活動レポート
カンボジア
2026.06.01
カンボジアでは、一年で最も暑い時期を越え、少しずつ雨季に入り始めています。雨が降る日も増え、季節の移り変わりを感じる頃となりました。
5月3日、Japan Heartが運営するジャパンハート アジア小児医療センター(ACMC)では、病院中央にある「センターサークル」で、初めてとなるイベントを開催しました。
センターサークルとは、病院の中央に位置する芝生エリアのことです。病棟からも眺めることができ、「病院を訪れる子どもたちに、さまざまな体験を届ける場所」として設けられました。
病院がオープンしてから、外来患者さんの憩いの場としても活躍しています。

記念すべき初回イベントとして催されたのは、カンボジアの伝統舞踊の公演です。
今回、素晴らしい舞踊を披露してくださったのは、「くっくま孤児院」の子どもたちでした。

くっくま孤児院はカンボジアの首都プノンペンにある日本の認定NPO法人グローブジャングルさんが運営する孤児院です。
くっくま孤児院では、「子どもに手に職を」という想いのもと、子どもたちが将来につながる学びや経験を得られるよう、さまざまな活動が行われています。その一つとして取り組まれているのが、カンボジアの伝統舞踊です。子どもたちは日々練習を重ね、文化を受け継ぎながら、自分たちの表現を磨いています。
今回のイベントでは、カンボジアのクメール正月に踊られる伝統的な踊りを披露してくださいました。色鮮やかな衣装に身を包み、音楽に合わせて丁寧に踊る姿はとても美しく、会場全体が穏やかな空気に包まれました。

当日は、外来に来院されていた患者さんやご家族も足を止め、子どもたちの踊りに見入っていました。また、長期入院中の小児がん病棟の子どもたちも観覧することができました。

特に小児がんの治療は長期にわたることも多く、入院生活が続く子どもたちは、外の世界との接点が限られてしまうことがあります。治療の副作用や体調面の影響から、思うように外へ出たり、同世代の子どもたちと交流したりすることが難しい日も少なくありません。
そのような中で行われた今回の公演は、病院の中にいながら、外の世界や文化、人とのつながりを感じられる特別な時間となりました。
病棟の子どもたちは、感染対策などの観点からガラス越しでの観覧となりましたが、公演後には、踊り終えた子どもたちと病棟の子どもたちが手を振り合う場面も見られました。言葉を交わさなくても、笑顔や仕草を通して自然と気持ちが通い合う、温かな交流の時間となりました。
ACMCでの公演は、踊りを披露してくれた子どもたちにとっても、病院で治療を受ける子どもたちにとっても、今回の経験が互いの心に残るものになっていれば嬉しく思います。

また、今回のイベントは、ACMCにとって初めてセンターサークルを活用した催しでもありました。病院という場所は、治療を行うだけでなく、子どもたちやご家族が少しでも安心し、心穏やかに過ごせる空間であることも大切だと私たちは考えています。
ジャパンハートでは、医療提供だけでなく、子どもたちの「療養体験」を大切にしています。治療の時間の中にも、楽しさや季節感、人とのつながりを感じられる機会を届けることで、少しでも前向きな気持ちになれる環境をつくりたいと考えています。
今回のように、様々な人との交流を通じて、新しい出会いや体験が生まれることは、病院にとっても大きな意味があります。

ご協力いただいたグローブジャングルさま、そして素敵な踊りを披露してくれたくっくま孤児院の子どもたちに、心より感謝申し上げます。
ジャパンハートはこれからも、さまざまな団体さんと連携しながら、「心を救う医療」を体現する場所として、子どもたちにさまざまな体験機会を提供していきます。
ジャパンハートカンボジア
里見春佳
▼ 認定 NPO法人グローブジャングルの活動はこちらから
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