活動レポート

カンボジア

2026.06.29

【カンボジア医療活動】今ある環境を飛び出した先に ―看護師たちが挑むカンボジア医療― メディカルチーム ナース対談

【カンボジア医療活動】今ある環境を飛び出した先に ―看護師たちが挑むカンボジア医療― メディカルチーム ナース対談

今回は2025年5月より活動を開始した、メディカルチームの宮永看護師(手術室勤務)と、2025年8月より活動を開始した井口看護師(病棟勤務)による対談インタビューをお届けします! 

2人はどんな思いでへき地 / 離島・カンボジアでの1年半という期間を選択したのか、背景や現地での活動についてお伺いしました。 

Q1.2人の活動開始のきっかけは何でしたか? 

宮永看護師 

私はずっと「海外で何かできたらいいな〜」と思って看護師になったのですが、働いている間に忙しさや日々を乗り越えるのに精一杯になって時間だけが過ぎていってしまって。 

そんな時に、コロナが蔓延しだして、感染症病棟に行くことになったのです。
ある日、朝受け持った患者さんが夕方にはICUに入るぐらいに急変してしまって、もし自分も感染したら…?と自分の命の危機を感じました。 
その時に、やろうと思っていたことを全然していないことに気づいて、ジャパンハートに応募しました。 

井口看護師 

私は「看護師になりたい」という志が先だったんですが、学生の頃にNGO団体などを調べていく中で、看護師でも海外・へき地で働けるっていう選択肢を知って、へき地での医療活動に興味を持ちました。 
実際、そういう活動に参加するために日本の病院でも救急科に所属して学んでたんですが、日々を過ごす内に忘れるというか…。環境に甘んじてしまう?(笑) 

宮永看護師 

わかります!(笑) 
今の環境でも楽しいし、何が嫌ってわけでもないから。 
人も良かったし、教育もしっかりしているし…。 

井口看護師 

そうそう。 
そんな中で、仕事を辞めてふと我に返って「次何をしよう?」と考えた時に、
そういえば昔から、ボランティアとか海外のへき地で何かしたいっていう思いがあったなと思って、「仕事がない今じゃん!」って。 

ここで活動する人は働きながら応募して、面接受けて、活動開始時期が決まってから仕事を辞める人が多いと思うのですが、私は逆で、仕事辞めてからここに来たんですよね。 
次の第二の自分の人生を考えたときに、「今だな」って思いました。 

宮永看護師 

私は今のままでもいいかも…。という甘えた気持ちがあってなかなか行動できない自分に対して、後戻りできない状況を作りたかったんです。 
なので、仕事を辞めてから行くことを決めたというよりは、行くために仕事を辞めたという感じですね。 

【カンボジア医療活動】今ある環境を飛び出した先に ―看護師たちが挑むカンボジア医療― メディカルチーム ナース対談

Q2. 離島/へき地医療を経験してからカンボジアに来られたと思うのですが、離島やへき地での経験がカンボジアで活きていると感じる事はありますか? 

井口看護師 

欲しい物も全部揃っていて、薬とかも潤った環境で医療をしていた私たちが、資材が限られた環境下に出たときに 

  • 自分で考えて医療を提供しないといけない
  • カンボジアに行くにあたって、自分が何をしたいのか考えないといけない 

というのはずっと言われていました。 
へき地で活動する中で、自分がやりたい事とか、何をしないといけないのかを見つけて介入していく、周りを巻き込んでプロジェクトを回していくっていうことが、学んだことです。 

カンボジアへ来る前に、良い意味で鍛えられましたね(笑) 

宮永看護師 

私は自分のダメなところとひたすら向き合うっていう半年だった気がします。 
オペ室にずっといたんですが、離島医療の半年間は病棟で勤務していました。 
「うまくやらなきゃ」って思うけど、それがなかなかできなくて。 
自分と向き合いながら半年を過ごして、いざカンボジアに来た時に、 「あの時、こうしたらできたな。」とか、「日本ではこうしてもできなかったけど、次はじゃあこうやってみるか」っていう試みがもっとできるようになりました。 

井口看護師 

自分を見つめなおす半年間でしたよね。 

宮永看護師 

そうそう。 

Q3. 印象に残っている出来事や課題は何ですか? 

