活動レポート

ミャンマー

2026.09.19

【養育施設Dream Train/ミャンマー】暮らしの中から「なぜ?」を見つける―NFPEのコンポスト実験―

2026年7月1日、Dream Trainに「ノンフォーマル初等教育(Non-Formal Primary Education、以下NFPE)」センターを開設しました。
さまざまな事情から正規の学校教育を継続することが難しかった18名の子どもたちが、ここで学んでいます。

開設当初は初めての教室で少し緊張した面持ちを見せていた子どもたち。
約2ヵ月が経った今では、授業中に積極的に発言したり、活動に参加したりする姿が増えてきました。
そんな18名が現在取り組んでいるのが、生ごみを利用したコンポスト実験です。

【養育施設Dream Train/ミャンマー】暮らしの中から「なぜ?」を見つける―NFPEのコンポスト実験―

毎日の「生ごみ」を、学びの材料に

Dream Trainでは毎日子どもたちの食事をつくっています。
その調理の過程で出る生ごみを、ただ捨てるのではなく、堆肥として土に還し、実際に野菜を育ててみる。
そして、土の条件によって植物の成長にどのような違いが生まれるのかを比べます。

今回用意したのはグラウンドの土、ぼかしを使った土、生ごみを加えた土、生ごみと卵の殻を加えた土など、条件の異なる土です。
それぞれ温度やpH、におい、水分、生ごみの状態などを確認しながら、変化を記録してきました。

教室を飛び出して土に触れ、自分たちの目で変化を確かめる時間は、子どもたちにも好評です。
ある子は、コンポストの時間について「座学より楽しい」と話してくれました。

堆肥づくりを終え、いよいよ種まきへ

現在、ミャンマーは雨季。第1回目となる今回の実験では堆肥づくりを終え、いよいよ種を植えました。

選んだのは雨季の栽培に適した空芯菜とローゼルです。
空芯菜は炒め物に、ローゼルの葉は炒め物やスープに。どちらもミャンマーの食卓には欠かせない、子どもたちにもなじみ深い栄養豊富な野菜です。

普段、自分たちが口にしている野菜だからこそ、「育てて、観察して、最後には食べる」という一連の経験を、より身近なものとして感じてもらえたらと考えています。

【養育施設Dream Train/ミャンマー】暮らしの中から「なぜ?」を見つける―NFPEのコンポスト実験―

芽が出なくても、それも一つの「答え」

空芯菜とローゼルでは、収穫までにかかる日数や生育に適した土壌のpHも異なります。
同じ時期に種をまいても、土の条件によって芽が出るまでの日数や成長の速さ、葉の大きさなどに違いが出るのか。これから子どもたちと観察していきます。

一方で、少し心配なこともあります。
Dream Trainの敷地の土は粘土質です。条件によっては、思うように芽が出なかったり、順調に育たなかったりする可能性もあります。

けれど、私たちはそれも大切な学びだと考えています。
「育たなかった」で終わるのではなく、「なぜ育たなかったのだろう」と考える。
土が原因なのか、水の量なのか、季節なのか。結果を記録して原因を考え、次は条件を変えてもう一度試してみる。

成功した結果だけでなく、思い通りにならなかった結果も、次の実験につながる大切なデータとして扱っていきたいと思います。

18名の作文から見えてきた、もう一つの意味

NFPEでは、これから子どもたちの興味や将来につながる課外学習や遠足も取り入れていく予定です。
そこで先日、その計画の参考にするため、18名全員に「将来の夢や目標」について作文を書いてもらいました。
作文を読んでいく中で、私たちにとって印象的なことがありました。

18名のうち10名は、ご両親やご家族が農業に携わっていたのです。
さらに5名は自分自身も将来、農業や園芸に関わる仕事に就きたいと書いていました。

コンポスト実験を始めたときには、この活動が子どもたちの将来とこれほど近いところにあるとは、私たちも想像していませんでした。

子どもたちにとって農業は教科書の中だけにあるテーマではありません。
家族の仕事であり、日々の暮らしの一部であり、ある子にとっては自分が思い描く将来の姿でもあります。

そう考えると、土に触れ、植物を育て、条件による違いを自分の目で確かめる経験は、単なる理科実験だけではない意味を持ち始めます。

【養育施設Dream Train/ミャンマー】暮らしの中から「なぜ?」を見つける―NFPEのコンポスト実験―

学ぶことが、いつか自分の力になるように

NFPEはさまざまな事情によって学校教育から離れていた子どもたちが、もう一度学び始める場所です。
だからこそ、読み書きや計算を身につけることはもちろん、「自分は何に興味があるのか」「将来どんなことをしてみたいのか」と考えられるような経験も、大切にしていきたいと思っています。

小さな種がこれからどのように育っていくのか。
そして、この経験が18名の中にどのような「学びの種」を残していくのか。

皆さまにも、これからの成長を一緒に見守っていただけましたら幸いです。

Dream Train 那須田玲菜

 

Dream Trainでは、皆さまからのご支援を子どもたち一人ひとりの成長や夢の実現につながる体験・学びの機会に大切に活かしてまいります。
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