活動レポート
支援者の声
2026.11.06
ジャパンハートアジア小児医療センター開院からもうすぐ1年が経つ今、病院の礎を築いた「病院名誉ファウンダー」のインタビューをお届けします。
「病院名誉ファウンダー」とは、新病院・ジャパンハートアジア小児医療センターの理念に共感し病院の礎として100万円以上をご寄付いただいた個人支援者様のことで、病院の記念プレートにはその名が刻まれています。

これまで100名以上の方に贈らせていただいたこの「病院名誉ファウンダー」のなかで、大原記念倉敷中央医療機構 臨床医学研究所 臨床研究支援センター長の德増裕宣医師に、ご支援の背景やご支援して良かったことなどをインタビューさせていただきました。このご支援により、德増医師は紺綬褒章も受章されています。
―德増先生には多大なるご支援をいただきました。改めて心より感謝申し上げます。先生がご支援くださったきっかけは何だったのでしょうか?
知り合いの嘉数真理子先生(元・ジャパンハートこども医療センター小児科部長)がFacebookでこのプロジェクトのことを発信されていて、支援を募っていることを知り、ぜひ協力できたらと思っていました。
ちょうど、自分で立ち上げた事業が一つの節目を迎えた時期でもあって、何か社会に還元できることをしたいと思っていたタイミングでした。
私の周りには、実際に海外へ行って医療活動をしている先生もいらっしゃいます。一方で、自分自身が同じように現地で活動するのは難しい部分もあったので、寄付という形であれば自分にもできると思い、支援させていただきました。
―德増先生の肩書きは、率直なところなかなかイメージがわかないのですが……ご経歴や今のお仕事について教えてください
実は、医療者側からも「何してるの?」という質問はよくあるんですよね(笑)。
私は現在は臨床を離れていますが、もともとは小児科の中でも新生児医療を専門にしていました。生まれたばかりの赤ちゃんの蘇生など、目の前の命を救う仕事をしていたのですが、新生児医療にはまだ分かっていないことも多くあります。学会などで新しい知識を得て、それを現場に持ち帰り、より良いと思われる治療を取り入れる、ということを続けていました。
そのようななかで、日本全国でどのような治療が行われているのかを、もう少し早く知ることはできないのかな、と考えるようになりました。電子カルテの中にはさまざまなデータが蓄積されていますが、それを十分に共有・活用できていなかったんです。
そうしたデータを全国の医療者がよりタイムリーに見られるようになれば、『ここの病院ではこういうことをやっているんだったら、うちでもやってみようか』といった形で、より良い医療が広がっていくのではないか。そう考えて、医療データベースを構築する事業として会社を立ち上げました。
―最初にこのプロジェクトを知った時はどう感じましたか?
インフラ、つまり建物や設備が十分でなければ、提供できる治療にはどうしても限界があると思っています。新しい病院ができることで、これまでできなかった治療ができるようになる部分はかなりあるのではないかと感じました。
―なぜご支援先にこのプロジェクトを選んでくださったのでしょうか?
ジャパンハートに寄付する前は、困っている個人や個別のプロジェクトに寄付をすることが多かったんです。ただ、そうした支援だけでなく、より多くの人に長く届くような形で支援できないかと考えるようになりました。そういう意味で、『医療の組織を良くする』『医療そのものを良くする』ことにつながる、このプロジェクトが良いなと思いました。
―その場の支援というよりも、「仕組み」や「持続的により多くの人が救われていく世界」のようなところに投資してくださったということですね
はい、そうですね。
―当時、開院に向けて、心配だったことなどはありますか?
気になっていたのは、持続可能な形になっているのかというところですね。これから10年、20年と無理なく続いていく病院になってほしいと思います。
日本でも、病院を作っただけでは、患者さんが増えるほど現場の負担が大きくなってしまうことがあります。なので、この病院では、働く人が疲弊することなく、良い医療を続けながら、少しずつ発展していってほしいです。
―確かにそういったお声も時々いただいてきました。今後スタッフ向け託児所などを備える計画もありますので、「働きやすい環境による、より良い医療の提供」を目指していきたいと思います。
ご支援いただいて良かったことはありますか?
自分の子どもたちを連れて行けるのであれば、「日本だけではなく、海外に対してもこういう形で関わることができるんだよ」ということを伝えられると思います。
自分の子どもたちには、周りの人と関わりながら、もし助けられることがあるのであれば、できる範囲で手を差し伸べてほしいという想いがあります。
もちろん、それを目的に寄付したわけではありません。ただ、今回の支援をきっかけに、実際にこの病院を子どもたちに見せることで、何かを感じ取ってくれたらいいなと思うようになりました。そういう意味でも、寄付して良かったと思っています。

―そのように思っていただけて光栄です。近いうちにぜひお子様と一緒にお越しください。
日本だけにいると、いろいろなことが当たり前になっていると思います。だからこそ、成人するまでにそうした場所にも触れて、世界にはさまざまな国があり、それぞれの異なる価値観の中で人々が暮らしているということを知ってもらいたいですね。
―最後にメッセージをお願いいたします。
カンボジアの新しい病院は、とても素晴らしい取り組みだと思っていますので、ぜひこれからも発展していってほしいです。その中で、例えば個別プロジェクトが継続的に生まれてくると、また新しい支援の輪が広がるきっかけになると思います。毎年何か新しい取り組みがあると、私たち応援する側にとっても楽しみになります。
私自身は、寄付という形での支援が中心になりますが、これからもファウンダーの一人として、できる範囲で継続して関わり、応援していければと思っています。
―大変励みになります。ご期待に添えられるよう引き続き精進します。本日はお忙しい中ありがとうございました!
アジア小児医療センターにご興味を持たれた方へ
アジア小児医療応援団は、その年ごとに病院を支えてくださった方をお迎えする、年度単位の支援プログラムです。ご寄付を通じたご支援の枠を超え、病院の理念と未来をともにつくる「仲間」として、ご参加いただくことを大切にしています。
〈アジア小児医療応援団のご案内〉https://www.japanheart.org/topics/support/acmc-supporters.html