宮永看護師 

私の印象に残っているのは現地の医療者の人柄です。
切り替えが早いことにすごくびっくりしました。
何かが起こった時も、私は結構「あ~やっちゃった…。」ってなるのですが、彼女たちって、改善・対策がすごく早いんですよね。 
これでうまく行かなかった。じゃあ次はこうすればいいよねって。 
私自身がうまくいかない時もそう言ってくれるので、「よし、次がんばろ!」って思えます。
そういうところが自分の性格と全然違って刺激になりました。 

井口看護師 

私は「どうやったら現地の医療者たち主体で動ける道を作れるのだろうか?」っていうところが今でも難しいです。 
日本人が勝手にあれやろうこれやろうって言っても、絶対長続きしないので。 
日本人は結局1年で去ってしまうから、残される現地の医療者たちの受け身じゃない姿勢をどう作っていこうかなっていうところが課題ですね。 

【カンボジア医療活動】今ある環境を飛び出した先に ―看護師たちが挑むカンボジア医療― メディカルチーム ナース対談

Q4. ジャパンハートで活動する魅力は何ですか? 

井口看護師 

限られた医療者でできる最大限のことを行っている背景から、日本だと医師が行う抜糸や傷の処置を看護師が行うことがあります。自分で判断することが多くなるため、知識を見直し、結果的にスキルアップにもつながります。あとは患者さんとスタッフの距離がすごく近いのも魅力ですね。 

宮永看護師 

日本では、医師は手術、患者さんのケアは看護師、器械の準備や滅菌・清掃は中央材料室のスタッフという感じで、他にも色々な職種の人がそれぞれ専門性を持って、役割分担をしながら働いていると思います。 

でも、カンボジアではスタッフの人数が限られていることもあって、患者さんへの対応や手術準備、清掃などを医師や看護師に関係なくできる人ができることをする、と協力し合います。
手術の開始から終了までをみんなで一丸となって患者さんに関わっている様子が印象的でした。 
私もその一員として関わることができて良かったと思っています。 

【カンボジア医療活動】今ある環境を飛び出した先に ―看護師たちが挑むカンボジア医療― メディカルチーム ナース対談

Q5. 最後に…これからのご自身のビジョンと、活動を考えている人へ一言お願いします。 

宮永看護師 

カンボジアに来てみて、これからどうするか決めようと思っていたので、ノープランなのですが..。(笑) 
私は英語が得意ではないので、英語を勉強しに行って、もっとコミュニケーションをとれるようになりたいです。 
「みんなともっと深い話ができたのかな」とか思うと、来る前に英語をもうちょっと勉強してきたらよかったなというのは正直なところです。 

井口看護師 

私は帰国したら、もう一度自分の医療知識を見つめなおしたいですね。 
もう一回、日本の病院で働いて自分の医療知識を見つめ直す期間を作りたいっていうのと、あとはカンボジアに行こうかどうしようか足踏みしている人たちの後押しができたらいいなと思っています。 
もし迷っている方がいたらぜひ一歩踏み出してください! 
来て後悔はほんとにないですよね、日本では経験できないことばかりだし。 

宮永看護師 

はい、本当にないです。 

井口看護師 

来てよかった。それは揺るぎないですね。 

最後に

日本では経験できない環境だからこそ得られる学びや人とのつながり、そして何より、「来てよかった」と胸を張って言える経験。
挑戦の先にある成長や気づきを直に感じられたインタビューとなりました。 

貴重なお話、ありがとうございました! 

長期学生インターン 岡北萠花 

プロジェクトの詳細はこちらから
 https://www.japanheart.org/activity/medical/asia-childrens-medical-center.html