってみると、「口を開けることに慣れていない子どもが多い」という点が印象的でした。
日本では小さい頃から歯科健診や歯磨き指導を受ける機会がありますが、カンボジアではそのような機会がほとんどなく、「恥ずかしい」「どのくらい口を開けたらいいかわからない」という子どもたちが多くいました。

また、学校でアイスやジュースを口にする子どもが多いことも、日本との違いとして感じられました。
現地スタッフからは、「親世代は仕事で忙しく、祖父母が子育てを担う家庭も多い。世代によって歯磨きへの意識に差があるのかもしれない」といった話も聞くことができました。
参加者からは
「現地スタッフが声かけや通訳で支えてくれたおかげで、スムーズに活動できた。」
「みんなで試行錯誤しながら改善していく過程が印象的だった。」
といった声が聞かれました。
一方で
「今回はジャパンハートスタッフや関係性のある小学校との活動だったからこそスムーズに進められた。実際の災害現場では、まず関係構築そのものが大きな課題になると感じた。」
という、災害支援の難しさに触れる声もありました。
第1クール・第2クールを通して、のべ341名の子どもたちの健診を行うことができました。
関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました。
