活動レポート
日本
2026.09.17
現在、災害支援・対策セクション(iER)は令和8年熊本地震の被災地にて支援活動を継続しています。

カスタマーリレーションセクションの原です。
私は令和8年8月7日から12日まで、熊本県八代市の避難所での活動に参加させていただきました。
私が避難所で活動したのは発災から約1週間が経過した頃でした。
避難所開設から少し時間が経っていたため、求められる医療ニーズや困りごとの内容も、発災直後と比べると異なったフェーズに突入している状況でした。
避難所に到着すると、早速、一緒に活動するボランティアの看護師Mさんが出迎えてくださいました。
Mさんと私はiERが年2回開催している登録ボランティア研修で、以前、スタッフとして一度ご一緒しており、面識がありました。
前日までは初めての活動参加に心細さも感じていましたが、活動現場に知り合いがいることに、なんだか心強さを感じました。
研修や日々の活動のなかで、ボランティアさんやスタッフと顔見知りになっておくことは、現場での安心感や活動中のチームワークにもつながることを実感し、それがとても大切なことなのだと感じました。
到着したその日から、早速避難所での活動が始まりました。
私が避難所で担ったのは「ロジスティックス(調整員)」(以下「ロジ」)という役割です。ロジはいわゆるなんでも屋さん。
医療チームが円滑に業務を行えるよう、情報収集や関係各所との調整、連絡などを行います。
私は普段、iERとは別の部署で働いており、オフィスでパソコンと向き合う業務が多いです。
しかし、普段の業務のおかげで、記録の整理や入力など、ロジ業務に役立てることができたスキルも多くあり、それぞれの得意分野を持ち寄り活動することの大切さを感じました。
また、その多様さも、iERチームの強みなのだと思います。
避難所で行った具体的な業務としては、避難者さんのもとを巡回して困りごとやニーズを聞き取ったり、掲示板作成、ゴミ箱設置、衛生啓発の張り紙作成、避難者の子どもたちとの交流、ラジオ体操カードの作成、区画整理など多岐にわたる業務などがあります。
そして、そのすべての業務は決して一人では成し得ませんでした。

活動期間を通して印象に残ったこととして、まず、iERスタッフや、ボランティアさんたちの前向きな性格があります。
被災という経験をされた方々とどのように接するべきか悩んだこともありましたが、そんな時は、皆さんの前向きさに救われました。
「避難所は社会の縮図」と言われるように、立場の異なる方々が同じ場所で日々を過ごされています。
また、避難所運営に携わられていた市役所の方や施設長も一人の被災者でした。
そういった状況下で、「これができていない」、「あれができていない」と足りない部分をやみくもに指摘するのではなく、外部から来た支援団体だからこそ、明るい気持ちで、「一緒にやっていこう」という前向きなパワーを伝えることができるジャパンハートの強みを感じました。
また、医療者の皆さんの、被災者一人ひとりの思いに寄り添った支援も印象に残っています。
元看護師だった私の祖母は、よく「看護師さんはみんな根が優しいから」と言っていますが、本当にその通りだなと感じました。
老若男女問わず、それぞれの抱える思いや困難に目を向け、耳を傾け、チームで対応方法を考えたのは大切な時間でした。
その結果、一人では気が付けなかったであろう、数人の避難者さんの福祉的なニーズを拾い上げ、他機関につなげる機会を作ることができました。
一方で、活動中に悩んだこともあります。
避難所のセンター長さんや対口支援の方々から、「ジャパンハートさんはほんとになんでもやるんだね」と声をかけていただくことがありました。
避難者さんは高齢の方の割合が高く、避難生活そのものが大きな負担となっていたため、清掃活動や朝の放送といった役割の多くは、ジャパンハートを含む支援者側が自然と担うようになっていました。
もちろん、一人ひとりの状況や体調への配慮は非常に大切です。
しかし、支援者がすべての役割を担い続けると、避難所の自立した運営を妨げてしまうのではないか、とチームの皆さんとも話し合ううちに考えるようになりました。
そこで、無理のない範囲で、避難者さんも徐々に主体的に避難所運営に関われるようなきっかけづくりを行いました。
例えば、ゴミ箱の近くに替えのゴミ袋と案内の札を設置したほか、折り紙を使ったカレンダーの装飾をお願いしたり、ラジオ体操の声出しをお願いするなどなど・・・高齢者も子どもも、一緒に取り組める工夫です。
また、対口支援でいらしていた大分県の職員さんはトイレの個室に掃除用具を設置したり、清掃を促す張り紙を掲示してくださいました。

こうした一つひとつの工夫は些細なことかもしれませんが、支援者がすべてを担うのではなく、一人ひとりに寄り添いながら、共にできることを考える大切さを学びました。
私は避難所での活動を終え、東京に戻って約1ヵ月が経ちます。
しかし、この間も、避難所で生活されている方がいらっしゃいます。
また、ご自宅に戻れたとしても、今までの生活に元通りとはいかない方もいらっしゃいます。
そこで、東京にいる私でもできることを考えてみると、それは目の前にある日々の業務に懸命に取り組み、支援者の皆さまから頂いた温かいご支援を熊本の人々へつないでいくことなのだと考えました。
私自身、今回の経験を通して、ジャパンハートが掲げる「医療の届かないところに医療を届ける」という理念の意味をこれまで以上に実感しています。
また、熊本に関心を向け続けることも、長期化する復興を支えるうえではとても大切なことだと思います。
引き続き、皆さまの温かいご支援・ご関心をお寄せいただけますと幸いです。
最後に、現地での活動にてご一緒させていただいた皆様をはじめ、関係してくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。

ジャパンハートでは、熊本地震の被災地で医療支援・物資支援を継続しています。
現地へ必要な支援を届け続けるため、皆さまのご支援・ご寄付をお願いいたします。